━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■■■-ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク- ■■■■ ■■ のりこえねっと通信 0059号 2014年12月8日発行 ■■ ■ ◆転送歓迎◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★メールアドレスのご変更等は、info@norikoenet.org までご連絡下さい。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 賛同者の皆さま のりこえねっと通信をお読みの皆さま 昨日12月7日、「勧進橋児童公園奪還5周年」と題したヘイトデモが、京都 で行われました。ヘイトデモそのものは、ほぼデモ常連となった人々が東京 などからも動員されましたが、40人強しか集まりません。カウンター側は、 この「京都朝鮮学校襲撃事件」が、ヘイトスピーチ拡大の大きなきっかけに なり、その差別発言のひどさに大きな衝撃を与えたことから、「このような ヘイトデモは許せん」ということで全国から400人余りが集まり、抗議活動 が行われました。出発地点の円山公園では、ヘイトデモを包囲し追い詰め、 デモが出発した後も、 多くのカウンターの抗議の声で、ヘイトデモのひどい差別扇動コールをほと んど封じ込めることができました。しかし「チョン死ね」だのひどい発言が 連発で、その醜悪さは相変わらずです。さらに、このデモのインターネット 生中継(ニコ生)でのコメントのヘイトスピーチが、デモそのものよりもよ りひどいものであり、今後これに対する取り組みを強めていく必要を感じま した。 昨日の行動については、以下もご参照下さい。 2014.12.7. #12月7日京都ヘイトアクションを許すな http://togetter.com/li/754710 2014/12/07 【京都】勧進橋児童公園での排外行動とそれに対するカウン ター行動(動画)http://iwj.co.jp/wj/open/archives/211767 (川原栄一) ――――――――――――――――――――――――――――――――― 〈今号の目次〉 1.12月8日 のりこえねっとTVのお知らせ(8月25日の再放送です) 「韓国の「反日」は本当なのか 吉方べき×安田浩一」 2.12月1日のりこえねっとTV報告 「カウンター本続々出版/衆議院選挙を迎えて」野間易通×石野雅之 3.反レイシズム情報 4.今週のヘイト街宣・デモ Pick Up 5.新聞・雑誌記事・Webより 6.【ボランティア募集】 2014衆議院選挙全候補者アンケート and Web公開プロジェクトにご協力ください。 7.学習会参加報告 「ヘイト・スピーチ被害と被害者への救済支援について」 8.編集後記 ――――――――――――――――――――――――――――――――― ●1.のりこえねっとTVのお知らせ 12月8日 のりこえねっとTV(8月25日の再放送です) ★タイトル:「韓国の「反日」は本当なのか 吉方べき×安田浩一」 ◎放送日時 12/8(月) 21:00-22:00 ◎ニコニコ生放送入口URL:http://live.nicovideo.jp/watch/lv202710133 ◎YouTube URL:https://www.youtube.com/watch?v=0pV1o09y1Jc 今回は、これまでのりこえねっとTVで放送してきたものから、 好評をいただいていた回(2014年8月25日)の再放送となります。 日本で報道される、韓国のいわゆる「反日運動」。 その姿は本当なのか。 ソウル在住16年の言語心理学者をお招きして ジャーナリストの安田浩一さんがお話を伺います。 <出演> 吉方べき(よしかた・べき) ソウル在住16年の言語心理学者。韓国・漢陽サイバー大学講師。 群馬大学医学部中退。1999年からソウル在住。 ソウル大学で認知・言語心理学を研究しつつ 大学やサムスン電子人材開発院・医療機関などで教鞭を執る。 2005年、朝鮮日報日本語版立ち上げに参画(?08年)。 翻訳・通訳を通じた日韓の架橋的活動も多い。2児の父。 ツイッター:https://twitter.com/tabisaki/ ブログ:http://tabisaki.tumblr.com/ 安田浩一(やすだ・こういち) ジャーナリスト 1964年静岡県生まれ。週刊誌記者を経て、フリーライターに。 外国人労働者問題などを取材。 代表作、『ネットと愛国』(講談社)では、 2012年度の講談社ノンフィクション賞と 日本ジャーナリスト会議賞をW受賞。 近著に『ヘイトスピーチとネット右翼』(共著・オークラ出版)、 『なぜ、いまヘイト・スピーチなのか』(共著・三一書房 )がある。 ツイッター:https://twitter.com/yasudakoichi ◆視聴方法について/YouTubeで見られます! のりこえねっとTVは、YouTubeでも生放送を行っています。 アカウント等は不要で、本日の番組は以下にアクセスするとご視聴いただけ ます。 ◎YouTube URL: https://www.youtube.com/watch?v=0pV1o09y1Jc ――――――――――――――――――――――――――――――――― ●2.12月1日のりこえねっとTV報告 「カウンター本続々出版/衆議院選挙を迎えて」 野間易通×石野雅之 ゲスト急病のため、放送内容が変更になりました。今日の放送では、カウン ター・ムーヴメントのなかから出版された本と、この冬に出る予定の本を紹 介します。また12月2日に始まる衆議院議員選挙では、ヘイトスピーチもは じめて政策集の中で取り上げられています。差別反対東京アクションとのり こえねっとでは、衆議院議員選挙全候補者に対しアンケートを行い、各候補 者のヘイトスピーチ・ヘイトクライムについての見解を公表するプロジェク トを準備中です。このプロジェクトについて、東京アクションの石野代表に お話を伺います。 最初にC.R.A.C. NORTHの青木陽子さんが、札幌での反差別パネル展について 報告します。女組のパネルを利用して北海道のカウンターが主催したもの で、東京以外で初めての開催だそうです。北海道ではヘイトデモの報道も少 なくて知らない人も多く、自分たちの問題としてとらえている人はまだ少数 にとどまっていると語ります。しかし札幌圏だけとはいえ、北海道新聞と朝 日新聞が初めてカウンターについて報道したそうです。リベラルなイメージ のある札幌だが、それが削られつつあるとの危機感がいくらか伝わった感じ がすると語ります。またこれまでは札幌のカウンターは少数なので市民から どう思われているか分からなかったが、参加できなくとも支持してくれる人 が増えたのではないかとパネル展の反応を通じて感じたとも語ります。野間 さんは、酷い動画を見せたくはないとの思いはあるが、実態を見てその酷さ を知ってから再びパネルの内容を理解するという微妙さがうまくいったのだ ろうと評価します。 次に石野雅之が、衆院選全候補へのヘイトスピーチ関連アンケートについて 語ります。対象候補は1100人前後に上るが回答は30%程度だろう。