日本は江戸時代に世界に類を見ない高い識字率を持っていたと言われ、今も99%以上の高い識字率を維持していると言われています。
その教育モデルではこのようになっていました。
読み書きを習う子には、普通に上達する子、遅れる子いますが、日常生活でも読み書きの機会はあるからか、徐々にその能力は伸び、やがて、識字者となります。
読み書きはこのような性質を持っていましたので、識字率はほぼ100%になっているのです。
しかし、ほとんど知られていないことですが、義務教育で習うべき内容ではこうはなっていません。その状況はこの記事で克明に紹介されています。
「ドラゴン桜」が書かない本当の日本の底辺
「教育七五三」という社会問題だそうです。これはこういうことです。今や日本の教育現場では3割が小学校までに5割が中学校までに7割が高校までに学習カリキュラムについていけなくなるこう言われています。この「カリキュラムについていけなくなった子供たち」の学力はついていけなくなった時点で止まりますから、高3生の3割は小学生レベルのことが理解できていない、というのが現状です。
途中でついていけなくなった子はその時点で止まってしまうのです。「中学3年までやれば、遅れてる子も小6くらいまでには成長してるだろう」なんてことにはなっていないのです。九九ができない中学生は普通にいます。
それは極端に思うかもしれませんが、たとえば、連立方程式を解くような時、できない子ほど途中の式を省略しようとします。そして計算間違いをします。実は学校でそう習うからです。先生達は最初は丁寧にたくさんの式を書きますが、だんだん省いていきます。ついていける子には心地いいですが、ついていけなかった子は、それでは間違うのに省いてしまいミスをします。連立方程式くらいになると、1問ごとにかなりの計算量になるので、必ずどこかで間違えて全問不正解ということが起こります。そうやって一旦ついていけなくなると、その先はまったく分からなくなるのです。
私たち日本社会は、この現実に向き合わなければなりません。寺子屋に始まった日本の教育システムは識字率を99%にすることには極めて適していましたが、現在の義務教育の内容を教えるのには少々問題があるのです。
現在は3割の小学生がついていけなくなる教育システムなのです。それを子どもや先生のせいに押し付けても、状況は変わりません。システムを変えなければなりません。識字率の成功体験を捨てなければならないのです。
学校や塾の現場ではもうそのことに気付いているので、今どんどん変わっていこうとしていますし、たとえば eラーニングは有力なアプローチの一つです。これから10年で大いに状況は変わることでしょう。
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