29日の英国の国民投票を受けてポンドは急落した。しかしその後にこの材料を織込み市場は落ち着き気を回復しポンドもやや反発している。


 昨晩はカー二―BOE総裁が英国のEU離脱を受けて、「経済見通しは悪化しており、おそらく夏にかけて金融緩和策が必要になる可能性が高い」と発言し た。金融政策委員会は7月14日の会合後に状況の暫定評価を発表、最新の経済見通しを公表する8月4日に包括的な評価を明らかにするとした。

 カー二―総裁の発言を受けてポンドドルは1.34台前半から1.32付近まで下落、ポンド円も137.70付近から135.82付近に急落した。

 また離脱派をリードしてきたボリス・ジョンソン元ロンドン市長は時期保守党党首選への出馬を取りやめ、同じく離脱派のゴープ司法相が立候補。EUとの関 係修復にジョンソン氏の指導力に疑問符がついたなどの意見もあるが、保守党のしかも離脱派の中でもひとまとまりになれず政治の混乱という印象を受ける。

 おそらく離脱問題はかなり長期戦になりそうだ。その間に経済は減速するのだろう。


 とはいえ英国の代表的な指標であるFT100はポンド安と、カー二―BOE総裁の発言を受けて金融緩和期待から本日も上昇し6513.89ポイントの戻り高値となった。
 国民投票の前日の高値6380.58ポイント、4月21日の高値6427.32ポイントも上回り10月以来の高値を更新。

 Brexitのせいで叩き落された日経平均の戻りはまだ15682.48円と弱いもので、英国に文句のひとつも言いたくなるのが日本の投資家の本音ではないだろうか。


(YEN蔵)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)