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画像:ZMP企業HPより



 今年も残すところ2か月。深まりゆく秋の中で株式相場も赤く色づく銘柄が増えたのは良いですが、興奮しすぎて思わず高値づかみにならないよう気をつけて頂きたいと思います。


 25日に上場したJR 九州(9142)は日経平均が1万7500円に近付く中公開価格2600円に対して初値は3100円で19%余りの上昇で取引を開始。
 公開価格で買われた多くの投資家はちょっとにっこりされたのかも知れません。

 上場後は遅ればせの売り物に押されるなど頭重い展開ながら、まずは順調な滑り出し。その後も静かな売買が見られ初値付近に戻ってきました。他のJR株の手前、JR九州だけが突出することはないと思いますが、今後も着実な推移を期待したいと思います。


 JR九州は鉄道や不動産など旧来のビジネスですので、ある程度先行きは見えますが その分PERなど市場での評価は低い状況となってしまいます。

 一方においてまだ産業として成立すらしていない全く新たな分野でIPOする企業への評価は高く、投資家の期待の高まりからPERは市場平均を大きく上回ることになります。時にPERという尺度は異常値を示し、創薬ベンチャーのように研究開発費で利益が大幅な赤字か、さほど利益が上がっていない状況でも時価総額が1,000億円以上となったりします。希少価値のある未来志向の企業が、今後の株式相場でも活躍の中心となることは否定できません。


 とりわけ産業発展の入口に立つチャレンジングな企業としてIPOを果たした企業への評価は高く、それをメディアによって取り上げられる頻度が高まることもあって一般的な評価を大きく逸脱することもあります。

 例えば、ロボットスーツ「HAL」の開発企業である CYBERDYNE(7779・マザーズ)はその典型例で先行費用から赤字が続く一方で同社への期待は高く、時価総額は、一時5,000億円以上にも達しました。

 また、同様にミドリムシで有名なユーグレナ(2931・東証1部)も機能性食品からバイオエネルギーへの応用という期待の高まりから上場後に時価総額は2,000億円を超える水準で評価されました。

 それぞれに現状は時価総額が1,000億円台に落ちてきましたが、依然としてプレミアムがついている状況にあります。


 さて、そうした企業と同様に2年ほど前から上場の噂があった車の自動運転に関連したZMP社の上場が再び市場で話題になっています。昨年末に上場するという話もあったのですが、1年後の今でもまだ実際に具体化していませんが、今度こそ上場するのではと期待は膨らみます。

 AIやIoTも株式市場では大きなテーマとして注目されていますが、その具体的な担い手となる企業が続々と株式市場に現れて次代を担う成長を遂げるというのがIPO市場にとっては喜ばしいことになります。
 筆者はかつてZMP社がまだベンチャーとして資金集めに奔走していた時期に社長と面談させて頂いたことがあります。その時は学校の実験室のロボットキットであったり音楽ロボットであったりと、自動車運転システム及び機器という段階には至っていませんでした。それから10年以上の歳月が流れ開発が進み、今や自動運転のフロントランナーとしてソニーやDeNAなどの大手企業とビジネスを展開する時代が到来。IPOが噂されるたびに同社の株式を保有する企業が話題になったり、提携したIT系企業の株価が連想ゲームのように上がったりしています。

 その上場はまだ未発表ではありますが、時代のテーマに沿った企業のIPOが求められていますので、今後も歓迎ムードは高まると想定されます。


(炎)


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