為替相場が円高に向かっている状況下でそれに連動して動いてきた日経平均が底打ちするには、明確に為替が円高のピークを打つ必要があります。それが1ドル=103円~105円ではないかと言われている間は底打ちすることはないという見方です。
しかしながら4月7日から8日にかけての日経平均は為替が一時1ドル=107円台をつけ、一段と円高に向かいつつある中で、日経平均は比較的落ち着いた動きが見られます。円高=株安の構図が崩れつつある証拠かも知れません。
一方で日経平均が基調として弱いにも関わらず、多くのIPO企業が上場を目指すマザーズ市場の株価指数はこのところ強い展開が見られます。
市場の潮流は輸出関連の主力大型株を避け、内需中心の中小型株、とりわけマザーズ市場銘柄に物色の矛先を向けていると考えられます。
こうした物色の流れがマザーズ指数を本年2月12日の安値664.92から3月31日の1026.45まで54.4%もの上昇につなげる結果になったと 見られます。日経平均は弱いのにマザーズ指数が強い背景はこうした為替の影響を受けないテーマ性で評価される内需銘柄が多いことによるものと推察されま す。
とりわけ、ロボットスーツのCYBERDYNE(7779)やビットコインのセレス(3696)といった成長期待の高い銘柄の人気が継続しています。ま た、弁護士ドットコム(6027)や中村超硬(6166)、ハウスドゥ(3457)といった好業績銘柄への人気が高まっています。
このほか、上場後から長期に株価が低迷してきたビッグデータ関連のALBERT(3906)が2月12日のボトムから1か月余りで2.8倍にまで急騰するなど根強い物色気運が様々なマザーズ銘柄で見られます。
つまり好業績株やテーマ株、反転上昇の可能性がある長期低迷株など多彩な切り口で投資家が取り組んでいる姿が感じられます。これらの銘柄は上場時から人 気化したCYBERDYNEのような例外を除けば比較的IPO時点においては穏健な値動きを見せることが多いのですが、投資家からの理解が進めば、その後 は時折見せる調整局面を経て株価が大きく上昇する銘柄があったり、反対に長期に株価が低迷してきた銘柄が何かのきっかけで見直されることで大きく株価が上 昇するに至ったりしている訳です。
今年のIPO銘柄数は3月までが23、4月の5銘柄を加えると28銘柄となります。そのうちのマザーズ上場銘柄数は既に上場を果たした14銘柄に加え、今後上場する2銘柄を加え16銘柄となります。
中には直近IPOしたスマホゲームのアカツキ(3932)のように上場直後弱含んだものの、その後急騰を演じている銘柄もあります。
マザーズ上場の銘柄の多くは内需系サービス企業でネットワークを活用した成長が見込まれるなど内容を吟味すれば、上場後に株価が長期低迷していても、1~2年で大きく居所が変わる銘柄も出てくると期待されます。
短期よりも中長期視点でのじっくり型の投資が奏功するものと思われます。
日本株の潮流が大型株一色から中小型株を指向する動きがなおも続くならこうしたマザーズIPO銘柄を改めて研究し直すことが運用成果の向上にもつながると考えられます。
(炎)
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