世界史が苦手だった子に考える力だけで教える試み 目次 - NAVER まとめ
ミライ: (先生!)
フツクロウ: (ホ? どうしたひそひそ声で。)
ミライ: (「がだった」シリーズのその9を、もう一度やり直せとのことです。)
フツクロウ: (ホ? なんかまずかったかいの?)
ミライ: (いえ、「知らないことすら知らないこと」とかもっと分かりやすくなるだろうと。)
フツクロウ: (ホウホウ。ややこしい話じゃったからの。)
ミライ: (はい。ということでお願いします!)
フツクロウ: (ホイ……)
フツクロウ: ミライや、ミライや!
ミライ: は、はい! い、いつもと出だしが逆ですね。
フツクロウ: ホッホッホッ。
ミライ: でどうしたんですか?先生。
フツクロウ: 前回は、教科書に基づいた教育では、社会の知識の構造と全く違うため、社会に役に立たないという話じゃったの。
ミライ: はい。
フツクロウ: 後で考えたんじゃが、「考える力」を考える上で教科書に基づいた教育でうまくいかないことが他にもある。
ミライ: まだあるんですか。
フツクロウ: ホウじゃ。昔こんな感じの図を紹介したことがあったの。
ミライ: はい。
[未来脳]イメージトレーニングで未来に備える(その3)
で引用したやつですね!
フツクロウ: ホウじゃ、ホウじゃ。今回はその時の図を少し手直ししてあるぞ。
「自分が知らないこと」というのは、「自分の知っていること」の周りにほんの少しあるだけで、さらに外側には「知らないことすら知らないこと」という広大な領域がある。前回に示した知識の構造とは違った切り口の、これも知識の構造じゃ。
ミライ: うーん、知らないことすら分からないことがあるとは思いますけど、「自分が知らないこと」って「知らないことすら知らないこと」に対してそんなに少ないんでしょうか。
フツクロウ: ホッホッホッ。その疑問は「知らないこと」の範囲かのぉ。そんな言葉遊びはともかく、良く著名な学者が「学問はやればやるほど分からないことが増えていく」といったことを言うじゃろ。
ミライ: 言いますね。
フツクロウ: 世の中の知識の構造はそうなっていることを知っておくことは、考える力として非常に大切じゃ。
たとえば、小学校で訓令式ローマ字を習うのに、実際によく使われているヘボン式を習うのは中学じゃ。小学校で習うときは、混乱するから実はヘボン式もあるよとは言わない。
中学でヘボン式を習うとき、上の絵のような構造だと無意識にでも知っていれば、「そうか、そういうのもあるのか」と受け入れやすいが、そうでなければ、「なんで小学校で一度習ったのに、いまさらまた違うのが出るんだ。騙された!!!」みたいな気持ちになりかねん。
ミライ: あー、 3-5 は引けないと習うのに、中学で -2 ですって出てくるとかですね。
フツクロウ: ホッホッ。それもじゃな。というか、勉強どころかあらゆることが、つまりそういうことじゃ。なにか知識を得ても、その外には知らないことすら知らない知識がある。
ミライ: ヒッグス粒子とか、羽毛が生えた恐竜とか、後から後から出てきますもんねー。
フツクロウ: ホの通りじゃ。が、教科書を学びますという形式じゃと、教科書はその中で矛盾しないように作るからの。負の数だの無理数だのを知らない範囲で完結している。「知らないこと」の外に「知らないことすら知らないこと」があるという知識の構造が見えにくいし、それらが出てきた時は後だしジャンケンみたいな気持ちになる。
ミライ: 後だしジャンケン…、確かにそんな感じかも。
フツクロウ: 学校だけの話でなく、社会に出てからもそれは大事じゃ。そのことについては、中の人が
【馬】知らないことすら知らないと、育てたトマトが全滅する話
で紹介しておる。
じゃがどうじゃ。ここでやったように世界史を調べ始めたときはどうじゃった?
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