岡田斗司夫プレミアムブロマガ「【イベント情報】『ひとの気持ちが聴こえたら:私のアスペルガー治療記』徹底解説！これはリアル版『アルジャーノンに花束を』だ！」:岡田斗司夫プレミアムブロマガ: 岡田斗司夫ゼミ・プレミアム(岡田斗司夫)

岡田斗司夫プレミアムブロマガ　2019/06/09

おはよう！　岡田斗司夫です。

岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送＋講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。
サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています（2018年12月1日より新サイトに移行しURLが変更されました。これに伴い、ログイン画面も変更されています。詳しくはメール末尾の注意事項をご覧ください）。
（※ご注意：アーカイブサイトにアクセスするためには、この「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」、「岡田斗司夫の個人教授」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください）

今日は、岡田斗司夫のイベント・メディア情報をお届けします。

【ニコ生】

　次回は、久しぶりに書籍の特集です。

　ジョン・エルダー・ロビソンが書いた『ひとの気持ちが聴こえたら　私のアスペルガー治療記』
　この本を徹底的にやりたいと思います。
　
　アスペルガーというのは、アスペルガー症候群とか、自閉症スペクトラムとも呼ばれている症状です。
　著者のロビソン自身が、アスペルガーなんですよ。彼は他人の表情が全く読めない。だから、人の言葉の裏というのが全くわかんない。考えたこともないんです。

　でもその能力がないお蔭か、ものすごく敏感な音を聴く能力というのを持っています。
　だから、アーティストの要求に応えて新しい試みもできるし、普通の人にはわからない機械の不調にもすぐ気づく。
　その能力で、優秀なコンサートの音響エンジニアとして業界では有名で、大きいコンサートなんかにも引っ張りだこだったんですよ。

　とは言え、人の気持ちが全くわからないから、人間関係のトラブルがしょっちゅうある。

　それに、彼には、歌詞の良さが全然わかんなかったんですよ。歌詞っていうのは、ロビソンにとっては書かれている意味通りにしかとれないからです。
　歌詞ってそうじゃないですよね。
　「本当はこいつ、この子のこと好きなんだ、辛いだろうな」とか、「こいつ、こんなことを忘れたいと思ってる。でも、忘れられずに苦しんでるんだな」とか、歌詞の奥にある情感こそが大切。なのにそれが全くわからないんです。
　だから、彼は生まれてからどんな歌詞も、いいと思ったことがなかったんです。
　当然、アーティストに対してリスペクトも持てない。
　
　その結果、彼は常に孤独で、とうとう仕事を失ってしまいます。

　で、今はボストンの近くで、自動車修理工場の社長をやってます。
　自動車のエンジニアとしても、相変わらずすごく優秀です。
　自動車の調子に関しても、普通の人ではわからないような本当に小さな変化も全部わかるんです。

　それも、アスペルガー症候群という脳の偏りのお陰で、人の心や表情がわからない代わりに、音や機械のことがすごく詳しくわかるためです。

　ある日、そのロビソン自身が、アスペルガーの治療法を探るための医学実験チームに巡り合います。
　その実験は、簡単に言うと、脳の特定の部位に電磁波を当てるという実験です。

　これはロビソン以前にも何人にも実験されました。
　動物で実験してもあまり効果が出ないんですけど、人間で実験すると劇的な効果があります。
　
　ただし効果は一週間程度で、少しずつ消えていくとのことです。
　消えるまでの長さは人によって様々で、どれくらい続くかわからない。
　でもその効果は、必ずなくなってしまう。
　
　それでもロビソンは、その実験で人の気持がわかるようになるかもしれないと考え、同意書にサインをし、実験を受けます。
　
　ロビンソンの場合、実験を受けた直後は、何も変化を感じなかったんですよ。

　「なんだ、何もないじゃないか」と思って、ボストンから家へ帰るドライブをしながら、いつも通りiPodから、いつもの曲を聞いていました。
　それは、いつもの通りの行為なんですけど、ある瞬間からうわっと涙があふれてきたんです。

　急に歌詞の意味が全部わかるようになっていたからです。

　僕らが歌を聞いている時に、歌詞の意味がわかるように、ロビソンにとってそれまで全くわからなかった歌詞の奥の意味が、いきなり全て、バッと耳の中に入ってくるようになって、彼の心を揺り動かしたのです。

　しかしこれ良いことばかりではないです。

　同時に、ロビソンは、周りの人からそれまで言われてきた言葉の本当の意味がわかり始めてしまったんです。

　他人から言われた言葉を思い出すと、次々とその意図がわかってしまう。
　その結果、これまでいい人だ、友達だと思ってた人が、自分をただ単に笑いものにして、からかっていたことに気がついてしまったりするのです。

　おまけにこの能力は1週間かそこらで消えてしまうんです。

　お気づきの方もいると思いますが、これは有名なＳＦ小説『アルジャーノンに花束を』の設定とそっくり。あのリアル版ですよね、本当に。

　さて、彼はどうなるでしょう？
　お楽しみに！

明後日(火）の岡田斗司夫マンガ・アニメ夜話は

6月11日（火) 20:00～　｢機動戦士ガンダム完全講義〜第11回」　

ちなみに、前回のニコ生岡田斗司夫ゼミ#284 は
大人の『ゴジラ』映画の楽しみ方を、「自分の本質は特撮にある！」と語る岡田斗司夫が魂で解説します！でした。

表放送
01:16　今週の『なつぞら』
05:08　今週の『さらざんまい』
08:11　ゴジラ・ネタバレなしの感想
11:40　ルパン三世・PARTⅡ
17:52　『カリオストロの城』でやり残したこと
27:43　怪獣映画の概論
44:45　怪獣映画の根本的な結果
50:30　君にぴったりのゴジラ
01:07:23　ゴジラの息子
01:10:54　ゴジラお便り
裏放送
01:17:00　レジェンダリーなゴジラ
01:27:22　クトゥルフ神話・漫画版
01:35:34　ゴジラは怨霊
01:44:07　アメリカ人にとってのゴジラ
放課後
01:56:30　岡田斗司夫の日常