人種差別 撤廃についての考えを知るだけでなく、問うことによって市民の期待を候補 者に知らせる意味もあって監視し抑止する効果も期待できると語ります。詳 細はサイトをご覧下さい。またFAX回答の入力ボランティアも募集している そうです。 また同様のものに外国人人権法連絡会が行った政党に対するアンケートがあ り、その結果を紹介します。ヘイトスピーチ対策の必要性はほとんどが必要 だとしつつも、法規制については民主・共産・社民のみが賛成であり、ほか の党は「未確定」か「検討中」だったそうです。野間さんは、大ざっぱな質 問であれば誰でも必要と答えがちだが、選挙の主要な争点にはならなくとも 社会の右傾化の結果としてのヘイトスピーチなのだから問うことが重要な要 素だと語ります。 ところで、今回の放送をニコ生でご覧になった方はお気づきでしょうが、 C.R.A.C.が担当する放送についてニコ生では中継動画ではなく静画画面のみ にするとのことです。YouTubeではこれまでのように動画で中継します。野 間さんによれば、ニコ生批判のためにC.R.A.C.としては使わないとのことで す。いま、C.R.A.C.は角川ドワンゴの会長とツイッターで論争中だと語りま す。ネットが一般化して20年経つ中で、何らかの規制なしには悪意の増幅を 止められないことが明らかになっているにもかかわらず、ニコ生は差別禁止 の規約に目をつぶったままネトウヨの動画を垂れ流して商売している。 C.R.A.C.は、すべての言論を野放しにすることで悪い言論が駆逐されるとい う主張に対して、それは機能しなかったし規制を要すると考えている。ヘイ トスピーチに対する法規制にもつながる問題であり、また批判を高めること で売上げにも響けば社会の浄化作用にもなると語ります。 次に4冊の本の紹介に移ります。1冊目は『安倍首相から<日本>を取り戻 せ!』(泥憲和、かもがわ出版、1800円)です。カウンター本ではありませ んが、元自衛官として集団的自衛権を批判する内容です。野間さんは、分か り易い語り口で正しいことを言う人だと評し、それはカウンターの現場でも 一貫しており、泥さんのスタイルからカウンター行動を学ばせてもらったと 語ります。 2冊目は『NOヘイト』(ヘイトスピーチと排外主義に荷担しない出版関係者 の会、ころから、900円)です。出版労連と共同で行った『9月、東京の路上 で』の著者の講演とシンポの内容をまとめた記録です。ヘイト本・嫌韓本が 売れるから出すという流通のあり方に問題意識を持ち、出版界に身を置きな がら対抗言論をどう構築するのか語られているそうです。 3冊目は『ヘイト・スピーチに抗する人びと』(神原元、新日本出版社、 1600円)です。著者はカウンターの現場にも出て行く弁護士です。内容は、 13年の新大久保で何が起きたのか詳細な記録から始まるカウンター史でもあ り、しばき隊初期の形成史も記されているそうです。そしてヘイトの深層に あるもの、法規制の問題と続き、後半ではリベラル原則あるいは良心をどう 活かしていくのかと展開されて読み応えがある本だと野田さんは語ります。 また本書は2冊目を作ったグループの活動の一環でもあるそうです。そし て、正しく真面目であれば良いのではなく、コンテンツとして面白くなけれ ばならないと続けます。野田さんは、憎悪のコンテンツは快感を呼ぶから中 毒になる、そこを衝いてニコ生などがヘイトを増殖させてきたとし、カウン ター側も真剣に面白いものを作るべきであり、それに値する本だと評価します。 4冊目は『♯鶴橋安寧』(李信恵、影書房、1700円)です。2冊目と双璧をな す本であり、書名の大阪鶴橋だけでなくカウンターの記録や京都朝鮮学校襲 撃裁判の傍聴記と幅広い内容。野間さんは、これを当事者として対して書き 上げる作業はかなりしんどかっただろうと語ります。日本学校の出身で京都 朝鮮学校の人々がどう考えているかよく知らなかったりしたことを率直に記 述し、日本人カウンターが読めば多くの発見があるはずとも語ります。また 家族の歴史と自らの半生記を生き生きしたタッチで書きあげた最終章は圧巻 と評します。本書は1月刊行の予定です。なお4冊とも税抜価格です。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― ●3.反レイシズム情報 ★公式サイト 学習会カレンダーにも順次掲載致します! http://www.norikoenet.org/workshop.html#callendar ★集会・デモ・カウンター・セミナーなどのお知らせを掲載します。 日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先などを400文字 以内で、お送り下さい。件名に「のりこえねっと通信掲載希望」と明記して 下さい。 1)国際移住デー International Migrants’ Day 2014 日時:12月13日(土)13:00~17:00 会場:松本治一郎 記念会館 5階(東京都中央区入船1-7-1) 内容: 【第1部】 移住者映画上映&トークイベント 13:00 「ア・エスコーリャ~デカセギ 第2世代の母親2人の選択」 (60分/2013年制作/日葡) 14:00 津村監督と出演者ガブリエラさんのトーク 【第2部】 交流会&パフォーマンス 15:00~17:00 参加費:第1部500円、第2部500円、高校生以下無料 主催:国際移住者デー2014実行委員会 2)文化センターアリラン連続講座⑧「在日一世の記憶」 日時:12月13日(土)14:00~16:30 場所:文化センター・アリラン閲覧室 (新宿区新大久保1-12-1 第二韓国広場8F(職安通り沿い) 講師:李素玲(高麗博物館理事) 参加費:1,000円(事前予約不要:60名定員) 3)このままで良いのか ヘイト・スピーチ 「明らかになった被害の実態」~ 聴き取り調査から見えてきたもの 日時:12月13日(土)17:00~19:00 会場:CANVAS(キャンバス)谷町大会議室(大阪市中央区谷町2-2-20大手前 類第1ビル2F)http://www.osakavol.org/11/about.html 地下鉄谷町線「天満橋」駅下車3番出口徒歩4分 「谷町四丁目」駅1番出口徒 歩4分、京阪電鉄「天満橋」駅14番出口徒歩8分 参加費:500円(資料代を含む) ※参加を希望される方は、お名前、ご所属を明記の上、メールで下記宛にお申 し込み下さい。hrn_kansai@yahoo.co.jp (ヒューマンライツ・ナウ関西グループ、当日午前中まで連絡可) ――――――――――――――――――――――――――――――――― ●4.今週のヘイト街宣・デモ Pick Up カウンター行動(抗議行動)される際は、十分お気をつけ下さい。経験が少 ない方は、複数での参加をお勧めします。 1)舛添東京都知事リコール活動、第6弾!街宣in大井町&講演会 【年末の大そうじ!舛添追放!】 日時:12月14日(日)15:30~16:30(街宣)18:00~21:00(講演会) 街宣場所:JR大井町駅阪急前(東京都品川区大井1ー2ー6) 【最寄り駅】JR京浜東北線ほか大井町駅中央口徒歩2分 講演会講師:桜井誠在特会前会長 主催:日本侵略を許さない国民の会 ※「舛添都知事リコール」と銘打っていますが、中身はヘイトスピーチ満載 です。街宣場所は明らかにしているが、カウンターの抗議を恐れて講演会会 場は非公開。