今日、教育についてまとまった意見交換ができたので、それに基づいて、15/4/15時点での子供たちへのメッセージをまとめようと思います。
社会は子供たちみんなが義務教育を一定レベル修めることを渇望しています
かつて、エリート中のエリートを育てることが大切だと考えられていました。今でもそのように考える人はいますが、それでは社会が立ち行かなくなってきました。
国やエリートといったトップの人たちによって、大きな問題は次々と解決され、私たちは豊かな暮らしを得ました。しかし、その代わり社会には無数の小さな問題がいっぱい溢れるようになりました。これには新しい仕組みが必要です。1%のエリートが1個の大きな問題を解決する一方で、99%のそれ以外の人が99個の小さな問題を解決していかなければなりません。優秀なエリートは、1個の大きな問題を解決する力で、小さな問題を99個を解決できるわけではないのです。エリートに任せておけばいい時代は終わっているのです。
ここでよく紹介する Orihime というアバターロボットがいます。ここ最近毎日のようにメディアで紹介されているので、ご存知の方も増えていると思います。このロボットは元ひきこもりである吉藤健太朗さんが開発しました。孤独を解消するためのロボットです。
このロボットは、大企業からは絶対生まれないものです。今ではみんな理解できるようになりましたが、最初のうちはこのロボットについて「テレビ電話と何が違うの」という質問が頻繁にありました。孤独を解消するために、大企業であればよりリアルなテレビ電話を目指すかもしれません。しかし、吉藤さんは、どうすればそのロボットのところにあたかもその人がいるように感じることができるかを徹底的に追及しています。それが孤独を解消するのに大切なことだと確信して追及しています。それは自分自身が深い孤独を経験しているからです。そこから生まれた Orihime は、難病の人から老人まで広範囲な人に必要とされる技術です。
エリート中のエリートを育てることも大切ですが、あらゆる人が学問を修めることでその人にしかできない取り組みが社会の無数の問題をばったばったと解決していくことができるようになります。そのためには最低限義務教育を一定レベル修めていることがとても重要です。学習の七五三問題といって、小学生の3割、中学生の5割がカリキュラムについていけなくなる問題がクローズアップされています。そんな状況では社会の無数の問題を減らしていくことができません。社会は真剣にこの課題に取り組もうとしています。
つまり子供たちみんなが学問を修めることを社会は渇望しています。まだそれはうまくみなさんに伝えられるようになっていませんので、「ウソ」と思うかもしれませんが、本当です。だんだん上手に伝えられるようになると思います。
社会の問題を解決するとは「答えがあるかどうかわからない問題を解く」こと
私は世界史が苦手でした。話を聞くのは大好きですが暗記はできず、テストのたび「最低限」の努力でテストを切り抜けていました。
誰もが興味がないことやどうでもいいことで、でもやらなきゃいけないことは、「最低限」の努力で切り抜けようと考えることでしょう。しかし、それが主要なすべての教科に広がるようでは、深刻な問題です。
いわゆる学校の勉強ができればできる仕事というのはこれからどんどん減っていきます。「人工知能」が発達しているからです。そういう意味でも、人間は社会の無数の問題を解決するような仕事にシフトしていきます。
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