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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「アニメに革命を起こした『新世紀エヴァンゲリオン』、初の徹底解説!」

2018/04/09 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/04/09

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2018/04/01配信「初の徹底解説!岡田斗司夫が『新世紀エヴァンゲリオン』を読み解く!」の内容をご紹介します。
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2018/04/01の内容一覧

『エヴァンゲリオン』オープニングの徹底解説

 では、オープニングからいきましょう。
 オープニングの中から、気になったところを色々話してみます。

 まず、冒頭です。「青い風が今、胸のドアを叩いてる~♪」という、みなさんも、もう1000回くらい聞いただろうオープニング曲なんですけども。ここでのシンジの顔の回り込みがスゴいんですよ。
(パネルを見せる)
 このアニメキャラの回り込み描写というのは、例えば、鳥山明がデザインしたキャラの顔だったら、簡単に描けるんです。
 なぜかというと、鳥山明のキャラクターというのは、完全に3Dとして再現できるようにデザインされているから。つまり、髪の毛とか鼻の位置とか、顔のパーツすべてが、立体としての整合性の取れているから、回って当たり前なんですよね。
 ところが、貞本義行のデザインするキャラというのは、どちらかというと、モデラーにとっては「立体化出来るはずなのに、悔しい!」と思わせるようなデザインなんですよ。つまり、あらゆる意味で二次元としてのデフォルメがうまく効きすぎてるから、一見すると簡単に三次元に出来そうなんだけど、なかなかできないんですね。

 つまり、このシンジの顔の回り込みのシーンというのは、今の3D作画では絶対に再現不可能なシーンなんですよ。
 顔の方向が少しずつ変わる度に、目鼻口をその角度に合わせたベストの位置に微妙に修正して、二次元的にも綺麗に周ってるように見せている。当たり前なんですけど、「ニ次元で表現している」というところがスゴイんですね。
 このオープニングでは、二次元の漫画的なデフォルメが施されたキャラクターの顔を回転させて、まるで三次元に見えるという奇跡のような作画をやっています。

(中略)

 そして、4枚目です。これね、あんまり評価している人がいないんですけど。
(パネルを見せる)
 「シンジくんが右手で握っているレバーを前にスライドさせる」というだけのカットなんですけど。これ、僕は、アニメのメカデザイン史上における革命だと思っています。
 僕、そういうののマニアだから結構見てるんですけども、それまでのロボットアニメの操作レバーのデザインというのは、だいたい飛行機とかバイクとか、現実にあるものの応用だったんですね。
 ところが、このレバーは、似ているものが何もないんですよ。
 今、コメントにも書いてくれた人がいたんですけども、しいて言うなら、掃除機とか、日用製品の白物家電に近いデザインなんですよね。もちろん、イメージソースは「ガソリンを入れるソケット」なんですけども(笑)。

(中略)

 「タン、タン、タン、タ、タ」で表示される最後のカットが、パワーゲージです。
(パネルを見せる)
 このメーターが、下から上に変化していきます。これは電源じゃなく、たぶん、神経接続のシンクロ率とかを表すゲージなんでしょうけども。

 この描写のどこが「エヴァンゲリオン・スタイル」なのかというと、「普通に真正面から撮っていない」というところなんです。かなり斜めのパースを効かせた映像として撮ってます。
 この特徴的なパース。「なぜ、普通に真正面から撮ればいいはずの計器パネルを、斜めから撮るのか?」というところに、エヴァンゲリオン・スタイルの秘密が隠れているんです。
 その正体は何かというと、実は「実相寺アングル」と呼ばれる技法です。これについて、詳しくは来週に説明するんですけども。そういった、極端なパースを付けたり、前に大きいものを置いた実写の撮り方があるんですよ。
 「実相寺アングルをアニメで再現するにはどうすればいいのか?」を追求していった結果、このようなエヴァ独特の映像スタイルが生まれたんだと思います。
 実写でこれを行おうとするときには、例えば僕の顔を映す時だったら、顔の前に「なめもの」と呼ばれる別の物を置いて映せばいいんですけども。アニメでそれをやったとしても、「ただ真似しただけ」の絵面になってしまうんです。
 では、二次元のアニメにおいて、実相寺アングルをやるということはどういうことかと追求していった後に、庵野秀明達スタッフが辿り着いた結論は「平面のパネルを、極端に斜めになパースを付けて描く」ということだったんですよ。
 これも、やっぱり僕は、一大発見だと思うんです。だけど、これも、やっている人が他にほとんどいないんですよね。

 元々、こういうメーターの使い方というのは、『トップをねらえ!』というアニメの第6話で、実験的に採用したものなんです。
(パネルを見せる)
 これは、第6話の中のワンシーンで、「ヱルトリウム」という宇宙船の中の「バスターマシン3号のバリアに宇宙怪獣が突進してきて、バリアが破られそうだ」という状況を示した表示なんですけども。「ヘックス」と呼ばれる、六角形のシミュレーションゲームのマスみたいなものが現れて、そこからグラフのようなものが垂直に伸びています。
 ここでも、平面の画面を斜めパースを掛けて表示させています。
 ただ、この時、斜めにした理由というのは、スタイルではなく、ヱルトリウムという宇宙船の進んだ科学力というのを表現するためだったんですけどね。「ゼリーみたいに密度とか体積がある光」ということを説明するために、光の「断面」が見えるようにしたというのが、『トップをねらえ!』でのやり方だったんです。
 しかし、『エヴァンゲリオン』では、これを完全にスタイルとして採り入れちゃってるんですね。だから、どこにでも使える汎用性があるし、劇中での使用頻度も高い、メチャクチャうまいやり方になっています。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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