この記事は【馬車目線】(?)でお送りします。
今、NHKスペシャルで、津波被害で更地になってしまった陸前高田市を0から作るという話題を取り上げていました。
NHKスペシャル | もう一度"ふるさと"を~岩手・陸前高田の4年間~
申し訳ないですけど、この街づくりはこのままでは一度失敗するでしょう。
恐らく、見ていた全国の人の多くはそう感じると思います。
理由ははっきりとしています。
だって、陸前高田市の外に住んでいる人がそこに移住することを、頑なに拒んでいる内容だからです。
この番組を見て、この0から作る新しい街陸前高田市に引っ越したいと思った人がいたでしょうか。
いなければ、この新しい街は、生き残った人からその後去った人、これから去る人だけが住むことになります。番組の中で昔商店を構えていた人たちが、新しい土地で商店を構えるべきかを悩む姿がひたすら描かれています。当然です。外から人が来る感じが全くしないのに、商売してもしかたないですよね。以前より人が減った街で商売しても前と同じ生活できないじゃないですか。これからどんどん人が増えるという期待があれば、夢持てますけど、そうじゃないなら勝負してもしかたありません。
この番組では役所の人にスポットがあたっていました。役所の人の立場としては、全力を尽くされていると思います。
彼らは、いまの立場では、被災された方が元の生活を取り戻すことがミッションです。彼らが、全国の人が移住したくなるような街にしましょうと言い出したら、それこそ大ブーイングでしょう。
新しい人を積極的に呼びこむのはまず地元の人が生活を取り戻してからと考えたくなる心情はわかります。しかし、その姿勢こそが、かつて商店を構えていた人たちが、新しい土地に店を開くのを躊躇させる最大の理由です。
それを変えるのは、例えばちょっとだけ映った市長さんの役目ではないでしょうか。
陸前高田市は人が少なくなったのですから、新しい人を入れずに元の賑わいを取り戻すことはできません。全国の人が住みたくなるような魅力が必要です。
その視点がこの番組では0でした。もしかしたら積極的に考えているのかもしれませんが、だとしたら、この番組はネガティブキャンペーンです。大いにNHKにいかるべきです。
このままでは、陸前高田市の復興は一度失敗するでしょう。失敗し、人がさらに減る傾向を誰もが認めざるをえなくなれば、みな新しい人を呼びこまなければならないと自覚し、そこから市民が一体となった取り組みが始まることでしょう。
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