岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/01/10
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今日は、ニコ生ゼミ12月30日分(#263)のハイライトです。
『岡田斗司夫ニコ生ゼミ』から一部抜粋してお伝えします。
ホワイトベースのデザインには、富野由悠季の青春が詰まっている
案外、知られていないのがホワイトベースのデザインなんですよね。
僕は凄い好きな話なんですけどね。
ホワイトベースって、すごい特徴的なデザインをしてるんですよ。
でも、当時のアニメ関係者は皆、一発で「あぁっ!?」って分かったそうです。
それは何かっていうと、「富野さんやサンライズは、どこから来たか?」って話なんですね。
『機動戦士ガンダム』というのは、元々は宇宙戦艦モノとして考えられていて、「ここ以外は助かる場所はない」と。
自分達が逃げ込む“フリーダム・ファイター”という宇宙船の中で、『十五少年漂流記』のなかで、いろいろな所から攻撃を受けて、命からがら逃げるという。
後に『伝説巨人イデオン』とかに流れが行くような話しなんですけども。
その、かなり早いうちに決まったホワイトベースのデザインが、実は “あるもの” に似てるんですね。
それは何かっていうと、これはあるマンガに描いてあるものなんですけども、「虫プロに来た少年」という事で、虫プロが出てくるんですよ。
それで “虫プロダクション” の本当の建物はこうだったんですけども、この窓の形は見た事がありますよね?
これはホワイトベースのブリッジなんですよ。
この当時、東京の練馬区にあった虫プロダクションというのは、屋根が平らで壁が斜めにカットしてある、すごい特徴的な建物だったそうです。
それで当時、そこの周りに門が二本あって、「まるでスフィンクスのようだった」という人もいたんですね。
ホワイトベースのデザインというのは、富野さんが昔、青春を過ごして、その中で東映動画とか東宝とかいろんな会社から「あいつらダメだ」と言われた、クリエイターの夢の集まり場所であり、後には倒産しかけて、いろんな所から逃げ回る事にもなったような場所だったんです(笑)。
その虫プロのビルのデザインと、ホワイトベースのデザインが、まるっきり同じだったので、当時の元・虫プロだった人たちからは、「あぁ、富野は俺たちの話を作ってくれるんだな」と。
『機動戦士ガンダム』っていうのは、子供向けのアニメであると同時に、自分達がやった事の総決算としても作ったそうなんですね。
富野さんも、「ザンボットをやって、機動戦士ガンダムをやったら、もうこの先は好きなものが作れるかどうか分からない」というふうな事を考えていたんだろうと思うんですよ。
面白い事にね、富野さんが一番作家性を出した『海のトリトン』という作品は、西崎義展プロデュース、虫プロ製作、富野由悠季監督。
それでこんな『海のトリトン』みたいな手塚治虫の原作をまったく無視したものを作っちゃったから、また手塚治虫がスネたという(笑)。
そんないろんな事が繋がって、もう本当に『真田丸』みたいな戦国史なんですよね。
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