成功者とジレンマ
成功しても、だいたい連中は同じ悪事をする。金であったり女であったり。人は、うまくいったと慢心したとき、悪事を繰り返す傾向があると思う。そのかなりの部分は、子供のころから持っていたコンプレックスやトラウマが、成功によって何でも出来るという万能感、多幸感を引き金として、行動に溢れ出てくる。
と、成功者が同じパターンで悪さをするという記事なのですが、最後に
浮かれた業界のバブル特有の現象なのかもしれん。と断っています。世の中の成功者の多くがそうだと即断はできません。
日本に「成功者」がどれくらいいるかざっくり言うと多分1万人とかです。
順番に言うととりあえずの才能だけで10人に一人になれます。長男とかなんか詩で県の佳作かなんか取ってきて、調べたら応募10人に一人くらいでした。「おー、詩の才能あるんだね」と言ってあります。次の話と一緒に。
その程度のちょっとした才能がある人が訓練をすると100人に一人くらいのレベルになります。いわゆる"1万時間の法則"とかいうやつでしょうか。これは全市民100人に対してではなく、例えばサッカーなら、サッカーを目指す人100人中の一人という意味です。
100人に一人くらいになるとその世界を選べるようになります。メジャーな分野ならプロとして生活できるような意味です。本当にサッカーでそのとおりかは調べてません。だいたいの目安です。子どもには「10人に一人は才能でなるけど、100人に一人には相当の努力(1万時間)が必要。そこまで行くと世界が広がる。」と言ってあります。世の中には100人に一人の才能の人もいるでしょうけど、まあなかなかいないし、教育上は関係ない話です。
そのレベル人たちの100人に一人くらい、ものすごい人が出てきます。つまり1万人に一人くらいです。この辺からはその分野の人からは「成功者」と呼ばれるクラスになってきます。
各分野に「成功者」はいますから、結局国民の1万人に一人が「成功者」で、つまり1億人の1万分の1で1万人くらいいることになります。
一方「成功者とジレンマ」でクローズアップされたネット業界でしょうか、での「成功者」と言われているのは何人くらいでしょう。100人よりは多いとして全体の数%です。残り90%以上、違う分野の「成功者」がいます。
私の回りには、十分お金を持っていて、自分のやりたい仕事をのびのび長年やっていて、その分野ではかなり知られているという人が何人もいますし、その人たちを「成功者」と呼ばずにだれを「成功者」と言えばいいのか分かりませんし、でも、そういう人で、調べられて悪事が出てきて失脚した人なんて一人もいません。「成功者とジレンマ」に描かれている「成功者」に会ったことがありません。
もちろん、私の知ってる世界なんて極わずかですから、「成功者とジレンマ」に描かれている「成功者」の方が大多数で私の知ってる「成功者」が例外なのかもしれませんが、そうだとしても、こっちの水は甘いからみんなこっちに来なよと言いたいです。
「成功者とジレンマ」に描かれている世界に特徴があるとすれば、それは恐らく、前回の
【未来への鉄則2】事業のスロー度
の中で話題にした、「誰が北極点に最初に到達するか」というような早い者勝ち競争の世界ではないかと思います。
でも世の中の事業って、大半は速すぎず遅すぎない適切な速度で運ばなければならないものです。事業のスピードと書くと速いことが良いという意味と区別が着かないので、事業のスロー度と表現しています。
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