告知HPでも細々とした注意事項がならび、まるで中学校の校則 みたいです。そんなに抗議がこわいならば、止めればよいのではないでしょ うか。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●5.新聞・雑誌記事・Webより Listening:<時流・底流>国を考える選書第2弾 多様な本で未来見て 毎日新聞 12月01日 韓国や中国を攻撃する出版物が売れている中、問題提起する選書フェアを5 月に企画した河出書房新社(東京都渋谷区)の若手社員たちが12月、2回 目のフェアをする。「一過性で終わらせてはいけない」と作家や評論家たち の協力を得て14冊を紹介する。今回参加する全国の書店は150店を超え ているという。 「今、この国を考える」と題したフェアは、前回は副題が「『嫌』でもなく 『呆』でもなく」で、「嫌韓」や「呆中」の本以外にも、多様な本があると いうメッセージを込めた。今回の副題は「『嫌』でもなく『秘』でもない未 来をつくる」。編集者たちは「この半年、隣国との関係も改善せず、不寛容 な社会が進行している。フェアを継続するとともに、10日に施行される特 定秘密保護法にも黙っていられないこと、さらに本の可能性や未来を見据え た。想像力をかきたてる作品をそろえた」と話す。 今回紹介するのは、評論、小説から翻訳本まで多様な作品だ。自社の6冊に 加え、8人の作家、評論家らがそれぞれ「今、読むべき本」を推薦している。 協力した芥川賞作家の中村文則さんは「他国を悪く言うことで盛り上がるの は、政治的に右か左かという次元を越えて、品性の問題。現在の流れに抵抗 する出版人に深く共感し、企画に協力することにしました」とコメントし た。【青島顕】 -------------------------------------------------------------- ◇「今、この国を考える」第2弾の書籍(敬称略) 【河出書房新社の本】 想田和弘「熱狂なきファシズム」 石牟礼道子「蘇生した魂をのせて」 北原みのり・朴順梨「奥さまは愛国」 磯部涼編著「踊ってはいけない国で、踊り続けるために」 スタンレー・ミルグラム「服従の心理」 赤坂真理「東京プリズン」 【識者推薦】( )内は推薦者 辺見庸「記憶と沈黙」(あさのあつこ) ウィレム・ユーケス「よい旅を」(朝吹真理子) 田中宏「在日外国人」(荻上チキ) 林健太郎「ワイマル共和国」(国分功一郎) 速水健朗「フード左翼とフード右翼」(鈴木涼美) フィリップ・ロス「プロット・アゲンスト・アメリカ」(豊崎由美) パク・ソンウォン「都市は何によってできているのか」(中村文則) 森達也「誰が誰に何を言っているの」(森絵都) http://mainichi.jp/journalism/listening/news/20141201org00m070003000c.html -------------------------------------------------------------- 「ヘイトスピーチ」禁止 韓国が要求 産経ニュース 12月2日 韓国国会の外交統一委員会は1日、在日コリアンらに行われる「ヘイトス ピーチ」(憎悪表現)と呼ばれる人種差別的な街宣活動をやめさせる具体的 な措置を取るよう日本政府に求める決議を採択した。今後本会議で採択され る見通し。決議は、ヘイトスピーチ団体として「在日特権を許さない市民の 会(在特会)」を名指しした。(ソウル 共同) http://www.sankei.com/world/news/141202/wor1412020018-n1.html --------------------------------------------------------------- 右派が朝日新聞を攻撃と米紙 慰安婦報道の元記者取材 共同通信 12月3日 【ニューヨーク共同】米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は2日、従軍慰安 婦問題などをめぐる記事を取り消した朝日新聞への「右派の攻撃」が強まっ ているとする札幌発の記事を掲載した。安倍晋三首相を含む「民族主義的政 治家」による歴史修正の動きがみられるとして批判的に伝えている。 記事は慰安婦報道に関わり現在、札幌市にある北星学園大の非常勤講師を務 める元朝日新聞記者らに取材した。元記者はニューヨーク・タイムズ紙に、 嫌がらせなどによって大学の職が奪われそうになっている現状や子供にまで 中傷が及んでいると述べた。 http://www.47news.jp/CN/201412/CN2014120301001204.html -------------------------------------------------------------- ニューヨークタイムズに、右翼による「朝日・植村バッシング」の記事 澤藤統一郎の憲法日記 12月3日 12月3日付のニューヨークタイムズに、右翼的潮流による「朝日・植村 バッシング」に関する記事が大きく掲載された。 下記URLで閲覧が可能である。 http://www.nytimes.com/2014/12/03/world/asia/japanese-right-attacks-newspaper-on-the-left-emboldening-war-revisionists.html?_r=0 見出しは、「歴史修正主義者を勢いづかせている、日本の右翼の左派新聞に 対する攻撃」と訳して大きくはまちがつていないだろう。単に、植村隆・北 星学園大学講師に対する卑劣な脅迫についての現象面の報道にとどまるもの ではなく、背後の構造をとらえての右翼的な潮流への批判となっている。匿 名の右翼だけでなく、安倍晋三首相や読売新聞が名指しで批判の対象となっ ていることに注目しなければならない。 残念ながら、日本のメディアで、これだけまとまった朝日バッシング批判の 記事に接したことがない。批判の姿勢も立派なものだ。とはいえ、日本のメ ディア事情について、内容はかなり悲観的だ。日本のジャーナリズム全体の 沈黙に対する批判がある。 このニューヨークタイムズの記事が、良心的なグローバルスタンダードと言 えるのだろう。外国メディアですら、声を上げている。私たちも黙ってはお られない。 (後略) http://article9.jp/wordpress/ ------------------------------------------------------------- 「在特会」の違法行為警戒 警察庁、治安分析で明記 日本経済新聞 12月3日 警察庁は3日、国内外の治安情勢をまとめた2014年版「治安の回顧と展望」 をまとめた。極端な民族主義や排外主義に基づいて活動する右派系市民グ ループとして「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の団体名を初めて 明記。「違法行為の発生が懸念される」と警戒している。 警察庁によると、在特会などの右派系市民グループは今年1~10月、在日韓 国・朝鮮人の排除を掲げるデモを13都道府県で約110件実施した。昨年は1 年間で約120件だった。 朝日新聞による慰安婦報道の検証記事掲載などを受け、デモは過激化してお り、グループの言動をヘイトスピーチ(憎悪表現)と批判する反対勢力との トラブルも頻発。