一年前に書いたの、少し加筆と手直ししてご紹介しようと思います。
ちきりんさんのブログにインスパイアされました。(1年前のですが)
4月から新社会人になる皆さんへ
周りが社会人になっていくのに、大学院に行くとかまだ社会人にならない選択をするといろいろ不安ですよね。ちきりんさんの贈る言葉とか読んじゃうと自分このままでいいのかと不安MAXになると思います。ということでまだ社会人にならない人向け。
Ph.D. 取った後、少しでもなめらかに社会で生きて行けるよう、研究以外にもできることはあります。まず、経済的に自立はできなくても、その代わりお金をてなずけましょう。
まず支出の把握。やったことないなら一円単位まできちんと付けてみましょう。月単位と年単位で食費とか交遊費とかカテゴリ毎にどれだけ使っているか把握しましょう。そのときカテゴリがバランスよくばらけるように調整して行くといいと思います。
もし交遊費が40%とかならそれは分類が荒過ぎで、その中でも支出の多いものは別項目にしましょう。それが分かると節約するのにどこから節約すると効率がいいかがわかります。
努力して10円安いもやしを週二回、年間100個買っても1000円しか節約できません。自分の支出の中で大きく占めているものから工夫すべきです。どこにどれだけ使ってるか把握できるようになれば、支出の付け方も手を抜けるようになります。
それから投資。オンライン証券口座持って、小額でいいので株やったり投資信託買ってみたり、ETF買ってみたり。多少失敗して損するかもしれませんが、それも勉強です。若いときはやたらお金貯めるより自分に投資した方がいいですが、小額使っていろんな金融商品を理解しておけば30歳くらいから本格的に運用するときに自分の目的にあった運用ができるようになります。ついでですが、バイトなどで確定申告が必要であれば、税金の仕組みにも興味が向くでしょう。節税の仕方を覚えるとかなり節約できたりします。
さらに、保険。長い人生いろいろ起こるでしょうが、基本的に自分で払える対象に保険は必要ありません。デジタル機器の延長保証など低額のもので、もし壊れても自分でなんとかできるなら、自分でなんとかしましょう。人生のスパンでみれば、その方がたいてい得です。でなければ保険屋が儲かりません。
一方生命保険のような高額なものは、自分の人生に合わせて必要になってきます。今独身であれば必要ないかもしれませんが、若いうちに入ると安いと聞いているので、たとえば親に支払われるようにかけるつもりで調べてみると、入る入らないは別にして、学べます。ライフネット生命とかなら、ネットでいくらでもシミュレーションできます。
学生だと、年金なんか払うもんか!という人もいるかもしれませんが、老後ではなく、障害を負った時にカバーされないリスクがあります。保険と一緒に考えてみるといいと思います。
興が乗ったら、医療保険も調べてみるといいでしょう。この辺りは、老後の備えに近くなってくるので、なかなか20代にはピンと来ないと思いますが、調べるくらいならそこそこ楽しいかも。
経済的に自立してなくてもこういうのみっちりやっておくと、30代以降すごく利きます。
でも実際はその過程で自分の土台を少しずつ築いているし、かつて同じ道を通って来た年長者から見ればそれも見て取れます。ただ当の本人にはなかなか難しいでしょう。それでもたとえば30歳くらいでしょうか、ぼんやりとコアはこの辺かなあと感じられるようになったりします。社会人になるのが遅い人はコアを意識するのは30歳くらいで良くて、とりあえずは研究なら研究自体に意識を向けていればいいと思います。
研究がコアではないのかと思うかもしれませんが、コアというのはもうちょっと深いレベルです。研究だけなら目の前に課題があれば取り組めます。たとえば「超伝導って不思議、謎を解きたい」というきっかけだけでとりあえず研究できますが、ゆくゆくはなぜ私はその研究をするのか、そして今後どの方向に向かって行くべきなのかを深く考えなければなりません。その判断のために自分のコアが必要になってくるのです。ただそういうのはまだその時期じゃない時に考えても答えが出ません。例えば25歳くらいの時にそういう悩みを持ったりすると思うのですが、いくら考えても悩むばかりでコアっぽいものなんにも感じられないかもしれません。そしたらそのときは諦めましょう。まだあなたにとってその問いは早いのです。焦るとは思いますが、そのうち自然に出てくると信じて、目の前の問題に再び取り組みましょう。
