少し前ですが、こんな記事を読みました。
僕が個人タクシーに乗らなくなった理由とサービスの均質化について
個人タクシーはたまにいやな思いをすることがあるので乗らないし、他にもそういう人がいるようだという話です。
僕が具体的にかつて遭遇したイヤな思いの一例をあげると、銀座のタクシー乗り場に並んで、順番で来た個人タクシーに乗って行先を告げたら「えっ〇〇(目的地の地名)?もぉー俺がどれだけ並んだと思ってんだよー(行先が比較的近い為)」と言われ、「申し訳ありません。では結構です。」と降りようとすると「ちょっと!乗車拒否になるからまずいんだよ。乗れよ。」と言われて乗ったことがあります。こんな目に会ったら、二度と個人タクシーに乗りたくなくなりますよね。すべての個人タクシーがこうでないとわかっていても。
一方で日本交通の「サービスの均質化」に対する取り組みを高く評価しています。
「日本交通のタクシーはなぜ選ばれるようになったのか?」を寄稿されており、同じサービス業を経営するものとして頷く点が多く、また、この「サービスの均質化」が如何にサービスのブランド化に重要であるか、また、直接は書かれていないもののその不断の取り組みの苦しさについても行間から伝わってきて胸が熱くなりました。さきほどの裏返しですが、均一なサービスを徹底することで、お客さんは安心して乗ることができるため、選ばれるようになるのでしょう。
しかし、ここからある未来像が垣間見えます。それは、そのようなコミュニケーションは人工知能に委ねられるかもしれないということです。
例えば、運転手は運転に専念し、お客さんとは人工知能が話すようなタクシーを考えるのです。遠い将来は「自動運転」自動車で運転手は完全にいなくなりますが、いまでも、たとえばお客さんが入力できるようなタブレットを座席に置いて、Siri にでも相手にさせれば、運転手は一切お客さんとコミュニケーション取らなくてもできてしまいます。
これでお客さんとのコミュニケーションは「均一化」することができます。たまには人工知能とお客さんのミスコミュニケーションもあるでしょうが、「均一化」されていることで、お客はそういうことがあることを予想できますし、それもすべてのタクシー人工知能が学んでいくとわかっています。
ついでに道順もコンピュータがナビしてしまい、渋滞なども考慮して道を決めるようにすれば、遠回りをする根拠も示せるし、必要ならお客さんに選ばせられるし、トラブルはぐっと減るでしょう。
こういうコミュニケーションから人間を排除したサービスが受けるのではないかということです。
たとえばコンビニやスーパーで自分で精算するようにして、でもその端末に人工知能を組み込みます。今でも Siri とかマイクロソフトが開発したという、女子高生AI(人工知能)「りんな」などありますから、プロトタイプなら今すぐできます。
その人工知能はつまり精算のための会話だけでなく世間話だってできてしまいます。完璧にはできないかもしれませんが、今の店員は、人によって世間話の好きな人嫌いな人、話が合う人合わない人いろいろいるわけですから、それを探りながら話し始めるより、ずっと気が楽です。相手は人工知能ですから、話しかけたい人は自由に話しかければいいのです。
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