野党はほとんど支持されないし、安倍さんを評価する声としては「他にいないから」で、自民党内でも安倍さんの代わりになる人がいないと考えられています。

 なぜか。

 安倍さんの政権が揺らぐ中、ネットを見ていると、「もしも安倍さんが辞めたら不景気になる」という不安の声に溢れています。

 安倍さんの景気対策といえば、1) 消費税延期、2) 異次元金融緩和、3) 大型財政支出 でしょうか。

 もちろんそれぞれデメリットがあり、安倍さんの景気対策に批判的な人たちは、これらの項目に否定的な見解を示しています。

 が、ではもしこの瞬間安倍さんが退陣したとして、新しい政府ができたとして、1) 消費税は予定通り、2) 異次元金融緩和止めます、 3) 財政支出緊縮しますと宣言したらどうなるでしょう。

 もちろん景気に急ブレーキがかかることでしょう。

 私たちはそれが不安なんです。

 一方で、いったい安倍さんの景気対策がどれくらい景気に効いているのか、ぶっちゃけよくわかりません。雇用がよくなったと言いますが、働く人がどんどん減ってるんですから、人材不足になるのは当然のような気もします。

 異次元金融緩和にしても、インフレを誘導するための政策のはずですが、全然起こらなかったわけですから、やらなくても一緒だったかもしれません。

 財政支出にしても直接事業を引き受けるところは潤いますが、一時的なものでやめればすぐに効果は消えるように見えます。

 とはいえ、これだけ「安倍さんでないと景気が悪くなる」という雰囲気が蔓延すると、もう辞めただけでも景気にブレーキがかかりそうな勢いです。

 他の政治家たちはこの問題に正面から向き合って、出口政策を語り、世論を解きほぐしていくことが大切です。もし仮に優秀な経済政策だとしても、急に向きを変えたら経済は横転してしまいます。そのような急転換は危険であると認めつつ、安倍さんの政策のうち効果に乏しいと判断できるものは止めるとし、一方で賃金アップの問題など今後特に重点をおくべき政策を示すなどがいいのではないでしょうか。

 今ならなにもしなくても勝手に賃金が上がっていきそうな雰囲気もありますし、うまくその波に乗れば、あたかも新政権のお手柄になんてこともあるかもしれません。

 昔と違って、景気対策で嘘みたいに景気がよくなることなんてなくて、でも間違った政策や性急な転換で急減速を起こすことは相変わらず可能で、その不安を丁寧にカバーすることが、新しくリーダーになるべき人の重要な資質ではないでしょうか。無謀な試みをするより、うまく流れを読んでその方向を示すだけで、世の中もその気になって流れていく、それがこれからの景気対策なのかもしれません。


《ワンポイントミライ》(

ミライ: 『脱原発』とか強調されると、不安になりますよね。

フツクロウ: ホッホ。それ自体は重要な課題ではあるが、景気の急減速起こしませんという姿勢がないと、他何言っても任せられない感じがあるの。

ミライ: 『脱原発』にしても、