これはつまり大人になることだと思っています。これが自分のコアだと感じることは、これが自分だと思う事で、それが大人になったということです。なんにでもなれる子供から、何かになった大人です。(→20歳で大人は厳しい? 実はその先にある40歳で真大人)
まず、自分が一番取り組んでいる考え抜かなければならない問題が一つあります。
そうしたら、その10分の1くらいまじめに考える問題を10個持ちます。10分の1でまじめかと思うかもしれませんが、一番取り組んでいる問題はそれこそ1年毎日のように考えています。だからその10分の1とは、つまりある問題を一年のうち30日思い出して考えるということです。これは相当考えています。
そしてさらに10分の1くらい考える問題を100個持ちます。この辺りは、いくつかの意見を比べて、とりあえずそのうちの一つを支持するくらいの軽い判断になるかもしれません。あるいはちょっと考えたけど、判断材料少ないからとりあえず分かんないと一旦棚上げしてもいいでしょう。それくらい簡単に判断したという自覚があれば問題ありません。もし新しい情報が入れば必要に応じて考えを修正すればよいだけです。
つまり、
1個 毎日とことん考える問題
10個 1/10の重み。1年に30回くらい考える問題
100個 1/100の重み。たまに材料があればちょっと考える問題
くらいの割合で様々な問題に取り組みます。とことん突き詰める問題を持ちつつ、多様な問題を数多くこなすための方法で、ロングテールの考え方に基づいています。(→みらふつ名物ロングテール記事一覧)
そうやってどん欲にたくさんの問題を考えましょう。これはとことん考える訓練ができている人だけができることです。とことん考えることができない人が沢山の問題をつまみ食いしても雑学が増えるだけです。その前にちきりんさんの自分のアタマで考えよう で訓練しましょう!
そんなときは間接的に自分を大事にしましょう。つまり自分ではなく他人を大事にするのです。他人を大事にするということは自分を犠牲にすることとは正反対です。本気で他人を大事にしていれば、結局自分も大事にしています。ちきりんさんの記事にもある、
自分をどう大事にしていいか分からない人は本気で他人を大事にすることに取り組みましょう。
20歳そこそこで「人生を楽しもう」という言葉で考えてできる人はなかなかいないと思います。たとえば楽しいことあったらラッキーと感じるようにしてみましょう。毎日大変だけど、今日は楽しいことがあった、ラッキーと。そしてそういうときに自分がどれだけリラックスしているか注意して観察しましょう。楽しく時を過ごすことが自分の体にいいと分かれば、自然とそう仕向けるようになっていきます。そのうち、あれ気付いたら毎日楽しいってなっていれば、既に人生楽しんでいます。
以上のようなことに注意していれば、たとえ経済的に自立していなくても、毎日充実した生活を送り、そして大きな成果に手が届くようになるでしょう。地味な取り組みではありますが、地に足は付けられます。新年度、楽しみですね。
・併せてどうぞ
【博士課程修了者の行方不明者が多い本当の理由】
【20歳で大人は厳しい? 実はその先にある40歳で真大人】
【みらふつ名物ロングテール記事一覧】
ちきりんさんのブログにインスパイアされました。(1年前のですが)
4月から新社会人になる皆さんへ
周りが社会人になっていくのに、大学院に行くとかまだ社会人にならない選択をするといろいろ不安ですよね。ちきりんさんの贈る言葉とか読んじゃうと自分このままでいいのかと不安MAXになると思います。ということでまだ社会人にならない人向け。
1. 自立はできないけど、お金を手なずけよう!
