とりあえず書き始めますが多分結論は出ません。論点整理だけ。

 「失敗したら減点」という文化ではイノベーションは起こらない

というフレーズを見かけました。

 良く言われますよね。

 じゃあどうしたらいいんでしょう。

 「失敗したら減点」でなくすには、たとえば「成功したら加点」ですよね。

 ところがこの「成功」ってのがなかなか起こらない。会社で言えばいろんないい結果が積み重って、売れる商品になって初めて本当の意味での「成功」なわけです。多分その時は日本でも「加点」されるとは思うのですが、そんなことはたま〜にしか起こらないので、それだけだと、その一方で「失敗したら減点」したら、そっちの方が頻度が多くて目立ってしまうでしょう。

 またそういう本当の意味での「成功」はたまにしか起こらなくて、それに関わった人だけ加点では、会社のかなりの部分の人が「加点」されないなんてことにもなるでしょう。

 なのでそういう本当の意味での「成功」以外に、会社の中で、これは「成功」として扱おうというものをお互いに了解しあって、ある意味自己満足でお互いを鼓舞する必要があります。

 アメリカはこういうところで、ある程度文化として共有できている「成功」があるし、シリコンバレーと地域を絞れば、もっとそういう共有が増えるわけです。つまり、その先本当に成功するかしないかとかは棚にあげて、「おまえのその結果はすごい」と言えるし、した人もこれはきっとすごいと言ってもらえるというのがあるわけです。

 日本ではそういうのはたとえば「努力」であって、なので長時間労働が自発的に蔓延してしまうわけです。それが、会社の本当の意味での「成功」、たとえば売上に繋がるかなんてことは、棚にあげて。

 つまり、そういう文化の部分で、昔の工業時代、日本のそれはいい方向で働きました。だって、モノを作れば作るだけ売れる時代ですから、労働すればするほど「売れる」わけです。

 でも、もうそういう時代じゃないしね〜。

 だからといって文化というのは変わりにくいものですから、文化を変えるべきと言ってもうまく行きません。

 なにを成功にするかは一旦置いて、では他のアプローチはないでしょうか。

 たとえば「失敗してもなかなか減点しない」ということです。

 ミスは減らしたいものですが、そんなことよりそこからみんなでどうやって回復するかの方が遥かに大事だと思いませんか? 真の「成功」を見据えたとき、ミスしてしまったものは、まずはそこから回復する。みんなで。その冷静な分析対処チームワーク、そういうのがミスによって鍛えられるのであれば、いわゆる「肥やし」ですらあります。

 そのミスを人に属するのではなく、放っておけば誰かが起こしたと考えれば、システムを改良しなければなりません。

 それに、子育てしてると子供は同じ失敗を何度も繰り返しますから、「失敗したら減点」してたらあっという間にライフは0になります。大人はそこまでひどくないですが、「失敗ごとに減点」することは、

 本当の「成功」につながっていません。

我々はその尺度にもっともっと真剣に取り組むべきでしょう。そこで「減点」をすることが、会社の「成功」につながるのか。その尺度で測れば、おおよそほとんどの失敗は「減点」対象ではないことでしょう。

  「失敗したら減点」という文化ではイノベーションは起こらない

 のです。

 今多くの仕事は、失敗したら一個不良品が出て歩留まりが悪くなるという古典的モノづくりの世界とは違うのです。