前回は知らないことによって先入観なく楽しめる話が出ましたが、まったく新しいものをすんなり受け入れるのは簡単なことではありません。
うちの子達に、彼らにとって新しい食べ物を食べさせると大抵「変」という反応をします。
去年だったと思いますが、ニュースで電子教科書が紹介された時、当時小2の長男は、いっちょまえに教科書は紙でなければならない理由をとうとうと語っていました。
もちろん彼らの好奇心を直接くすぐるような面白いものには飛びつきますが、一方で、幼いながらにがっちり保守的な場面もあります。好奇心があるないとか、歳とかとはまた違う要素なのです。
初音ミク、今でこそ こなれてきましたから、今から触れる人はそんなに違和感ないでしょうが、初期の頃に触れた人には「キモっ」と拒絶反応を起こした人もたくさんいました。しかし、初音ミクはじめボーカロイドは一過性のものではなく、着実に社会に広がっています。どうせ広がるなら、最初からうまく取り入れられてたほうが人生はより穏やかでしょう。
このように、この変化が激しくかつ多様化の時代、新しいものを効率よく取り入れなければ、時代に取り残されてしまう忙しい時代に生きています。どうすれば新しいものをすんなり取り入れることができるのでしょうか。
子供達が参考になるかもしれません。子供達は最初苦いものなどいわゆる大人の味が嫌いですが、だんだん食べられるようになっています。なので、子供達にとって新しい料理が出た時は、「ちょっとだけ食べてみ」と薦めています。多くの場合、口にすると「変な味」と嫌がりますが、「あ、そう。でも少し慣れたから、だんだん食べられるようになるよ」とそれ以上は薦めません。気長に繰り返していると少しずつ食べるようになるようです。
長男は最近急に食べる量が増えましたが、未知の料理をちょっと挑戦するというのを自分でもするようになってきました。
次男にはちょっと椎茸を無理強いしてしまい、かえって苦手意識ができてしまいました。手痛い失敗です。
このように、新しいもの、あるいは自分にとって未知だったものには、徐々に慣れるのがいいのではないでしょうか。
つまり、
・新しいものにはちょっと触れてみる。違和感あれば、とりあえず「よ〜わからん」とそのままにする。無理に評価したり結論を出そうとすると、拒絶反応を起こしてしまう。
・また機会があればちょっと触れてみる。以前よりは自分も慣れているし、新しい分野であれば、そちらもよりこなれていて親しみやすくなっている。やはり、ぴんと来なければ、無理に結論を出さない。
・その繰り返し。ある程度繰り返すと、その面白さが分かるときもあるし、「ま悪くないけど、自分にはいいかな」という時もあります。拒絶反応のような激しい反応ではなく少し距離を置くのです。そうすれば、いずれ、たとえば数年後出会いがあってすんなり受け入れられるかもしれません。
未知のものなどいくらでもありますから、すぐに慣れなくても困ることなどありません。ちょっと触れてピンと来なかったらとりあえず棚上げにして、他の未知なものにどんどん挑戦するのが効率的ではないでしょうか。
・併せてどうぞ
【知らない喜びが血肉になる。あるいは知ったかぶりを楽しむ方法。 】
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