岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/06/08
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2019/05/26配信「【Q&A】海外のキャッシュレス事情について、ディズニーファンの嫁の話 などなど」の内容をご紹介します。
岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。
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2019/05/26の内容一覧
- 朝ドラの「悪い癖」とマイブリッジの写真、ディズニーシーの新エリア
- お便り 「ステッカー制作の経緯と『ムーミン』解説の感想」
- お便り 「家族で岡田斗司夫ゼミを見ています」
- お便り 「面倒くさい質問」
- お便り 「最高のオタク新婚旅行を迎えるために」
- お便り 「吹き替えに芸能人を起用することに納得できません」
- お便り 「岡田さんの模型をもっと見たいです」
- 次週告知
- ドラマのネタ・義務教育・サンの刺青
お便り 「ステッカー制作の経緯と『ムーミン』解説の感想」
じゃあ、前回の『ムーミン』の感想からいきましょう。
(中略)
次です。大阪府ねごとさんからのお便り。
『ムーミン』回、拝見しました。ムーミンマフィアは恐ろしや。
私は90年版『ムーミン』をリアルタイムで視聴し、ムーミンファンになったのですが、全体的にどこか影がありですね、哀愁のある雰囲気が大好きで、名作と感じてます。
質問なのですが、69年72年90年製作のアニメ版『ムーミン』について、岡田さんはどのような評価をされているでしょうか? ご回答頂ければ幸いです。
そしてステッカーがとても欲しいです。もしよろしければ、岡田さんサイン入りしていただければ、もっともっと嬉しく思います。
よろしくお願いします。
(中略)
実は、ねごとさんが仰る90年版の『楽しいムーミン一家』というアニメは、現在、世界中のムーミンテーマパークでやっている『ムーミン』の公式設定のベースになっているんですね。
これが作られた際、キャラクターデザインを務めたアニメーターの名倉靖博さんという方が、設定を全部考えて、世界観を整えたんです。
にも関わらず、名倉さんの功績はあまり知られていません。69年・72年版は、現在はトーベ・ヤンソン遺族のキャラクター会社の意向で、アニメ自体がなかったことにされてしまっている。再放送も出来ないことになっている。
そういうことがあるから、僕は『ムーミン』のアニメの件に関しては、ちょっとモヤっとしちゃうんですけども。
なぜかというと、僕自身も、かつてエニックスという会社と『ドラゴンクエスト』シリーズに関する仕事をやっていた時に似たような経験をしたことがあるからです。
僕は『ドラゴンクエスト2』に感動したあまり、エニックスの千田さんというプロデューサーに直接会いに行って「『ドラクエ』の仕事を一緒にやりたいです! ぜひ手伝いをやらせてください!」というふうに言ったんですよ。
そしたら「じゃあ、ちゃんとクレジットにも、あなた達がやったと出すので、全ての武器や鎧の設定を考えてください」と言われたんですね。
そこで、うちの会社にいた玉谷純という大阪芸大出身の、それまでは実績はなかったものの、ファンタジーが好きだった人間に設定を考えてもらったんです。
今でも使われている「ロトの剣」から「天空の鎧」から「キメラのつばさ」といったアイテム全ての設定を、全部彼1人が考えて、書き上げたんですよ。
それをエニックスに提出したんですけども、その功績は、現在なかったことにされてしまったんです。
まあまあ、僕とかはいいです。でも、玉谷純の名前くらいは残してやれよというふうに思うんですけども。
いつの間にか、「一緒にやろう」と言ってたところから、「いや、ゼネプロさんにはこの仕事をお願いしますから、その件はなかったことに」ということで、無理やり曖昧にされてしまったんですね。
なので、いまだに僕は、エニックスと千田さんを許しておりません。『ドラゴンクエスト』は好きですが、許しておりません(笑)。
だからといって、どうこうしようというのではなくて。
ここから得られた僕の教訓は「クリエイターは大手と仕事をするな!」ってことなんですよ。
「他人の作品を手伝うな!」、「大手の仕事をするな!」というのは、僕、クリエイターが持っておくべき鉄則だと思います。
庵野秀明くらい偉くなると別なんですよ。
昔、『帰ってきたウルトラマン』という作品を、僕が監督・プロデューサーで庵野秀明と8ミリで作った時、円谷と円谷の版権の管理事務所は、作った僕らを呼び出して「なんてことだ! けしからん!」と言ったんです。
そうなんですよ。だって、パロディとはいえ『帰ってきたウルトラマン』を名乗って作っちゃったんだから。
なので、僕らも平身低頭謝ったんですけど。
でも、同時に円谷プロと版権管理会社の人たちに、「でも、作品を見てください! すごくちゃんと作ったんです!」と言ったんです。
だけど、その当時は「こんなものは見るに値しない! なんてくだらないんだ!」と散々言ってたんですよ。
なのに、庵野秀明が有名になった瞬間に、手の平を返したように、円谷は公式に認めて、『帰ってきたウルトラマン』のDVD販売を許可することになったんですよね。
つまり、「庵野くらい偉くなったからひっくり返せた」ということなんですけども。逆に言うと「庵野くらい偉くならなかった玉谷純は、エニックスに功績を隠されたまま」なんですよね(笑)。
なので、クリエイターの皆さん「大手とは仕事はしない方がいいですよ」というのが、俺からの助言です。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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