院生とかやってたら、なかなか経済的に自立できません。Ph.D.まで取ろうとすると30歳近くなるのにまだ経済的に自立してないとか、それだけで自分がだめ人間に思えて来ます。なにしろできれば25歳までに、遅くても30歳までに自立しないとどうしようもなくなるそうです(博士課程修了者の行方不明者が多い本当の理由)。人生かけた大勝負です。Ph.D. 取った後、少しでもなめらかに社会で生きて行けるよう、研究以外にもできることはあります。まず、経済的に自立はできなくても、その代わりお金をてなずけましょう。
まず支出の把握。やったことないなら一円単位まできちんと付けてみましょう。月単位と年単位で食費とか交遊費とかカテゴリ毎にどれだけ使っているか把握しましょう。そのときカテゴリがバランスよくばらけるように調整して行くといいと思います。
もし交遊費が40%とかならそれは分類が荒過ぎで、その中でも支出の多いものは別項目にしましょう。それが分かると節約するのにどこから節約すると効率がいいかがわかります。
努力して10円安いもやしを週二回、年間100個買っても1000円しか節約できません。自分の支出の中で大きく占めているものから工夫すべきです。どこにどれだけ使ってるか把握できるようになれば、支出の付け方も手を抜けるようになります。
それから投資。オンライン証券口座持って、小額でいいので株やったり投資信託買ってみたり、ETF買ってみたり。多少失敗して損するかもしれませんが、それも勉強です。若いときはやたらお金貯めるより自分に投資した方がいいですが、小額使っていろんな金融商品を理解しておけば30歳くらいから本格的に運用するときに自分の目的にあった運用ができるようになります。ついでですが、バイトなどで確定申告が必要であれば、税金の仕組みにも興味が向くでしょう。節税の仕方を覚えるとかなり節約できたりします。
さらに、保険。長い人生いろいろ起こるでしょうが、基本的に自分で払える対象に保険は必要ありません。デジタル機器の延長保証など低額のもので、もし壊れても自分でなんとかできるなら、自分でなんとかしましょう。人生のスパンでみれば、その方がたいてい得です。でなければ保険屋が儲かりません。
一方生命保険のような高額なものは、自分の人生に合わせて必要になってきます。今独身であれば必要ないかもしれませんが、若いうちに入ると安いと聞いているので、たとえば親に支払われるようにかけるつもりで調べてみると、入る入らないは別にして、学べます。ライフネット生命とかなら、ネットでいくらでもシミュレーションできます。
学生だと、年金なんか払うもんか!という人もいるかもしれませんが、老後ではなく、障害を負った時にカバーされないリスクがあります。保険と一緒に考えてみるといいと思います。
興が乗ったら、医療保険も調べてみるといいでしょう。この辺りは、老後の備えに近くなってくるので、なかなか20代にはピンと来ないと思いますが、調べるくらいならそこそこ楽しいかも。
経済的に自立してなくてもこういうのみっちりやっておくと、30代以降すごく利きます。
2. 自分のコアなんて多分まだ先。地味に研究続けましょう。
研究とかクリエイティビティ求められる分野はちょっとやったからって、すごい成果とか出ません。Ph.D. とかもうほんとに情けないくらい小さな成果なのにどうにかこうにか認めてもらうのがやっとです。院生最後の段階でもそうですから、院生の最初の数年なんて自分のやっていることに価値があるようにはとても思えません。でも実際はその過程で自分の土台を少しずつ築いているし、かつて同じ道を通って来た年長者から見ればそれも見て取れます。ただ当の本人にはなかなか難しいでしょう。それでもたとえば30歳くらいでしょうか、ぼんやりとコアはこの辺かなあと感じられるようになったりします。社会人になるのが遅い人はコアを意識するのは30歳くらいで良くて、とりあえずは研究なら研究自体に意識を向けていればいいと思います。
研究がコアではないのかと思うかもしれませんが、コアというのはもうちょっと深いレベルです。研究だけなら目の前に課題があれば取り組めます。たとえば「超伝導って不思議、謎を解きたい」というきっかけだけでとりあえず研究できますが、ゆくゆくはなぜ私はその研究をするのか、そして今後どの方向に向かって行くべきなのかを深く考えなければなりません。その判断のために自分のコアが必要になってくるのです。ただそういうのはまだその時期じゃない時に考えても答えが出ません。例えば25歳くらいの時にそういう悩みを持ったりすると思うのですが、いくら考えても悩むばかりでコアっぽいものなんにも感じられないかもしれません。そしたらそのときは諦めましょう。まだあなたにとってその問いは早いのです。焦るとは思いますが、そのうち自然に出てくると信じて、目の前の問題に再び取り組みましょう。
これはつまり大人になることだと思っています。これが自分のコアだと感じることは、これが自分だと思う事で、それが大人になったということです。なんにでもなれる子供から、何かになった大人です。(→20歳で大人は厳しい? 実はその先にある40歳で真大人)
3. 自分のアタマでたくさん考えよう!
