岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/05/02
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2016/11/27配信「『この世界の片隅に』で見えたTVアニメーション崩壊前夜!中抜きでアニメ業界総ブラック!業界のおカネ事情は?~アニメ・イズ・デッド第二弾 対談・山本寛(アニメ-ション監督)」の内容をご紹介します。
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2016/11/27の内容一覧
- 本日のお題
- 山本寛さんとの対談開始
- ヤマカンなら『この世界の片隅に』をどうする?
- 今の生活と地続きな『この世界の片隅に』
- ヤマカンと片淵監督のやり方の違い「先を行かれた」ところ
- とりあえず見ろっていう強度のある批評と「片渕さんを勝たせてあげたい」
- ジブリ再結成の可能性
- 宮崎長編の予算とヤマカン大予言、「アニメ作業あるある」
- 宮崎駿の部下にはできないドワンゴ川上さん
- 『君の名は。』『子の世界の片隅に』以後の『エヴァ』は「もういい」?
- アニメ業界の相場「カット単価」と5人でやってた京アニ
- 権利を持っていても潰れるスタジオと倒産を伸ばす方法
- 10月クライシスと『ナディア』前のガイナックス造反劇
- アニメーターが増えないアニメ業界をいったん終わらせよう
- 「ボケ役」評論家ヤマカンさんへのツッコミ方
- 限界を迎えたアニメ界をサポートする方法
- 『シン・ゴジラ』『君の名は。』『この世界の片隅に』が業界を変えた
- 『君の名は。』が青春恋愛映画を終わらせた
- 『この世界の片隅に』が変えた「アニメの作り方」
- 『蒼きウル』とCGのためにガイナックスに導入されたインディゴ
- 手法にこだわりのない庵野秀明の挑戦
- 島田紳助のマーケティング理論、「感性のX軸」と「時代のY軸」
- 次回告知:『ガンダムTHE ORIGIN』「ハリー・ポッター現象」
限界を迎えたアニメ界をサポートする方法
- 【全文を読む】
【05:02】
さて、「アニメ界の闇」っていうのもなんだけども、今、アニメ界がなんとか生き残っているのは仕事が多いから、倒産するわけにもいかないっというのもあるんだけどさ、中華マネーと、あと、これはね、あまり語られないんだけども、地方自治体というのがあると思うんだよね。
中華マネーというのは、みんなも分かっている通り、そろそろいろんなところから、話も出だしているよね。つまり、中華資本が日本に進出してきて、アニメスタジオやアニメのスタッフっていうのを抱え込もうとしていると。
アメリカのハリウッドっていうのを中国の会社が買うのと同じように、ものすごい出資をしてやろうとしている。ただその企画が、なかなか決まらないんだよね。向こうも、もう研究してるんだよ。
15年前とか20年前くらい、海外の会社がこれからはコンテンツの時代だって、日本に来た時にはたとえば、日本の名前出しちゃうとちょっと差しさわりがあるんで、CGのアニメでちょっとエッジのきいた作品を作るところが何社もあったんだけど、そこに海外の資本家が入ってきて、急に本社が新宿とか青山とか六本木にがーっと移った。アニメ会社なのに本社をそんなところに移転したっていうのが、いくつもいくつもあったんだ。
でもそれはそれぞれの会社がろくに調査もせずに、これからはコンテンツの時代だ、まずは数を揃えるっていうことで日本のアニメ会社を押さえようとしたから、そんなことになったんだけども、僕が聞いている限り、今の中国にしても、中東、アラブマネーにしても、すごい慎重なんだよね。
つまり、本当におまえのところには制作能力があるのかとか、過去お前の会社がヒットだしたのはわかった、その時のスタッフ、お前の会社にまだいるのかっていうのを調査してきて、もうそれを全部わかった上で向こうの弁護士が条件を突きつけてくるという状態になってきている。
でも、それで昔よりは楽な戦い方が出来なくなったんだけども、でもそこに可能性は残っているので、アニメ界がなんとかそこで片足で立とうとしているというのがあると思う。
もう一つがね、さっきみんな「え? なんのこと?」って書いてたんだけど、地方自治体、これね、なにかっていうと、いろんなアニメ会社が今、聖地を作るっていうのもあるんだろうけども、地方でスタジオを作ろうとしているんだよね。
地方でスタジオを作ろうとしたり、もしくは地方を興すのに、たとえばアニメ作りますとか、もしくはここの地方でアニメスタッフを雇いますとか、スタジオを作って東京で本社機能で、たとえばシナリオとコンテはやるんだけども、作画とかこういうふうな部分は地方でやりますというようなことで、地方自治体から予算を貰って。
それもアニメの制作費って、さっき言ったら1500万とかさ2000万とか3000万とか、かかるじゃん。そんだけも、まとめて出ないんだよ。一番最初に調査費とか、いろんな名目で予算出て、それは300万とか500万かもしれないんだけど、たぶんそういうお金があれば、ファンタジアは、僕は潰れなかったと思ってるんだよね。
そういうので、今のところ、アニメ業界というのは潰れずになってるところがあるんだよ。それぞれの地方自治体が、もう毎年300万とか400万とか500万というのを2年も3年も出してるんだけど、まだアニメ出来ないんですかっていうふうに言って来てて、ちょっと微妙にいろんなところが危なくなっている状態があるらしい。
じゃそれもこれも、みんなが円盤買わなくなったから、いわゆるDVDってやつだよね、買わなくなったからだとか、もしくは有料のコンテンツにお金を払わなくなったからだとか、もうね、そんな話をしてもしょうがないと思うんだよね。
僕個人としては、アニメ業界というのはさっきもヤマカンさんが言っていた通り、現場にお金が落ちて来ない、なんで落ちてこないかっていうと上から順番に、トリクルダウンというやつで、上から順番にお金をとっていくわけじゃん、つまりアニメの元受の会社はもちろんとるし、テレビ会社もとるから、上の人たちもとって、下のほうに行くとなくなってくると。
じゃ、これを全員が少しずつにしましょうかではなくて、ヤマカンさんが言った通り、おそらく原則的には予算を3倍にするしか方法がないんだよね。でも、それもこれからはならない。ならないよね。
ヤマカンさんの解答は、一回なくすしかないんじゃないかな、というふうに言ってたんだけども、僕考えるに、もっとね、円盤買うとか関連商品を買うっていうような、いらない迂回路、遠回りをしている暇はないと思うんだよね。
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