日本版iPhone登場にネット有名人たちがあっけにとられています。

 新しいiPhoneが出るようですが、これどうなんでしょうか(山本一郎) - Y!ニュース 

 いつも独自の視点や調査で鋭い意見を展開する山本一郎さんですら、だれもが言ってるような内容しかありません。

 その中で引用されている さんの記事も、

 iPhone7に見る日本人のカモにされっぷりと、課金厨と中国政府とAppleの関係。  

 タイトルこそ煽っていますが、iPhone は元から全世界で高いわけで、状況は優良顧客が優遇されているだけです。 仮にドバイでフェラーリがよく売れるからドバイ特別仕様があるとしたら、それを「ドバイがカモにされてる」とは言わないですよね? 

 結局山本一郎さんの次のコメントに全てが現れている気がします。

なんかこう、最近Appleが日本市場に正面から目を見据えてにじり寄ってくる感じがしてならなかったんですが、ここまで踏み込んでこられると「ボディーゾーン突破して間近から話しかけてくる親しげ過ぎる陽気なブラジル人」みたいな感じがしてドキドキします。

 そう、結局この状況に日本が全く慣れていないのです。

 ドバイの人が、フェラーリに「ドバイこそフェラーリの価値を一番よく知っているので、特別仕様車を出します」と言っても、「はっは苦しゅうない」と喜ぶことでしょうが(知らんけど)、日本人はそんな経験がないから、右往左往しているのです。

 まだまだ慌てふためいている状況は変わらないでしょうが、この事件は今後いろんな論争や影響を生み出すことでしょう。

 まずは、この状況を大いに誇りにすればいいのではないでしょうか。

 日本は世界でもっともITの価値を高く評価する市場を持つと。世界が「使えれば安ければ安いほどいい」という価値観に席巻されているところ、iPhone により高い品質を認めて、対価を支払う市場を持つと。

 それが技術やデザインの底上げをしていくのです。

 日本は技術だけでなくデザインや使いやすさなどの品質に払う市場を持つと国際的な評価を受けることになります。日本の製品はガラパゴス化するといわれていますが、結局海外産のスマホですら、日本へのガラパゴス化を強要する力を日本の市場は持っているのです。


 iPhone が日本特別仕様を出すこと自体は、今に始まったことではありません。日本iPhoneのカメラはシャッター音が消せないけどアメリカのは消せるとか言いますよね(今もそうなのかは知りません。すいません)。電波帯も違うようですし。でもそれらは積極的に宣伝されることはなく、しかし今度は「特別にご用意しました」と謳われたのです。

 確かに今までアメリカの製品と言えばアメリカのものを押し通してくるイメージがあります。ハリウッド映画なんか象徴的ではないでしょうか。いつまでたっても Suica に対応しない iPhone もまさにその象徴だったことでしょう。

 一方でグローバル製品のローカライズも年々盛んになっています。日本の電化製品が海外で売れないと言われ始めた頃、韓国などはいち早く売る先の国の事情に合わせた製品を作っていると分析されていました。日本のモノをそのまま売ろうとしてもだめだってのは今では常識です。

 そういった波がついにアメリカにも広がっていることの象徴的なできごとと捉えることができるのではないでしょうか。今までアメリカが全然やってないという話ではなく、たとえばマクドナルドとか昔からご当地メニューいろいろあるそうですし、全体的な流れの中での一つのマイルストーンだったのです。

 日本市場の価値というものが、国際的に特徴付けられるかもしれません。高機能のものはまず日本に投入してみろと。

 今後の日本市場の評価がどうなるのか楽しみですね。


《ワンポイントミライ》(

ミライ: 防水かー。もともと圧倒的シェアなのに、また売れそうですね。

フツクロウ: ホッホ。