特に大学院生のような人であれば、考えるのは得意分野でしょう。脳みそに血が滲むくらい考えに考えて、ようやく研究が少し進むのですから、いやっていうくらい考えさせられます。しかし研究に限らず社会問題など、考えたい事なんて無数にあります。全ての問題をとことん突き詰めている余裕はありません。そこでこんなコツがあります。まず、自分が一番取り組んでいる考え抜かなければならない問題が一つあります。
そうしたら、その10分の1くらいまじめに考える問題を10個持ちます。10分の1でまじめかと思うかもしれませんが、一番取り組んでいる問題はそれこそ1年毎日のように考えています。だからその10分の1とは、つまりある問題を一年のうち30日思い出して考えるということです。これは相当考えています。
そしてさらに10分の1くらい考える問題を100個持ちます。この辺りは、いくつかの意見を比べて、とりあえずそのうちの一つを支持するくらいの軽い判断になるかもしれません。あるいはちょっと考えたけど、判断材料少ないからとりあえず分かんないと一旦棚上げしてもいいでしょう。それくらい簡単に判断したという自覚があれば問題ありません。もし新しい情報が入れば必要に応じて考えを修正すればよいだけです。
つまり、
1個 毎日とことん考える問題
10個 1/10の重み。1年に30回くらい考える問題
100個 1/100の重み。たまに材料があればちょっと考える問題
くらいの割合で様々な問題に取り組みます。とことん突き詰める問題を持ちつつ、多様な問題を数多くこなすための方法で、ロングテールの考え方に基づいています。(→みらふつ名物ロングテール記事一覧)
そうやってどん欲にたくさんの問題を考えましょう。これはとことん考える訓練ができている人だけができることです。とことん考えることができない人が沢山の問題をつまみ食いしても雑学が増えるだけです。その前にちきりんさんの自分のアタマで考えよう で訓練しましょう!
4. 本気で他人を大事にしよう
自分を大事にするって大切なことですが、自分が何者かわからない、自分が何を大事にしなければならないのか自信がないときは、自分を大事にすることがどういうことかも分かりません。自分のことを知るということは何よりも難しいことです。そんなときは間接的に自分を大事にしましょう。つまり自分ではなく他人を大事にするのです。他人を大事にするということは自分を犠牲にすることとは正反対です。本気で他人を大事にしていれば、結局自分も大事にしています。ちきりんさんの記事にもある、
「自分さえ我慢すれば」とか「自分が犠牲になれば」というのは、ほとんどの場合、欺瞞に過ぎません。というのはまったくその通りで、結局他人も大事にしていません。
自分をどう大事にしていいか分からない人は本気で他人を大事にすることに取り組みましょう。
5. 楽しいことあったらラッキー
人生を楽しもうと言われても、まだ自分もできていない時に、人生なんて言葉実感湧きにくい人もいると思います。それにどんなに楽しくしてたくたって、悩みなんていくらでもあります。昔の友達がどんどん社会人として活躍し出しているときに、人生楽しむ気になんかこれっぽっちもならないかもしれません。でも社会人だろうが誰だろうが悩みがない人なんていません。人生楽しみたかったら、いろんな悩みを抱えつつそれでも楽しむしかありません。ただしそれができるようになるのは平均的には40歳以降です。20歳そこそこで「人生を楽しもう」という言葉で考えてできる人はなかなかいないと思います。たとえば楽しいことあったらラッキーと感じるようにしてみましょう。毎日大変だけど、今日は楽しいことがあった、ラッキーと。そしてそういうときに自分がどれだけリラックスしているか注意して観察しましょう。楽しく時を過ごすことが自分の体にいいと分かれば、自然とそう仕向けるようになっていきます。そのうち、あれ気付いたら毎日楽しいってなっていれば、既に人生楽しんでいます。
以上のようなことに注意していれば、たとえ経済的に自立していなくても、毎日充実した生活を送り、そして大きな成果に手が届くようになるでしょう。地味な取り組みではありますが、地に足は付けられます。新年度、楽しみですね。
・併せてどうぞ
【博士課程修了者の行方不明者が多い本当の理由】
【20歳で大人は厳しい? 実はその先にある40歳で真大人】
【みらふつ名物ロングテール記事一覧】
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