この記事は【馬車目線】(?)でお送りします。
通称「がだった」シリーズ(世界史が苦手だった子に考える力だけで教える試み)が継続中で、前回は知らないことすら知らないことについて考えるというテーマでした。
実は、知らないことすら知らないといろいろと悲劇が起こります。
いくつか例を上げてみようと思います。
これはとても愉快なTEDプレゼンです。
エルネスト・シロッリ 「人を助けたいなら 黙って聞こう!」
エルネスト・シロッリさんのプレゼンはユーモアたっぷりで笑い転げることでしょう。そこには起業家支援がテーマと書かれていますが、地域活性の話でもあります。
さて、本題はしっかりビデオを見てもらうこととして、ここで取り上げるのは最初に紹介されるエピソードです。シロッリさんたちは昔アフリカを支援するために、母国のイタリアントマトなどを持ち込んで農業指導をしようとしました。しかし、現地の人はまったく興味を示さず、仕方ないのでお金を与えて呼んだそうです。一方、土地は肥沃でトマトなどはみるみる育ち、それを見て、シロッリさんたちは大変誇らしかったそうです。
しかし、それらの作物はあっけなく全滅します。その原因はビデオを見てもらうことにして、その有様を見た現地の人たちは「だから私たちは農業をしない」と。「どうして教えてくれなかったのか」「聞かなかったじゃないか」。
ここで起こったことはなんでしょう。
支援しようしたシロッリさんたちは、「現地の人は農業できない理由を知っている」ということを知らない、ということに気付いていないのです。
ややこしいけど、良く読んでください。
これはたまたまではありません。彼らの支援はことごとく失敗したし、アメリカやドイツの支援もことごとく失敗したそうです。
同じようなことは、日常的にすごい頻度で起こっています。誰でもやってます。恐らく私自身も。例えば最近の茂木健一郎さんの連続ツイートの中の何気ない一言にも現れています。茂木健一郎さんごめんなさい。
茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1204回「ジェイル・ブレイク Jailbreak 脱獄!」 - Togetterまとめ
何気なく、新卒一括採用とか偏差値入試に疑問持たない人が多数いると書いていますけど、私はむしろ今の親や子どもでそれに疑問を持っていない人がどこにいるのか知りたいです。じぶ(4)堀江さんも、金杉肇さん(@kanasugihajime )も、私も、新卒一括採用とか、偏差値入試とか、全く意味わからないし、くるくるパーだと思うことには変わりないのだけども、謎なのは、そんな日本社会の現状に、多数が何の疑問も持たずに黙々と従っているということだ。
― 茂木健一郎 (@kenichiromogi) April 1, 2014
例えば東京にいたとき、周りの子ども達には、ピアノなどの楽器や、プールなどのスポーツを習っている子が大勢いました。偏差値以外の素養にもしっかりお金をかけているのです。
地方に来て、地方の親だっていろいろ考えています。成績が悪くても高2までスポーツに打ち込んでいるのを見守る親もいました。今高3になり勉強を始めてみるみる成績が上がっています。親が偏差値以外をいかに大切にしているかよく分かります。
大学などで行われる子ども向け科学実験のイベントも盛況ですし、いろんな遊びを体験させたり、スポーツを体験するイベントも人気です。
それに話題のマイルドヤンキー。マイルドヤンキーでなくても、上京志向がなく地元で強い人間関係と生活基盤を築こうとする人は少なくありません。これこそ、新卒一括採用とか偏差値入試から距離を置いた姿勢です。
新卒一括採用とか偏差値入試に疑問持たない親や子は少ないのです。
でも、「新卒一括採用とか偏差値入試に疑問持たない人が多過ぎる」みたいな言葉は、茂木さんでなくてもいくらでも言われていて、おそらく多くの人が読み流しているはずです。その発言も特に炎上してないはずですし。
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