全国の警察は双方の35人を摘発した。 ヘイトスピーチは国連が人種差別撤廃条約第4条に基づき、犯罪として禁じ るよう各国に求めているが、国内の法律は未整備のままだ。 警察庁は13年版でも右派系市民グループの動向を分析したが、実態がつかめ ないなどとして、個別の団体名の記載は見送った。在特会によるヘイトス ピーチが国会で取り上げられるようになった状況などを踏まえ、14年版で明 記した。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG02H6A_T01C14A2CR8000/ ------------------------------------------------------------- 「在日外国人になりすまして大騒ぎ、排外感情を煽り立て、特定の政治勢力 の排除を画策、二重に悪質な行為」 憲法・軍備・安全保障 晴耕雨読 12月4日 じこぼう氏のツイートより。https://twitter.com/kinkuma0327 うーん。 かたやマスメディアに対しては公平公正な取り扱いの要請という形で圧力を かける一方、自分たち自身は気に食わないメディアの会見は拒否するという わけですかねぇ。 /自公「欠席」と回答 外国特派員協会の各党会見 - 朝日新聞デジタル http://t.co/Xy0X7corwW
太極旗持った貴殿の写真しか出てきませんが、何が問題なのでしょう??
“@Doronpa01: 民主党の応援に太極旗もった韓国人が駆けつけている事に発 狂している人たち?民主党は大親韓政党。韓国人が応援は当然!何が問題な のでしょう???” 在日外国人になりすまして大騒ぎをすることで、社会に潜む排外感情を煽り 立てつつ、そういう感情を利用して、特定の政治勢力の排除を画策するとい う、二重に悪質な行為。 こんな卑怯な手段を用いるような人物が「言論の自由」を語る資格はない。 https://t.co/ohXqe4886P > 「私が表現の自由を尊重しているのはスケベ根性のためだけじゃない! 北原みのり逮捕にだって反対したじゃないか!」とあとで言うチャンスをみ すみす棒に振るなんて、本当に心の底から馬鹿だなあ、とあきれているだけ だよ。笑顔で自分の死刑執行書にサインするのがそんなに楽しいの? 表現の自由を標榜する一部の人たちが、自らの表現の容態に対する批判を拒 絶する態度をとりつつ、他者の表現が公権力により抑圧される姿を、対岸の 火事であるかのごとく眺めたり、時にそういう公権力を持ち上げたりするの は、公権力から攻撃されないように、公権力と馴れ合おうとしているのだろ うか。 「表現の自由」を、表現行為の権力からの独立という意味とは逆に、「表現 の自由を権力側に認めてもらえるように権力と馴れ合おう」ととらえる人も いる。 だから、表現を行なった者の身柄が拘束されたとしても…むしろそのような 権力の介入があるからこそ、権力に対し従順な態度をとるのだろう。 http://sun.ap.teacup.com/souun/15993.html -------------------------------------------------------- 【ネット選挙】次世代の党、「生活保護」「女性の社会進出」「慰安婦問 題」をアニメで訴えるPVを公開 BLOGOS編集部 12月4日 4日、次世代の党がネット選挙対策の一環として、プロモーションビデオを 公開した。 動画は「タブーブタ」というキャラクターが歌付きで「生活保 護」「女性の社会進出」「慰安婦問題」について同党の主張をするというもの。 発表を行った山田宏幹事長は、「国会の中では様々なタブーを避けて議論す る傾向があり、それが政治に緊張感を失わせている。党名を知っていただく 機会がこれまでなかったが、次世代の党はタブーに挑戦する政党だと訴えた い」と説明。 「PCよりスマホなのでスマホに対応する戦略が必要だと考えた。」「一方的 に提示するのではなく、双方向を意識し、若い人を対象に、わかりやすいが 内容はシリアス、批判も出てくるような、尖ったものを目指した。若い人が 保守化していると言われる中、関心を持ってくれるだろうと認識してい る。」と話した。 動画で歌われている歌詞は以下のとおり。 1:タブーを斬る!篇 なぜだブー!なぜタブー? ホントのことでも言わない なぜかみんな知ら ぬふり クサイものにはフタをして 都合わるいと見ないふり なぜだブー!なぜタブー? なぜだブー!なぜタブー? 2:生活保護タブーを斬る!篇 なぜだブー!なぜタブー? 日本の生活保護なのに 日本国民なぜ少ない 僕らの税金つかうのに 外国人なぜ8倍 なぜだブー!なぜタブー? なぜだブー!なぜタブー? 3:女性の社会進出タブーを斬る!篇 なぜだブー!なぜタブー? 子育て犠牲にしてまで なぜ働けと言うの? 子育てがんばるママさんも 輝く女性のはずなのに なぜだブー!なぜタブー? なぜだブー!なぜタブー? 4:慰安婦問題のタブーを斬る!篇 なぜだブー!なぜタブー? 慰安婦問題でっちあげ なぜだもっと怒らない? 真相わかった今だから そこは世界に言わないと なぜだブー!なぜタブー? なぜだブー!なぜタブー? http://blogos.com/article/100457/ -------------------------------------------------------- 「安倍政権が朝日攻撃の事実ない」NYタイムズの慰安婦報道で世耕氏 産経ニュース12月5日 世耕弘成官房副長官は5日午前の記者会見で、米紙ニューヨーク・タイムズ が慰安婦問題に関して安倍晋三政権を含む「右派勢力の(朝日新聞への)攻 撃」が強まっているなどとする批判記事を掲載したことについて「安倍政権 が朝日新聞やその記者を攻撃している事実は全くない」と反論した。 その上で「日本政府が求めていることは、正しい事実認識に基づいて、日本 の取り組みに国際社会から正当な評価を受けることだ」と述べた。 http://www.sankei.com/politics/news/141205/plt1412050019-n1.html --------------------------------------------------------- 産経新聞に反ユダヤ本の広告 米人権団体抗議受けおわび 朝日DIGITAL 12月5日 産経新聞が先月、ユダヤ人を中傷する本の全面広告を出し、米国のユダヤ人 人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・ロサンゼル ス)が4日、産経新聞に抗議していたことがわかった。産経新聞の熊坂隆光 社長は5日、おわびするコメントを出した。 11月26日付の同紙東海版・北陸版(約5千部)に掲載された広告は、リ チャード・コシミズ氏の3冊の本を宣伝する内容。「ホロコーストはイスラ エル建国のためのでっち上げ」「ユダヤ独裁国家アメリカの謀略を暴 く!!」などと書かれている。 これに対して、同センターのエイブラハム・クーパー副代表は4日、産経新 聞の熊坂社長に、「ユダヤ人についての危険な作り話を広める本を宣伝する 決定をしたことに抗議する」などという内容の手紙をファクスで送った。ま た、「読者とユダヤコミュニティーに謝るべきだ」などと謝罪も求めている。 クーパー副代表は朝日新聞の取材に、「非常に強い怒りを覚える。