6日前の20日夜に出現した小4が作ったとされる「#どうして解散するんですか」のサイトの件、あまりの大人達の狼狽ぶりに目を白黒させてます。
くだんのサイトは、開設まもなく、実際は小4ではなく20歳の青木大和さんが作ったと暴かれていくわけですが、そしたらなんか大人達がフルボッコ。もう瞬間沸騰。あっけにとられていたら、なんと安倍首相までこのフルボッコ運動に参戦。
しかも、どんだけ慌ててたのか、当初はヘイトスピーチ満載サイトの記事を引用してしまい、場外も一気に盛り上がりました。
【悲報】 安倍首相がFBで保守速報を紹介 - NAVER まとめ
こちらはさすがに削除され、投稿され直しています。
(11月27日追記。新たに「そのアイディアやエネルギーを強くて明るい将来に向けてほしい」と諭す内容が投稿され、上記の投稿は削除されたようです)
最近で言うと、といっても10年くらい前ですが、ほりえもんこと堀江貴文さんへの猛烈なバッシングがありました。その瞬間沸騰バージョンです。
さらには、自分も良く知りませんが世界中に愛されたビートルズも、当初は聞くと不良になるからと大人達が猛反対したと聞きます。
今回もなにか多くの大人達を危機感のどん底に落とす何かがあったのでしょう。単純に脅威だと思ったから必死で叩いているのです。これは何が起こったのか詳しく調べる必要があります。
今回の騒動は、もちろん諸手をあげて賞賛するようなやり口ではありませんが、とりあえず違法性はないのではないかと言われています(ま、違法性があるなら、この勢いならとっくに告発されてますよね)。
「どうして解散するんですか?」小学4年生になりすましてサイト制作、法的問題は?
「今回のサイトが、衆院解散について政治的な批判・論評をする目的で、非営利目的で開設されたものであるとすれば、表現の自由の保障(憲法21条)ともかかわる問題ですし、『小学4年生の中村』を名乗っていたことについて、社会的な批判はあろうかと思いますが、『違法』ということにはならないのではないか、と思います」そもそも、実在の人物への「なりすまし」が問題で、現実と異なるキャラ設定は「なりすまし」と言わなかったのではという指摘もあります。
確かに、たとえばツイッターのアカウントでは現実と異なるキャラ設定なんてあたりまえですし、その上でNHKの中の人は「ナカノヒトナドイナイ」と強弁を通し続けるのがまかり通るのですから(笑)、違法性についてはかなり問題なさそうです。「なりすまし」っていうのは、実在の人物、実在の組織の一員であると偽装することでその実在の人物・組織を貶めようとする点に問題があるわけで、現実と異なるキャラ設定をすること自体は「なりすまし」とは言ってこなかったはずですよ。
― 小倉秀夫 (@Hideo_Ogura) 2014, 11月 25
この手法をあえて使って世の中に訴える事例もつい最近海外で話題になりました。
【マジかよ】37歳男性と女子小学生(12)が結婚することになり世界中で物議をかもす / 激怒して通報する市民も!
そうはいっても、道義上の問題はあります。仮にこれを民主党など他の党が使ったのだとしたら卑怯極まりないですし、バレれば非難のあげく支持を落とすでしょう。
安倍首相も、
選挙目当ての組織的な印象操作ではないでしょうがと釘を刺しています。
でも、今回、やったのはピカピカの成人1年生。なのに、無慈悲なフルボッコ。
大人達がこんなに一斉にうろたえるのを見るのは本当に久々です。それほど、今回の件は、大人にとって恐怖以外の何物でもないのです。
ところで、さっそく、同じ趣旨のサイトが立ち上がっています。作者は dragoner さん。
しっかり小学生4年の中村を騙っています。ただし、「90年代おじさんとして、90年代おじさんが想像する小学校4年生が作る正しいホームページ」として再現したとのこと。
#どうして解散するんですか? 騒動が冷めやらぬ中、90年代おじさんとして、90年代おじさんが想像する小学校4年生が作る正しいホームページを再現してみた(製作時間30分) http://t.co/yQXidhtVIg pic.twitter.com/oXsUADd0MH ― dragoner (@dragoner_JP) 2014, 11月 25
このサイトも安倍首相から卑怯呼ばわりされるのでしょうか。90年代テイストですが、元のプロ級サイトに比べればこちらの方がずっと「小学4年生」らしい気がします。
しかし、もちろん2番煎じなのもありますが、とても同じ騒ぎに発展するとは思えません。青木大和さんの作ったサイトがこれだったとしても、こんなに問題になったとは思えません。
オリジナルサイトが破壊的な威力を持ったのは、それがむしろ下手に小4レベルを装うとせず、あますことなくプロ級の技を使ったからです。極めて拡散力の強いサイトに政治メッセージを乗せられることを20歳数人で作れてしまうことを証明したことが最大の脅威と受け止められたのです。
今回は20歳と成人していましたから、危機感を持った大人は首相を筆頭に全力で叩きました。
では、もし誕生日前で19歳だったらどうなっていたでしょう。
今回のやり方は「卑怯」の烙印を押されましたが、ほんの少し工夫して回避していたらどうなっていたでしょう。
今回はネタがインパクト狙いでしたが、もしも、年金生涯純受益のグラフ(60代以上は4000万円とかで、将来世代はー8000万円とかいうグラフ)とか出されて、#どうしてぼくたちこんなに負担しないといけないんですか? というお題で出されていたらどうなっていたでしょう。
今回はぎりぎりアウトでしたが、この企画はほんの少しのところでまともに社会を揺るがすサイトになっていたのです。今回の企画を非難するのは簡単ですが、この企画が示した潜在的な政治へのインパクトは計り知れないものがあるのです。
若者は大人社会と利害関係が薄いので、正論を真っ正面からぶつけてきます。大人同士なら、互いに利害関係もありそれを使って交渉に持ちこめますが、若者相手ではそれができません。女子大生が始めて一気に広まった Teach for America でも見られるように、若者が本気になるとその力は計り知れません。
大人は本能的にそれを察知して反応したのです。
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