「いいね!」で学ぶ、世界一わかりやすいお金の仕組み原稿(その7)〜ノーベル賞受賞アンガス・ディート氏を読み解く〜 の続きです。

 最近散発的な「いいね!」お金シリーズですが、お金の仕組みが「いいね!」と同じであることがわかれば、今大きな社会問題になっている事件も本質を捉えることができます。

 「キュレーションサイト問題」。

 内容がパクリだろうが間違ってようがオカルトだろうが、PV稼げれば儲かる! 仕組みによって、ネットコンテンツの質が悪化しています。

 何故でしょう。

 お金は「いいね!」です。「いいね!」なものが売れて生き残り、「よくない!」ものは淘汰されます。

 キュレーションサイトはどうでしょう? お金が直接関わる広告は「いいね!」を保持しています。「いいね!」な広告がクリックされ、その先の商品が「いいね!」なら売れていきます。

 でもその前がいけません。「いいね!」な記事に広告が出るわけではありません。「内容がパクリだろうが間違ってようがオカルトだろうが、PV稼げる」記事がお金を稼いでしまっています。

 「キュレーションサイト問題」はモラルとかコーポレートガバナンスとかいう問題ではありません。「よくない!」が「いいね!」にすり変わる構造の問題です。

 だから、そこを変えなければなりません。

 それをやれば今からでもグーグルアドセンスを抜けます。

 やり方はいくつか考えられます。方針は、広告を載せるページにはなんらかの「いいね!」や「よくない!」な仕組みを用意させること、そして「よくない!」なページには広告を載せないこと、そういう仕組みを作ればいいのです。

 それが簡単でないことは少し考えればわかりますが、だからといって取り組まない理由にはなりません。何十年かかってもやらなければなりません。

 だって、今は間違った仕組みですから。

 広告出稿する側にしても、そんな「内容がパクリだろうが間違ってようがオカルトだろうが、PV稼ぐ」だけのページに自分の広告なんて出て欲しくありません。「よくない!」ページに広告出ない仕組みがあれば、必ず検討するでしょう。まあ逆にそういうページに単価がやすいことも含め積極的に出したい企業もあるかもしれません。それはそれで、元のページはそういう広告が大量に出るサイトとして認識されていくことでしょう。

 まあ、こんなこと誰でも考えますから、取り組みは始まっていることでしょう。早く広まって欲しいです。

 キュレーションサイトが害を引き起こすのは、広告の仕組みが間違っているだけ

 広告出稿している企業も文句言えばいいのに。「内容がパクリだろうが間違ってようがオカルトだろうが、PV稼ぐ」だけのページに自分たちの広告が出たら、「うちの企業ブランドを毀損した」と。

(つづく) 



《ワンポイントミライ》

ミライ ああ、これ、今の広告モデルって、キュレーションだけじゃなくて、そもそもあらゆるネットコンテンツの質を歪めてるのか

フツクロウ ホッホ。

ミライ だって今は、ニュースだって、芸能記事だって、ネガティブなものが多いじゃないですか。