少し前こんな記事を見かけました。
「夢の植物工場」はなぜ破綻したのか
「夢の植物工場」と期待されていた、植物工場を運営・販売するみらい(東京・中央)が昨年6月末、東京地裁に民事再生法の適用を申請したという記事で、なぜ破綻したかという話ではあるのですが、なにげに、ついに植物工場が採算とれるようになってきていることが書かれています。
どうすれば、畑でふつうにつくるよりも高値のレタスを買ってもらえるのか。答えは「業務用」。MIRAIの売り先はいま、だれもが知る大手のコーヒーチェーンやコンビニ向けの総菜メーカーが8~9割を占める。(中略)現在、売価の標準は1キロで採算ラインの1000円を数百円上回る。ここでコストの再計算が必要になる。露地でつくったレタスは仕入れ値は確かに安い。だが、スーパーでの販売と違い、業務用で使うためには、大きく結球したレタスの表の葉をとり、芯を抜き、水洗いするといった手間がかかる。これに対し、植物工場のリーフレタスは小ぶりで柔らかく、大きさや形がそろっていて扱いやすく、品質も安定している。病害虫のリスクが小さいため、農薬を使っておらず、複雑な洗浄工程も必要ない。
今はちゃんと儲けが出る仕組みができたとのこと。今日こうなのですから、これからは次第に定着していくことでしょう。
それにしても長い道のりでした。
この記事で書かれている2004年頃の千葉大、ちょうどその頃私も仕事で植物工場いろいろ見てて、千葉大の実験施設は見学したことがあります。当時はパソナが大手町の地下にパソナ02という植物工場持ってたりしたんですよ。このベンチャー企業は見学させてもらえなかったです。
そんな十年以上前は結構詳しかった分野なのですが、その記事に書かれている「活路は業務用」というのは、当時からわかりきっていたことでした。「植物工場のリーフレタスは小ぶりで柔らかく」ということで、スーパーで売るには見た目も違います。洗浄工程を省きたいとか、毎日決まった量を入荷したいとか、まさに「工場」こそが売り先なのです。
そんなことは十年前からわかりきっていたのに、きちんとそこでビジネスを回すのに十年かかったということなのでしょう。
そんな苦労もついに花開き、植物工場はついに採算が取れるようになったようです。すごいすごい。
わたしも知らず知らずのうちに植物工場レタスを口にしているのかもしれません。
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: そんなもの食べたくないという人もいそうですけどね。
フツクロウ: ホウじゃな。でも選択肢がより広いということはええことじゃないかの。
ミライ: あ、『もやしもん』の樹教授ですね!
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