ミライ: はい。ページ変わって、【六葉未来点】で紐解く第3回「研究してみたマッドネス」の(2)です。(1)では、【六葉未来点】の付け方についてお話ししました。ここからはいよいよ、「研究してみたマッドネス」全15研究について【六葉未来点】を紹介しようと思います! フツクロウさんもう一度簡単に【六葉未来点】についてよろしくお願いします。
フツクロウ: ホウ。未来の6つの価値観、IT、誰でも化、共生、物から心、循環、持続のそれぞれについて5段階評価したものじゃ。
ITが発達する中、あらゆることに誰でもできる誰でも化がおこっている。社会は物質的な循環や持続的な人間活動を目指す一方、共生の発達で多様化が進み、多様な心それぞれを豊かにしたいという願いに対応できるインフラが整って来た。
様々な取り組みがこの流れの中でどのように位置づけられるかを示したのが、このような【六葉未来点】じゃ!
ミライ: ………
フツクロウ: なんじゃ?
ミライ: …「六葉未来点」って名前、なんか中二っぽくないですか。
フツクロウ: そ、そんなことないわっ! レーダーチャートを幹に見立てて、そこから6方向に葉が伸びてるさまを連想させて、そ、それから、なんかエコっぽいし!!
ミライ: (うろたえてる…。自覚があるらしい)そ、そうですね。わあ素敵。じゃあ、始めましょうか。
フツクロウ: フム。
ミライ: 3つずつ行きましょう。5段階評価を IT - 誰でも化 / 共生 - 物から心 / 循環 - 持続 の形式で書きます。
1. 「蟲みたいな人工飛行物体」 3-4/3-2/1-1
2. 人型アミッドスクリーン・アミドロイド 3-4/1-3/1-1
3. 咀嚼コミュニケーション:一人ポッキーゲーム 2-1/4-3/1-1
フツクロウさん、解説お願いします。
フツクロウ: ぱたぱた不思議に羽ばたく飛行物体じゃが、大人の科学から販売されただけでなく、3Dモデルの公開もするそうな。今急速に伸びている3Dプリンタを使えば部品を手元で作れる。ものづくりの誰でも化が強力なIT発展を背景に起こっている好例じゃ。またこういった柔らかい機械は機械と人間との共生が促進されるし、それはつまり、多様な人間がそれぞれに必要な機械を得ることで、暮らしやすくヒト同士共生しやすくやるだろう。
ミライ: 機械と人間の共生は、人間同士の共生に貢献するんですね。
フツクロウ: そうじゃな。
CG映像をプロジェクタで投影することで存在感のあるヒトの映像を作り出す人型アミッドスクリーンは、本人も発表したように、語り中心の動画作成を誰でも化することを狙っておる。そうやって朗読を復活させたいという心豊かな試みじゃ。
ロボットとポッキーゲームができる一人ポッキーゲーム。昨日知ったんじゃが、シンガポールでは離れたもの同士のキスを伝達するロボットがあるそうじゃ。
離れていてもキスできる時代! キスの感触を再現してくれる『Kissenger』なる機械が登場
しかも、これには相手がいないモードあって、それも受けているらしい。一人ポッキーゲームと一緒じゃ。これもバーチャルな存在との共生、さらにはヒト同士の共生に関わる研究につながって行きそうじゃ。
セラピー用アザラシ型ロボット「パロ」みたいなのに搭載したら普通にうけそうじゃし、離れたもの同士でやる遠隔ポッキーゲーム作ってもおもしろいかもの。
ミライ: むむむ。海外にもそっくりな研究があったとは。世界、広い。
では、次の3つ。
IT - 誰でも化 / 共生 - 物から心 / 循環 - 持続
フツクロウ: ニコニコ動画でのボカロ作品の再生の状況を毎日記録して、派生作品まで含めてその傾向を分析した「ボカロ作品のオリジナル/派生作品の再生数を比べてみたよ」は地味じゃが、価値ある研究じゃ。これからあらゆる分野でますます盛んにコラボつまり共創といったものがどのように誘発されていくのか、構造を解析することで、他の分野でも同じような活発なコラボを引き起こしやすくなることじゃろう。今後の解析が楽しみじゃ。
弱い電気で味覚をコントロールする電気味覚プロジェクト。五感の研究では、どうしても視覚や聴覚を中心に行われるが、このような研究で味覚が研究されることで、どんどん応用が生まれるし、そのことでいろんな人がより暮らしやすくなるであろう。特に減塩支援などできれば、みんながより健康に暮らせるしの。
すね毛剥がしは楽しいネタだしこんな風に分析するのは野暮じゃの。でも発明は誰でもできる! という好例じゃ。
ミライ: レーダーチャート見てると、細長いのや丸いのやいろいろあって面白いですね。
フツクロウ: じゃな。
ミライ: さて次の3つ。
IT - 誰でも化 / 共生 - 物から心 / 循環 - 持続
フツクロウ: hoooon!は(1)で解説したとおりじゃ。
民間で企画されている月面探査プロジェクトで、ボカロの月面音楽ライブをやろうというプロジェクト、すばらしい挑戦じゃ。かつて国家の超巨大プロジェクトであった月面探査が民間でも行われようしている。今回もっとも壮大な「誰でも化」じゃ。民間だからこそ、月面ライブなんていう企画ができる。歌が世界を救うというのは超時空要塞マクロスなどでも使われるありがちなテーマかもしらんが、これが実現したら、結構世界中の人に届くんじゃないかのう。なんか戦争ばかばかしくなるじゃろうて。
マクロスのヒロイン、リン・ミンメイも、現実では架空のキャラだったから、このまま初音ミクがライブの主役というのは個人的には全然自然じゃ。
ミライ: ここまで来ると国籍持たない分メッセージ性は高くなるかもしれないですね〜。何歌うか今から楽しみですね!
フツクロウ: ITを駆使して様々な視覚効果を披露してくれた目がギラギラするアート。どんどん、研究してほしいぞ。
ミライ: 以前の解説でも力説されてましたね〜。
フツクロウ: そうじゃ。化学物質でなく視覚ギラギラで心をトリップすることができれば、危険な麻薬はいらん。人間が安全に暮らしていく上でつまり持続的な社会のためにぜひ獲得したい技術じゃ。
ところで、この間中の人がささやかにゆるオタ残念教養講座の海燕さんとツイッターで話したんじゃが、落ち込んだときのために「まったく物を考えられない瞬間」を作れたらいいのにと提案してた。確かに精神的な疲れが適度なら癒し方いろいろが、極度にネガティブになると考えることすら危険になってくる。
ミライ: そ、ですね…。
フツクロウ: 去年のイグノーベル賞で、話すのを邪魔する装置があったが、視覚ギラギラで思考を邪魔できるようになったらそういうときいいんじゃないかのー。騒ぐ、歌う、運動するとかでも考えるのやめられるけど、そういうのもしんどいときに、ただ寝っ転がってヘッドマウントディスプレイ付けて視覚ギラギラ見てたら、頭も身体もスイッチオフみたいな。
ミライ: なんかきわどい発想ですね。でも欲しいかも。
ここまで前半紹介しました。残りは(3)で。お楽しみに。
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