大変革時代、将来はどうなるか良く分かりません。どうなるか分からないのに備えるには、あらゆる場面を想定するイメージトレーニングの力が強力な武器になります。
普段イメージトレーニングを意識していなくも無意識に使っているはずです。たとえば幼い頃、転ぶと痛いという経験をして転ばないよう学びますが、何でも経験して覚える訳にはいきません。10階から落ちたら死ぬということは、経験で学ぶわけにはいきません。想像して経験の代わりにするしかありません。
「スラムダンク」などでも出てきたと思いますが、ディフェンスにはイメージトレーニングがかかせません。相手がいったいどうゆう攻めをしてくるのか、もちろんある程度は実際に攻められてそれを防ぐ形で覚えて行きますが、頭の中であらゆる攻撃を想定してそれに対応するイメージトレーニングをしておくことで、相手の攻撃に無意識に反応することができるようになります。
レーシングドライバー達も得意です。レース前にコクピットの中であたかも走っているかのように頭を揺らしているシーンを見たことはないでしょうか。それは順調に走るイメージトレーニングかもしれませんが、トラブルに対するイメージトレーニングもしているはずです。あらゆる直線でカーブで前後に車がいる状況で起こる様々なトラブルにどう対応するか、その訓練をしておくことで、実際のトラブルに対応していきます。
F1でも活躍したこともあるアレッサンドロ・ザナルディのドキュメントをNHKでやっていたことがあります。彼はレース中の大事故で両足を膝上から切断されますが、その後「笑わなくなった妻を笑わせなきゃ」と不屈の精神でレースに復活して行く様子が描かれていました。事故後両足を失ったことを知る彼が出てきますが、「ああ、イメトレしてあったんだな」という表情でした。レースをしていれば、大けがをする可能性は常にあります。彼は事前にそれをイメージしていたし、ですから、実際に起こっても、「ああ起こったな」とあるがままに受け入れたのでしょう。
東日本大震災の後、価値観が変わったという人が多くいます。著名人でも何人もがそう明言しています。しかし、大地震も大津波もそのうちどこかには来ます。原発も事故を起こしうる存在です。価値観が変わったと言わなかった人々の中には、それぞれ、心に描いてあったものがあり、起こったことをあるがままに受け入れた人もいることでしょう。
イメージトレーニングは実際のトレーニングと同じ効果があると言われるほど強力です。この変革期では、今後いままで経験したことがないようなことが次々起こることでしょうが、恐れてばかりいる必要はありません。おこりうることを想像さえしておけば、かつて経験したことがあるのと同じように振る舞うことができます。
では、そのイメージトレーニングの力はどうやれば鍛えられるのでしょうか。次回考えようと思います。
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