日本の大 きな新聞の全面広告は影響力もある。広告を掲載する際のルールを定めてほ しい」などと話した。 抗議を受け、産経新聞は5日、「こうした内容の広告が掲載され、読者の手 元に届けられてしまったことは極めて遺憾であり、読者とユダヤコミュニ ティーの皆様に深くお詫(わ)びいたします。抗議を真摯(しんし)に受け 止め、誠実に対応するとともに厳正に対処します」などとする熊坂社長のコ メントを出した。(ロサンゼルス=平山亜理) http://t.asahi.com/gnpx --------------------------------------------------------- 6党がヘイトスピーチ対策「必要」回答 nikkansports.com 12月5日 非政府組織(NGO)や弁護士で組織する「外国人人権法連絡会」は衆院選 に合わせ、主要9政党にアンケートを実施した。 「ヘイトスピーチ」(憎悪表現)と呼ばれる人種差別的な街宣活動への対策 が必要かとの質問に、6党が「必要」と回答した。 「必要」としたのは自民、民主、維新、公明、共産、社民。次世代は「でき たばかりの政党で、結論が出ていない」とした。必要ないと回答した政党は なかった。 党としての見解などを自由に回答してもらうと、自民は「表現の自由の問題 から法規制は非常に難しいと認識しており、幅広い見地から検討する」と説 明。民主は「差別的言動・行動を禁止する第1歩となる法律の制定を考えて いる」とした。 衆院選の公約には、民主、維新、共産、社民の4党が、法制化などの対策を 盛り込んでいる。 アンケートは11月19日付で実施、同28日までに7政党が回答した。生 活の党と新党改革からは回答がなかったという。(共同) http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20141205-1405191.html ------------------------------------------------------- 2014衆院選:候補者アンケート アベノミクスに賛否 9条改正・原 発、回答ばらつく党派も /埼玉 毎日新聞地方版 12月6日 今回の衆院選(14日投開票)の候補者全員を対象とした毎日新聞のアン ケート。最大の争点とも言えるアベノミクスへの評価については各党の候補 者で賛否が分かれた。一方、憲法9条改正や原発への評価についての設問で は、県内小選挙区の全候補者48人の回答からは、公認された党によって一 致していたり、バラバラだったりと、それぞれの党の内情が垣間みえる結果 となった。【木村篤彦、衛藤達生】 ◇アベノミクス 自民と自民系無所属の計16人は「評価する」で全員一致。一方、野党は民 主、維新、共産、社民の計29人は「評価しない」だった。次世代の3人は 「評価する」「評価しない」「該当なし」に分かれた。 ◇憲法9条改正 「賛成」は15人に対し、「反対」は25人と、改正に慎重な姿勢が目立った。 政党別では、改正に意欲を示す安倍晋三首相率いる自民は15人中11人が 賛成。一方、共産と社民の計16人は全員が反対と回答した。 党内で分かれているのは民主、維新、次世代。民主は10人中「反対」は6 人、「賛成」は1人。3人を立てた維新は「賛成」「反対」「無回答」が1 人ずつで、同じく3人を立てた次世代は2人が「賛成」、1人が「反対」 だった。 また該当なしと答えた5人の中には「自衛隊の位置づけを明確にすべき だ」、「内容による」などと注釈をつける候補がいるなど、改正の是非の間 で悩む様子がうかがえた。 ◇原発 「必要」と回答した人が14人だったのに対し、「不要」が27人と2倍近 くになった。しかし、前職23人に限ると、「必要」12人に対し、「不 要」は7人とほぼ半数だった。 党派別で見ると、2人以上の候補者を立てた政党の中で、維新、共産は全員 が「不要」。自民も15人中12人が「必要」とほぼ固まっていた。しか し、民主は10人中5人が「不要」で、「無回答」「該当無し」が2人ず つ、「必要」が1人とばらけた。 ◇党派を超えて 一方、特定の民族や人種に対する憎悪表現(ヘイトスピーチ)を法律で規制 することについては党の枠組みを超えて賛成する回答が多かった。「反対」 6人に対し、「賛成」34人と、大きく上回っている。 http://senkyo.mainichi.jp/news/20141206ddlk11010253000c.html ------------------------------------------------------- 舛添知事会見・ダイジェスト:衆院選/東京 毎日新聞地方版 年12月6日 ◇衆院選→野党は全然準備できていない ??舛添知事は以前、人権週間(4?10日)などに合わせて、ヘイトスピー チの対策に取り組みたいと発言していたが。 ◆都政便り(「広報東京都」12月号)にヘイトスピーチも含めて、この人 権週間、しっかり対応しないといけないという、私のサイン入りの文章を寄 稿した。新聞の折り込み広告の中に入っているから、全家庭にいってると思 う。今、人権週間キャンペーンで琴欧洲親方(が出演する都の啓発用)の CMは一般的な話をしているが、当然、「ヘイトスピーチはやめるべきであ る」というメッセージも私は含まれているというふうに思っている。引き続 き、機会があるたびに、この問題について言及していきたい。 ??新聞各紙は世論調査を踏まえた衆院選の情勢分析で自民党が300議席超 の勢いがあると報じた。 ◆これほど各紙そろって同じような結果が出るのも珍しい。そのことで「勝 ち馬に乗っちゃおう」と世論がいくのか、「そこまで勝たせていいのかな」 と揺り戻しがくるのか分からないが、今、世論調査の精度は極めて高く結果 は非常に重い。ただ投票日まで10日間あり、何が起こるか分からない。 ちょっとした失言とか、国際・国内情勢によって大きく変わる。特に野党は 全然、準備ができてなくて、戦ができないということが、こういう数字に なっている。選挙をやる時は政権に就いてる側が、よほどの失政がない限 り、有利にあることは当たり前だ。(5日) http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20141206ddlk13010201000c.html ---------------------------------------------------- 衆院選特別企画 「女に参政権与えたのが失敗」差別発言連発!衆院選候補 者“女性の敵”ランキング LITERA 12月6日 投票日まで一週間に迫った衆議院選挙だが、各党がこぞって掲げているのが “女性のための政策”。しかし、その実態はなんともお粗末なものだ。たとえ ば、「女性の輝く社会を」というスローガンを掲げた安倍晋三首相だが、先 の内閣でその目玉として大臣、党役員に起用した山谷えり子、高市早苗、有 村治子、稲田朋美らが女性の活躍の足を引っ張る“反女性”思想の持ち主だっ たことを本サイトが指摘。大きな反響を呼んだ だが、女性大臣に限らず、女性の活躍など露ほども考えていない議員はわん さといる。そこで今回は、衆院選に出馬する議員から“反女性”候補者をピッ クアップし、ベスト7を発表したい。 “税金投入してまで母親は無理に働かなくていい”…文部科学大臣のトンデモ 教育理論 ★1位 下村博文(自民党/東京11区) (中略) 「女に参政権を与えたのが最大の失敗」…失言では済まない女性差別主義者 ★2位 麻生太郎(自民党/福岡8区) (中略) 蓮舫に「帰化したキャンペーンガール」と攻撃!ネトウヨ脳を支える“3歳児 神話” ★3位 平沼赳夫(次世代の党/岡山3区) (中略) 「男女平等は反道徳の妄想」…おっさん保守の本音を代弁して媚をうる女性議員 ★4位 杉田水脈(次世代の党/兵庫6区) (中略) テレビ局に圧力も! 夜間、休日保育を阻止するのが保守の使命と言い張る 勘違い男 ★5位 萩生田光一(自民党/東京24区) (中略) “正妻の子と愛人の子を同じ扱いにしていいのか”…婚外子差別の元凶 ★6位 西川京子(自民党/九州ブロック比例代表候補) (中略) 介護は女の仕事!?「女性の活用」謳う維新の党の本心を暴露する女性局長 ★7位 三木圭恵(維新の党/兵庫5区) (中略) 辻元清美に「乳デカイなぁ」…品性のカケラもないネトウヨの神 ●番外 西村眞悟(次世代の党/大阪16区) (中略) とまあ、出るわ出るわ、差別発言の数々……。しかし、もちろんこれらがすべ てではない。前回もお伝えした稲田朋美(自民党/福井1区)は、「保育所 増設の政策などをみていると、『ホントに母乳を飲んでいる赤ちゃんを預け てまで働きたいと思っているかな』と疑問に思います」(「諸君!」06年2 月号)と無神経なワーキングマザー批判が目立つし、これまた前回にも紹介 した高市早苗(自民党/奈良2区)も「男性に一歩譲ることに快感を覚える ことだってわれわれ女性にはあるんですよ」(「諸君!」02年3月号)など と勝手に女を代表して差別を再生産しかねない発言を行っている。 そして、真打ちは、次世代の党最高顧問である石原慎太郎(東京ブロック比 例代表候補)である。「文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババ アなんだそうだ。女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪で すって」発言を筆頭に、「(ゲイは)怖くて、気持ち悪くて」「(男女平等 条例は)いいかげんにしてくれよ」「(田中真紀子は)更年期じゃないの」 「劣性遺伝だよ。あれは」などなどと、女性のみならず性的マイノリティに 対しても許されない差別発言を連発。石原、稲田、高市の三人にはぜひ殿堂 入りの称号を与えたいところだ。 それにしても、こうやって過去の発言をチェックしていると、でてくるのは どうしてこんな人たちが政治家をやっていられるのだろうか……というため息 のみ。脱力しつつ、来たるべき衆院選では、正しいジャッジが下ることを祈 りたい。 (水井多賀子) http://lite-ra.com/2014/12/post-683_4.html ---------------------------------------------------------------------- 安倍政治を問うーー国民の無関心、根底にあるもの 白井聡 | 文化学園大学 助教(政治学・社会思想) YAHOO!NEWS 12月7日 国民の皆さん、覚悟してください-。 突然の解散総選挙は、安倍晋三首相からのそんなメッセージと受け取った。 「今回の選挙で与党が過半数を取れば、来年は好き放題やりますよというこ と。集団的自衛権の行使に関する実質的な法整備や原発再稼働の本格化、そ して特定秘密保護法違反で逮捕者が出るかもしれない。さらには、ちょうど 終戦から70年の節目になりますから、「安倍談話」のようなかたちで彼の歴 史観を公的に表明するつもりかもしれない。彼が本音を隠さないなら、信奉 する歴史修正主義を前面に押し出すことになるでしょう。そのとき彼はこう 言えるわけです。『皆さん、私を支持しましたよね』と」 (中略) ■他力本願の愚 (中略) ■劣化する社会 「戦後レジーム(体制)の脱却」を掲げる安倍首相が支持を得て、再び政権 の座に返り咲いた背景に二つの文脈をみる。 一つは、敗戦を否認し、米国に従属して冷戦の最前線を台湾や朝鮮半島に押 しつけ、平和と繁栄を享受してきた日本の戦後体制「永続敗戦レジーム」。 原発事故で戦後の矛盾が表面化したのに、戦後体制を脱却するどころか純化 することで、良き時代としての戦後の幻影になおもしがみついている。 もう一つは、ネオリベラル化(新自由主義化)とともに起こった「再階級社 会化」。「戦後、総中流化が進んだ社会に再び格差が広がり、新たに下層階 級となった人々を支持基盤にしているのが今の自民党」と指摘する。 ただしその下層は経済的困窮を必ずしも意味するのではない。「『嫌韓・嫌 中本』を消費する多くは高齢者だという説がある。ごく普通のサラリーマン や主婦にも排外主義的な気分は蔓延してきている」。ネット右翼、いわゆる 「ネトウヨ」に、在日コリアンの差別をまき散らすヘイトスピーチ…。これ までにない勢いで、社会に憎悪があふれ出しているように見える。 「感情が劣化している。多くの人が剥奪感を抱えて攻撃的になる中、政治は それを解きほぐす努力をしなければならないのに、逆にそれを権力基盤にし ている」 ■沖縄化ならず 総選挙の争点は、安倍政権を信任するか否か。ただし、「正しい対決の構 図」になっているのは沖縄のみだという。 先の県知事選。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を進 めようとする現職の仲井真弘多氏が、新たな基地建設に反対する翁長雄志氏 に敗れた。「沖縄は長年、永続敗戦レジームの犠牲者の立場に押し込まれて きた。仲井真陣営と沖縄自民党はいわば、永続敗戦レジームを代弁する勢 力。それを打ち倒すことを目標に保守と革新が結集した。衆院選でも野党の 選挙協力がうまくいっている。自民党は沖縄地区で1議席も取れないのでは ないか」 翻って本土。野党の選挙区調整さえ十分なされぬまま2日の公示を迎える。 「本来、現状を憂えるリベラル派は安倍政権に対抗すべく、社会民主主義的 な勢力を結集するための努力をしなければいけない。その際、左は共産党ま で含まれるべきだ。共産党もわずかに残った左翼利権とプライドを守ること ばかりにきゅうきゅうとしている場合ではない。本当の意味での政界再編へ の動きはまったくない」 追い込まれた沖縄の人々は、政府に強い「ノー」を突きつけた。これに対し て本土はこのまま、原発事故をなかったことのようにして原発回帰路線を容 認し、集団的自衛権を行使して戦争する国へと突き進む政権に「イエス」と 言うのか。 無関心はもう、やめよう。 「安倍政権の2年間を判断できない人は、このまま行けばどんな国を後の世 代に残すことになるのか、真剣に考えるべきだ」 http://bylines.news.yahoo.co.jp/shiraisatoshi/20141207-00041273/ ---------------------------------------------------------------- 【速報】作家・北原みのりさん「釈放」――検察の「勾留請求」を裁判官が却下 弁護士ドットコムニュース 12月7日 わいせつ物公然陳列の疑いで逮捕されていた、女性向けアダルトグッズ店経 営者で、作家の北原みのりさんが12月6日に釈放されたことが、弁護人への 取材でわかった。 北原さんは、自らが経営する店舗に芸術家ろくでなし子さんの女性器をかた どった作品を展示していたとして、12月3日に警視庁に逮捕された。