この記事は【馬車目線】(?)でお送りします。

 東京都議会のセクハラ野次騒ぎは、先日も取り上げたばかりですが、

 【馬】私たち40代、50代の男は嫌われている  

収まるどころかますます過熱しています。余りの世の中の反応ぶりに議会も慌てているのではないでしょうか。40代オヤジ真っ盛りの私もますます肩身が狭いです。

 政治の世界は基本オヤジばかりなので、自分たちの世界が世の中にどう見られているか分かりません。

 少し前に似たような不幸がありました。岩手県議のブログが炎上して自殺に追い込まれたという話です。病院で番号で呼ばれたことに腹を立てて支払いをすっぽかして帰ったとブログに書いたことが発端でした。
 想像ですが、地元の支持者向けの講演なんかは、オヤジばっかりが集まるところで、そこでならこのような話はむしろ武勇伝として拍手喝采を浴びるのかもしれません。そのノリでブログに書いて初めてその非常識ぶりに気付かされたのかもしれません。笑えません。明日は我が身です。

 社会を動かしていると思われる重要な場所は、伝統的にオヤジたちで占められているので、自分たちの感性こそ本筋と勘違いしがちですが、社会全体で見るとそうとは限りません。オヤジたちは、どうしてもオヤジたちばかりで集まりがちで、そのノリで社会の中で振る舞ってしまうと、ときに大やけどをしてしまうのです。

 このようなオヤジは、普段オヤジとばかり関わり社会からは孤立してしまっている孤立オヤジです。孤立オヤジになってしまうとこれからの社会はとても危険です。

 1)老後がやばい
 働き盛りをすぎ、60代になってくると、孤立オヤジにはいくつかの選択肢があります。
 いつまでたっても働けて威張り続けられる人。孤立オヤジのままで人生やりぬく戦法ですが、孤立オヤジの中でも選ばれた者にしかできません。
 あるいは丸くなって社会とつき合えるようになり、孤立オヤジを解消する人。共同体の中で穏やかな老後を過ごすことになるでしょう。
 それができなければ、そのまま社会から孤立し孤独になる人になります。昔は無条件に尊敬され面倒も見てもらえましたが、今は違います。孤独な余生はあまり楽しそうではないですし、孤独死だってしかねません。

 つまり、孤立オヤジは、よほどの才能がなければ、いつか孤立オヤジを解消して社会の中で生きなければなりません。であれば、一刻も早く解消して、オヤジのノリが社会でどう思われているのかくらいは、知っておかなければなりません。

 2)リストラがやばい
 40代、50代の男性でなければ社会や経済を動かせないように勘違いしがちですが、それは過去のことです。今もそれが続いているのは、単に壮大な既得権益です。議会も大会社もオヤジにしか動かせないものではありません。しかし、オヤジたちはオヤジしかいられないように議会も大会社もオヤジで埋め尽くし、オヤジの論理で動かし続けることで、その体制を守っています。

 議会の野次はその典型です。野次のノリに耐えられるオヤジたちはお互い様で野次をかけあうことで、それに耐えられない女子ども(若者)を排斥することができるのです。

 社会のあらゆるところで、そういった既得権益を守る手法が確立していて、かくして女性や若者の活躍は阻まれるわけですが、個人個人を取り上げれば、もはやオヤジが優秀で女若者が劣っているわけではありません。
 Microsoftのビル・ゲイツ、Facebookのマーク・ザッカーバーグは19歳、Appleのスティーブ・ジョブズは21歳で創業しています(参考:創業者は何歳?-主要IT企業創業者の創業時年齢-)。
 先日も「第3回DBJ女性新ビジネスプランコンペティション」のファイナリストおよび受賞者が発表されましたが、女性はオヤジの知らないところで、着実にビジネスを展開しています。ワインのようなボトルに入った1本何万円もして、たくさんの高級レストランに採用されている緑茶 Royal Blue Tea とか、ご存知ですか?(昨年の最優秀賞

 ですから、いったんリストラなどで社会に放り出されてしまうと、働き盛りと言われる40代、50代の男であっても、ただの人に戻ってしまいます。そこで、再びオヤジの社会に拾ってもらえればいいですが、オヤジ社会はオヤジ過剰であり、なかなかポストはありません。
 そうすると、働ける場所に苦労します。前回も書きましたが、社会の様々な人材とコラボする能力に劣っている可能性があり、オヤジ社会以外では、オヤジ以外よりむしろ劣っている可能性が高いのです。

 ですから、このようなリスクを回避し、社会から取り残されないようにするためにも、普段からオヤジ社会以外の社会にも出入りして、社会の中でも自分の能力を伸ばし、オヤジ以外と協力してちゃんと生産的なことをできるようにしておかなければなりません。

 そのためには、まずは自分の孤立オヤジ度をチェックしましょう。未来は普通にオヤジ以外の「女若者」も活躍する社会ですから、オヤジたちも勘違いしなくて済むのですが、今はまだそれに気付きにくい過渡期ですから、セルフチェックが必要です。

 もし、孤立オヤジ度が高くなっても絶望する必要はありません。孤立オヤジ度が高いということは、いままでの社会に上手に適応したとも言えます。その気になれば、未来の社会にだって上手に適応できるでしょう。

 チェック:以下の項目にいくつ当てはまりますか?

 □ 今回のセクハラ野次は行き過ぎだが、活発な議論のためにある程度の野次は必要だと思う。
 □ 自分の職場の中心はオヤジが過半数を占める
 □ 自分の職務は女子ども(若者)には勤まらないと思う
 □ 結婚していない。あるいは妻と協力してなにかをすることが少ない。
 □ 子どもがいない。あるいは子どもと協力してなにかをすること(クッキングなど)が少ない。
 □ 友達はオヤジばかり。
 □ 趣味の集まりや、自治会など、参加するコミュニティはオヤジ中心。
 □ 共創? なにそれ?

 いくつになりましたか?

 0〜2個=孤立オヤジ度:低 孤立オヤジではありません。この記事を読まなくても