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【未来への鉄則2】事業のスロー度

2014/10/24 23:45 投稿

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ミライ: 7月19日【未来への鉄則1】以来だいぶ開いてしまいましたが、今日は【未来への鉄則】第2回です。

フツクロウ: 久々じゃのう。

ミライ: はい。前回もこんなやりとりをしたような……。

フツクロウ: ホッホ。ノーコメントじゃ!

ミライ: さて、未来に手戻りしないように常に意識しなければならない【未来への鉄則】、第2回の今日のテーマは、「事業のスロー度」……。「スピード」ではなく「スロー度」ですか?

フツクロウ: ホじゃ。普通、事業のスピードというと、速ければ速いほど良いとして、ひたすらスピートを求めがちじゃが、この時代、そんな単純な時代はとうに終わっておる。

ミライ: というと?

フツクロウ: 地域活性のような事業では、急いでやりすぎると地域全体が付いて来れなくなる。聞いたところによると、アフリカなどで、外貨獲得のために欧米がツアー事業の立ち上げを支援したりするのじゃが、2年くらいで現地にガイドを育成して終わりというようなものでは、英語ができる人に仕事がたくさん行くようになるだけで、地域の他の人には波及せずむしろ格差を広げてしまうといった弊害が出るそうじゃ。

ミライ: 短期間の支援ではうまくいかないということですね。

フツクロウ: ホウじゃ。徳島の上勝町は葉っぱビジネスで有名じゃが、地域の産業が壊滅してから葉っぱビジネスが立ち上がるまで20年以上かかっておる。そもそも地域の復興のためで、おばあちゃんたちが末永くできる事業が必要であるから、スピードばかり重視しても、おばあちゃんたちは付いていけない。
 だからといって慈善事業をしたのではない。中には年収1000万円を超える人もいるから、立派なビジネスになった。

 では、もっと急激に立ち上げればもっと大きなビジネスになったろうか。そうとは思えん。葉っぱビジネスはしかるべき早さで立ち上がったから、成功したのじゃろう。

ミライ: 事業はあまり早くやりすぎるなということですか?

フツクロウ: 事業によって違うのじゃ。例えば iPhone のような事業は、でっかく出して煽って煽ってみんなが一刻も早く買うように仕向ける。最初は元気な人間が買って弱者との格差ができる。しかし、普及することによって、価格も安く、そしてアプリを作れる人がたくさんできた。今、障害者や高齢者子どもなどいわゆる弱者それぞれにむけてのアプリが無数にできてきておる。もしもiPhoneを障害者向けから作ったとしても、大きく高価でなかなか発展はしなかったじゃろう。

 しかし、逆に障害者向けをじっくりきっちり作ることで高齢者などより広いマーケットに出て行くものもある。事業それぞれなんじゃ。

ミライ
: なるほど。そのわりにはネットでは事業をすばやく立ち上げることばかり強調されているような気がしますが。

フツクロウ: ホじゃの。ネットではどうしても派手な事業が目立つからの。そういう事業は「誰が最初に北極点に到達するか!」みたい分かりやすいんじゃが、それがあたかも全ての事業についてあてはまるかのように書かれてしまっておるの。

 そういう話はあくまでいわゆるベンチャー企業じゃ。簡単にいえば、ベンチャーキャピタルが投資を考えるような事業じゃの。しかし、ベンチャーキャピタルが投資する案件は極わずか。そのようなものが他にもある程度あるにしても、世の中の事業にはスロー度をわきまえたものがたくさんありそうなことが想像できるじゃろう。

 これからはかたくなにスピードを求めるのでなく、適切な「スロー度」かを検証しなければならない。もちろん、それでスピード勝負となればもうスピードじゃ。

ミライ: ベンチャーキャピタルは投資先を探してるけどなかなかないって言いますもんね。

フツクロウ: ホのとおりじゃ。一気に大きくなるビジネスモデルを持つ起業はそんなにないということじゃ。その代わりにクラウドファンディングや、市民ファンドのようなものが発展しているのは、ベンチャーキャピタルではカバーできないような起業があるからで、しかもそれらは将来大きくならないというわけではないんじゃな。

ミライ: ビジネスモデルを考える時には事業のスロー度をきちんと考えないといけないし、それはそのまま資金調達の最適な方法にも直結しているわけですね!

 どういったものがスピード勝負じゃないんでしょう。
 

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