弁護人 をつとめる村木一郎弁護士によると、北原さんは5日に身柄を検察庁に送ら れたが、検察官の「勾留請求」が翌6日、裁判官に却下された。検察は準抗 告(不服申立て)をおこなったが、東京地裁に棄却されたため、北原さんは 釈放された。 ●「不当逮捕」の指摘が出ていた 「勾留」は、逮捕に続いて被疑者の身柄を拘束する手続きで、「罪を犯した ことを疑うに足りる相当な理由」に加えて、証拠隠滅や逃亡のおそれなどが ない限り、認められない。ただ、裁判官が勾留請求を却下することは珍し く、検察統計によると、2013年の勾留請求却下率は1.61%だった。 北原さんは、フェミニズムの視点からセックスやジェンダーについて発信す る論客として知られ、著書も『アンアンのセックスできれいになれた?』 『毒婦。木嶋佳苗100日裁判傍聴記』など多数ある。今回の逮捕をめぐって は、週刊金曜日やアジア女性資料センターが抗議声明を出したほか、多数の 識者らが「不当逮捕だ」とする声を上げていた。 http://www.bengo4.com/topics/2392/ ---------------------------------------------------------------- Rewriting the War, Japanese Right Attacks a Newspaper 日本の右翼、新聞を攻撃 -大戦の史実を上書き ニューヨーク・タイムズ 12月2日 日本、札幌――植村隆が自身を出世に導く記事を書いたとき、33歳であった。 日本で二番目に大きい新聞である朝日新聞で、当時調査報道記者であった彼 は、第二次世界大戦において帝国軍が女性たちを軍の売春宿で働かせること を強制したかどうかについて調査した。「思い出すと今も涙」との見出しの ついた彼の記事は、韓国からの元「慰安婦」の話を伝える最初の記事の中の 一つである。 4半世紀経ち、その記事は現在56歳となりジャーナリズムから引退した植村 氏が日本の政治的右派のターゲットにされる原因となっている。いくつかの タブロイド紙は彼のことを「韓国人の嘘」を広めた裏切り者だと決めつけ る。暴力の脅威により彼は大学教授の仕事を失い、まもなく他のものも失う かもしれない、と彼は言う。超国家主義者らは彼の子どもたちを攻撃するこ とさえしており、彼の十代の娘を自殺に追い込もうと人々を駆り立てるメッ セージをネット上で投稿している。 この脅威は、長らく日本の保守主義者にとって愛すべき嫌われ者であった朝 日新聞に対する、右派ニュース・メディアによる広範で痛烈な攻撃の一部で ある。また、この論争は、安倍晋三首相の右寄りである政府の下で生じた、 日本の戦時中の行為に対する責任についての長期に渡る論争においての、 もっとも最近の集中攻撃でもある。 しかし最近の運動は、戦後日本が経験してきたことの遥かに一線を越えてい る。安倍氏を含む国家主義的な政治家らが、日本での進歩主義的な政治的影 響力の最後の砦を脅して従属させようとする、非難の連発を爆発しているの だ。また、その結果、戦時中女性を売春へと強制したことへの1993年の政府 の謝罪を再考することを求める修正主義者たちは励まされている。 「彼らは歴史を否定するための手段として脅迫を用いているのです」。懇願 するような切羽詰っている様子で話し、自分を擁護するための紙束を持って この北部の都市にインタビューに来た植村氏は言う。「彼らは私たちをいじ めて沈黙させるのです」 「朝日に対する戦争」と評論家が呼ぶものは、朝日新聞が国民からの批判に 謝罪し、1980年代や1990年代初めに報道されたかなりたくさんの記事を撤回 した8月に始まった。記事は、軍の売春宿のために朝鮮人女性誘拐を手伝っ たと主張した吉田清治という名前の元兵士の言葉を引用していた。吉田氏は 20年前に信頼できないものとされていたが、日本の右派は朝日の意思表示行 為に飛びつき、135年の歴史を持つ新聞を倒産に追い込もうとボイコットを 呼びかけている。 10月の議会の委員会で、安倍氏はこの件に立ち入り、朝日の「誤報により、 多くの人が苦しみ、悲しみ、怒りを覚えた。国際社会における日本人の名誉 を著しく傷つけた」と発言した。 今月の選挙のこともあり、日本の保守派は国の主要な中道左派の新聞を妨害 しようとしている、と分析家たちは言う。朝日は長い間日本の戦時中の軍国 主義についてより大きな補償をすることを支持しており、その他の問題につ いても安倍氏に反対してきた。しかし、二年前の選挙での壊滅的な敗北以 降、進歩的な野党はいまだに混乱の最中におり、朝日はますます孤立を深め ている。 また、安倍氏とその政治的支持者らは、朝日の災難につけ入りより大きな勝 負に出るために長い間待ち望んでいたチャンスを手に入れた。日本軍が何万 もの朝鮮人と他の日本人ではない女性たちを戦時中に性的奴隷として強制し たという、現在では国際的に認められた見解に関しての勝負である。 主流の歴史家の多くは、帝国軍が征服した領地の女性を戦闘における戦利品 として扱い、中国から南太平洋に渡って慰安所として知られる軍によって運 営された売春宿のシステムで働くよう彼女たちを取り押さえたことに同意し ている。 性行為を強制させられたと名乗り出た女性たちの中には、中国人、韓国人、 フィリピン人、そして当時はオランダ領であったインドネシアでとらえられ たオランダ人女性がいた。 日本軍が朝鮮の女性を誘拐したことや直接彼女たちを罠にかけることに関 わったことの証拠はほとんどない。というのも、朝鮮は戦争が始まる何十年 も前から日本の植民地であった。一方で、女性たちや彼女たちをサポートす る活動家たちは、女性たちがしばしば騙され、彼女たちの意に反して労働を 強制されたと主張する。 しかし、修正主義者たちは誘拐の証拠の欠如につけいり、女性たちが性奴隷 として監禁されていたことを否定し、慰安婦たちが単にお金を稼ぐために軍 隊についてくる売春婦であったと論じる。彼らの意見では、日本は長年の恨 みを晴らそうとする韓国によって画策された中傷合戦の被害者なのだ。 慰安婦問題の研究者が驚いたこととは、吉田氏が嘘をついていたという朝日 の結論ではなく――朝日は1997年に彼の証言を立証できないことを認めていた ――正式な撤回を公表することにこんなにも長く時間をかけたということだっ た。やっと行動を起こすことになった理由は安倍政府が朝日の記者を批判す るのにその記事を利用していたからであり、過去を清算することで攻撃を鈍 らせることを期待していた、と社員たちは言う。 代わりに、その戦略は非難の嵐を引き起こし、修正主義者たちが彼らの歴史 の形を追求するのに新しい機会を与えた。彼らはまた、外国の専門家たちが 信じられない思いで頭をかきむしるような主張を押し通そうとしている。そ れというのは、慰安婦が強制の被害者であると世界に説得したことに朝日だ けが責任を負う、ということである。 http://www.nytimes.com/2014/12/03/world/asia/japanese-right-attacks-newspaper-on-the-left-emboldening-war-revisionists.html?smid=tw-share&_r=2 ――――――――――――――――――――――――――――――――― ●6. 