岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/09/06
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今日は、朝日新聞掲載の『悩みのるつぼ』からです。
9月1日に掲載された相談文と岡田斗司夫の回答、あわせてお楽しみ下さい。
<相談文>
70代女性です。夫と40代の息子と3人家族です。息子は大学在学中からひきこもりとなり、ずっと無職です。私たちは共働きでしたので、少しは蓄え、年金があり、月々少しですが、彼に小遣いを渡しています。
朝は7時に小ぎれいな格好で家を出て、夕方5時には帰って来ます。近所の人は彼がどこかに勤めていると思っているはずです。食事は別に取り、私たちとの会話は必要最小限、年に数度です。一時、私が「仕事探したら」と切り出し、衝突しかけたこともありますが、今はもう関係は安定(?)しています。
さてここからが相談です。彼はきれい好きで日曜日には2階の掃除をします。掃除機の音が鳴り出すと、やがて何やら大きな怒鳴り声が聞こえてきます。よく聞くと「くそー」「ばばあ」「どあほ」「ボケ―」などと、聞くに堪えない言葉なのです。夫にも聞こえているはずですが、何も言いません。
私は、掃除機が鳴り出すと、体が震えだすので、最近耳栓を買ってきました。耳栓で夫の声が聞こえず、叱られることもありますが、やむをえません。10分ぐらいで掃除が終わると静かになり、昼食時にはすました顔で降りてきます。
まずは当面、こんなことが続くと日曜日が怖くなります。耳栓以外に何か良い方法があれば教えていただきたいのです。岡田先生、お願いします。
<回答文>
相談文の「40代のひきこもり」問題は、特殊な悩みではありません。内閣府平成22年調査では、15~39才人口の1.79%、約70万人が広義の「ひきこもり」。40代まで含めると、70万世帯以上の家庭がこの悩みを抱える、いまや「ありがちな話」なんです。
なので、よくある精神論や「家から追い出せ」「親が甘いから」という指摘は無意味です。相談者はもうすでにこういう指摘や議論に疲れ果てて、いまの状態にいます。誰かが原因ではないし、誰も悪いわけじゃない。あなたが困っているのは「日曜ごとの息子の叫び声」です。ここだけに焦点を当てます。
以前は共働きだったんですよね?つまりあなたも夫も「平日昼間は家にいなかった」。ということは、かつて息子は「平日の昼間だけは、家で羽が伸ばせた」わけです。
ところが彼のひきこもり生活も20年を越えて、ついに両親がリタイアしてずっと家にいるようになってしまいました。世間体を気にする彼は「平日は仕事があるフリ」をして自宅から逃れます。しかし休日は家にいるしかない。
以前は「一人きりになれる個室」だった我が家は、あなたや夫がいる「社会」になってしまった。それでも彼は「俺を一人にしてくれよ!」と無茶な要求をするほど愚かではない。なので掃除機の騒音にまぎれて怒鳴る、というストレス解消をしているんです。
根本的な解決策としては「彼が一人暮らしをはじめる」のが最上です。可能なら、息子に資金援助してアパートで一人暮らしさせて,生活費を出すのがベストとは言えないけどベターな方法でしょう。
ただし、お金の問題もあるし、息子が納得するとは限りません。なのでもっと簡単な方法を考えてみました。
毎週日曜、あなたと夫が家を空ければいいんです。理由は何でも良し。旅行でも習い事でも映画でも散歩でもかまいません。できるだけ毎週同じ時間、できれば6時間ほど家を息子だけにしましょう。これだけで息子の叫び声は無くなると思います。
相談文の行間から「もう今のままでいい」「せめてあの怒鳴り声をなんとかしたい」という気持ちが伝わりました。たぶん息子も同じ気持ちだと思います。
現状を変える必要はありません。お互い、逃げて良いと思いますよ。
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