岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/07/06
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今日は岡田斗司夫のゼミ室通信をお届けします。
DMMオンラインサロンの岡田斗司夫ゼミ室では月に1回オフ会があり、ここで質問や相談を受け付けています。
今日はDMM6月オフ会レポートをお届けします。
質問:抽象的な難しい映画は、どう読み解いたらいい?
質問者:
映画のジャンルで、読み解くのが難しい“難解映画”というのがありますよね。
たとえば『フェリーニ』だったり、『ゴダール』だったり、『ホドロフスキー』だったり、『デヴィッド・リンチ』だったり。
そんな難解映画の中でも、面白いと思える作品もあるんですが、難しくて読み取りづらい作品もあります。
以前、岡田さんが『2001年 宇宙の旅』の解説でやっていた「時間で区切る方法を」試したりもしたんですが、あまり上手くいきませんでした。
そんな抽象的な描写で作られている、難しい映画の読み解き方を教えていただけますでしょうか。
回答:監督が何を撮ろうとしているのかを読み取る
たとえばグルメの人は、美味しい物を食べるだけなんですよ。
その段階を過ぎると、次はその店ごとの個性に流れていって、最終的に「料理人がどうやってその料理を作ったか?」「なぜその料理を作りたいと思うに至ったか?」に行き着く。
おそらく、それがグルメな人たちのゴールなんですよ。
ところが映画を見るときは、あまりこのグルメのようなルートを辿る人がいないんですね。
みんな、スクリーンの手前ばかりを見ている。
または、メイキング映像を見るぐらいで終わっちゃう。
だけどグルメと同じように、「カメラマン・監督・脚本家が、なぜこの作品を作ろうと思ったのか?」とか、「それが何%ぐらい達成されたのか?」とか分かってくれば、その映画が分かりやすくなってくる。
難解映画というのは、特にそう。
難解な映画というのは、難解な理由がある。
・作者の実力以上の事を表現したがっている
・観客の理解力以上の事を表現しちゃってる
だいたい、この2つの理由があるんですね。
それで観客の理解力以上の作品の場合は、僕たちが勉強すればいいんですよ。
ただ問題なのは、「本来、そんな物は映画で撮れない」というテーマを撮ろうとしているとか、その監督にはそのテーマはまだ難しいという場合。
それだともう、観客の勉強ではどうにもならないんですよね。
なので、基本的の僕たちが出来るのは、「その監督が何を撮ろうとして、どれぐらい達成したのか?」というのを気を使って分かってあげながら見るという事ですね。
映画の場合、1分ごとに何が起こったのか書いてみると、ものすごく分かりやすくなる。
さらに言えば、その映画の台本を自分で書いちゃうと、すごく分かりやすくなります。
とにかく何かを分析する場合は、手を抜いちゃいけません。
そして分からなくなったら紙に書く。
それを、どんどんクセにする。
真面目な人は映画を見ながらメモを取るぐらいな事をやってると思うのですが、それでまだ分からなかったら台本を起こすとか、簡単な絵コンテを起こしてみる。
すると、ものすごく分かるようになる。
それでも分からない映画は、そろそろ作った側の責任かもしれません(笑)。
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