岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/05/01
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2016/12/25配信「製作委員会方式が日本のアニメーターを食えなくしたその理由!緊急マンガ夜話『進撃の巨人』を徹底分解しちゃうぞSP! YouTuberは警察よりも強いというのは本当か?」の内容をご紹介します。
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2016/12/25の内容一覧
- 「クリぼっち」と「マスコミとネットの棲み分け」
- 今日のお題『進撃の巨人』全巻語り
- 製作委員会の談合でアニメ制作費の上限が決まる
- 世界中から出資が集まってアニメの本数が多くなった
- 思想書『進撃の巨人』と読み解くカギ
- 『進撃の巨人』1巻見どころ
- 『進撃の巨人』1巻ポイント「相手の選択肢を奪う戦略」
- 『進撃の巨人』2巻見どころ「世界観」
- 『進撃の巨人』3巻見どころ「ピクシス司令のすごい演説」
- 『進撃の巨人』4巻見どころ「ジャンの勇気」
- 『進撃の巨人』5巻見どころ「正直なザックレーと嫌われ役ジャン」
- 『進撃の巨人』6巻見どころ「オビの話、リヴァイ兵長、エレンの心の内側の声」
- 『進撃の巨人』7巻見どころ「アルミンとアニ」「セリフがもたらす作品の立体感」
- 『進撃の巨人』8巻見どころ「熱い一面もあるアニ」「作者の出す『人物カード』」
- 『進撃の巨人』8巻見どころ「壁のなかの巨人と巨大樹、酵母」
- ギャグマンガとしての『進撃の巨人』
- 次回告知
製作委員会の談合でアニメ制作費の上限が決まる
昨日、ヤマカンさんと話した公式放送で出てきた話題が面白かったので、ちょっとそれのおさらい。ヤマカンさんから話を聞いて、「おっ」て面白くて、僕が言いかえて「こういうことなの?」ってやったら、ものすごくわかりやすくアニメ界の問題点がはっきりしたと。
なので、僕のほうの放送でも触れておこうと思って。なぜアニメの制作本数は増えているのにアニメの現場は貧乏なのかって、今日聞いたらこれ一回でばっちりわかるという説明です。
普段僕のニコ生では悪者を作らない。こいつが悪いからダメなんだというのをあまり作らない、善悪というのをやらなくてやってるんだけども、今日はわかりやすくするために善悪というのをつけてみるね。
つまり、悪者というのをちゃんと作って話してみる。基本的な問題は、ヤマカンさんが言うには、製作委員会が悪いんですけど、よく聞くじゃん、日本の邦画がダメな理由は製作委員会が悪いとか。アニメがしんどいのは製作委員会っていうんだけど、何が悪いのかっていうのがよくわからなかったんだ。
製作委員会というのは何かって言うと、アニメに出資するおじさんのことだと思ってください。実際は君らより年下のお兄ちゃんもいればお姉ちゃんもいるんだけども、今回悪者としてイメージするために、君らの頭の中に出てくるいかにもなんか悪そうなおっさんがいっぱいいると思ってくれ。
もちろん製作委員会のなかに真木さんも入っているんだけど、まあまあ、あはは、先週来たスタジオハードデラックスの高橋さん、あの人もいかにも製作委員会にいそうな顔くらいなんだよね、僕みたいなタイプも製作委員会にいるんだ。だから、こういうのが悪者だと思って。
製作委員会というの、何かっていうとアニメに出資するおじさんたちのこと。出資するおじさんたちのこと。たとえば音楽や声優を担当するレコード会社とかフィギュアやおもちゃを担当するおもちゃ会社、それを放送するテレビ局とか原作を連載する出版社、そういうのが出資者としてアニメの製作委員会に名を連ねると。
それぞれが権利を主張したいんだよね。権利っていうのはたとえば、そのアニメに対して3%としか出資してなかったら、3%しか発言権がないんだ。だから、みんな3%とか1%の出資は嫌がる。もっとたくさんしたい。ジブリのアニメなんかさ、制作費が30億とか20億とかかかるわけなんだけども、製作委員会見たら、本当言えば20億とか30億の出資だったら、出資会社が100も200もあってもいいくらいなんだよね。
でも、なんでそんなにないのかっていうと、個別の出資会社の権利配分が、今コメントで「株主」って流れたけど、その通りなんだ、株主としての影響力がある範囲、つまり5%以上10%以上、できれば、40%欲しいなというのがみんなの本音なんだ。
無理でも20%くらいは欲しいと、で、50%で頑張りたい、絶対当たるとわかっていれば10億円の映画だったら、5億うちが出しますってやりたいのは山々なんだけども、制作予算10億で絶対当たるやつだったら、他の会社がそんなの黙ってないんだ。そんなの半分も出されたら、お前の会社の言いなりになっちゃうじゃないか、そうじゃなくてうちに必ず4分の1、25%出させてくれというような綱引きの、縄の張り合いになってしまうんだよね。他の会社のうまみがなくなってしまう。一つの会社があんまりたくさん出資しちゃうと。
なので参加してくれなくなっちゃう、他の会社が。なので、平均的な出資率っていうのは、俺が知ってる限り、20%から40%の出資率になるんだ。どっか1社のみが主導権を撮りたい場合は40%を確保して、残り60%を10社以上に割り振るという方法もある。これはなかなか、あくどいというかうまい方法だよね。うちが40%出して残り60%を10社で、1社6%ずつ出してくださいと言ったら、いわゆる大株主が1人いて、小者株主がいる状態だから、発言権がすごいデカいじゃん。
そうなるとそのアニメのやり方っていうのは、作り方っていうのはかなり思い通りになる。でもそんなことをされたら、6%しか出資できない会社にしてみたら、たまったもんじゃないから、ということになる。さあそこで、この出資がすべてオープンに行われて、たとえば、手をあげたもの順とかさ、もしくは予算をたくさん言ったもの順だったら、これはこれで市場として、自由経済として成り立つんだけど。ここが日本らしいところで、ここに談合というのが入っちゃうんだよね。
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