2014衆議院選挙全候補者アンケート and Web公開プロジェクトに ご協力ください。 【差別反対東京アクションとのりこえねっと共同実施】 http://ta4ad.net/wp/?p=471 差別反対東京アクション(以下、TA4AD)では、2014年1月に実施された東 京都都知事選挙および2014年4月に実施された練馬区長選挙において、全候 補者に対して人種差別撤廃政策に関するアンケートを送付し、返送された回 答をWebにて公開した。これは、有権者に対して人種差別撤廃政策という視 点からの投票の判断基準としてもらうことを目的とした。 東京都知事選挙では16候補者中7候補者、練馬区長選挙では4候補者中1候 補者が回答を寄せた。 【ゴールイメージ】 有権者の投票の判断基準は、けっして一つの問題(イシュー)だけで判断 できるものではない。しかし逆に一つの問題で投票先から除外することはで きる。このアンケートは誰に投票するかを判断するための情報提供を目的と はするが、おそらく十分な結果を提供することはできないと思われる。しか しながら、人種差別撤廃を望む市民が多くおり、候補者の言動を注視してい ることを候補者に伝えることで、一定の圧力効果を生むものと考えている。 前回の衆議院選挙の全候補者数は約1,500名。今回は新聞報道によると約 1,000名と思われる(http://www.asahi.com/articles /ASGCS4HZ4GCSUTFK003.html)。そのうち30%の候補者から回答を得ることを 目標とする。 また各政党のマニフェスト等からも、人種差別撤廃に関する政策を抜き出 して一覧とし、比例区投票の際の参考資料として提供する。 【実施方法】 1)全候補者に対してアンケートを郵送で送付(普通郵便)→実施済み 2)回答はFAXもしくはe-mailで受け取る(11/11〆切) 3)FAXの場合はefaxサービスを用いて、pdfデータの形式で受け取る。 4)pdfデータは入力者閲覧用Webサーバにアップロードし、ボランティアス タッフによってテキストデータ化を行う 5)テキストデータ化は、入力用Webを別途用意し、そこに候補者ごとに入 力をしてもらう。そのための入力ボランティアを広く募る 6)また、可能な限り候補者の選挙公報並びに各政党からの選挙公約の中か ら、人種差別撤廃に関わる内容を抜き出してテキスト化する 7)e-mailで送られた回答、および入力されたテキストデータは、TA4ADで 公開用Webにアップロードする。 【ボランティア申込方法】 入力ボランティアの皆さんには、そのためのサイボウズ(グループウェ ア)に招待し、そこで作業の進行や作業上の問題点などの問い合わせを受け 付けることにします。 ボランティア作業に必要なのはPCとネット環境だけです。人数が多く集ま れば、一人当たりの負担も減り、候補者からの回答を早く公開することがで きます。 ボランティアにご協力いただける方は、以下をメール本文にコピーして ta.for.ad@gmail.com までメールでお申し込みください。折り返しサイボ ウズへのご招待メールを送信させていただきます。よろしくお願いいたします。 --------- キリトリセン ---------- お名前(ハンドル名): e-mailアドレス: --------- キリトリセン ---------- ――――――――――――――――――――――――――――――――― ●7.学習会参加報告(11月20日 京都・龍谷大学) 第 5 回 龍谷大学ストーカー問題研究会 「ヘイト・スピーチ被害と被害者への救済支援について」 講師:新 恵里(アタラシ エリ)京都産業大学准教授 主に被害者支援政策に関する研究を行っている。 講師は、犯罪被害者支援の研究及び国内での犯罪被害者支援政策の実施に 関する第一人者であり、ヘイトスピーチやヘイトクライムという言葉がまだ 浸透していなかった1990年代から、アメリカのヘイトクライム被害や救 済支援に関する研究を行い、日本に紹介してきた。報告では、アメリカにお けるヘイトクライムの現状(犯罪の種類、スリル追求型・反応型・使命型・ 報復型といったヘイトクライムの類型など)、ヘイトクライム法の内容、代 表的なヘイトグループの種類、ヘイトグループ対策の他、アメリカでのヘイ トクライム被害の実態や被害者の支援に関する具体的な報告があった。日本 と同様、アメリカでもヘイトクライム被害者が捜査機関に被害届を提出する 割合は少なく(2割程度、二次被害を恐れるケースが多い)、実際に支援を 受けられる人は限られているが、様々な支援グループによるきめ細やかな支 援項目が準備されているため、支援グループとつながる(孤立しない)こと がまず重要である。ヘイトクライムにまで至らないヘイトスピーチによる被 害(デモやネットの書き込み等を見て精神的にダメージを受けるなど)につ いても、各種マイノリティ支援団体らがケアしている。 なお、アメリカでは、被害者支援団体が大小合わせて1万団体以上あり、 その多くが、大卒者を職員として複数名採用している。運営費用は、70% を州政府からの助成(罰金等をプールして配分)、30%を寄付で賄ってい る。支援団体の経済的基盤の充実が同活動を支えている。 感想: ヘイトクライム・ヘイトスピーチ被害支援を含め、アメリカのNPO活動は 大きく市民権を得ており、一方で日本ではボランティアが下支えして何とか 成り立っている、という事実を改めて実感した報告だったが、そんな中で も、アメリカの被害者支援政策を細かく研究し、それを日本の犯罪被害支援 センターでのボランティア育成に取り入れるなどして、実のある支援に向け 尽力している講師や同問題に関心をもつ人々とつながったことは、今後、 我々がヘイト被害対応を考えるにあたって、有益だったと思う。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 8.編集後記 吹雪の敦賀の海岸から京都の鴨川まで、今週末は寒い屋外の行動が続きま した。しかし気持ちまでは凍えていられない。今週末は衆議院議員選挙の投 票日です。ヘイトスピーチ・レイシズムと闘う議員を一人でも多く誕生させ たいです。その参考資料となるべく、各候補者アンケートを差別反対東京ア クションと共同で行っています。回答の入力に皆さんのお力添えが必要で す。ここ数日が勝負となります。ぜひボランティア申込をお願いします。 (か) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★メールアドレスのご変更等は、info@norikoenet.org までご連絡下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■のりこえねっと通信 0059号 2014年12月8日発行 info@norikoenet.org 発行:のりこえねっと事務局 運営団体:のりこえねっと 〒169-0072 東京都新宿区大久保2-7-1大久保フジビル 311 ペンの事務所気付 Tel.03-5155-0385/Fax.03-5155-0383 公式サイトURL http://www.norikoenet.org/ Twitter https://twitter.com/norikoenet ◆お問い合わせは、上記の公式サイト、最上部の各種 「お問い合わせフォーム」よりご連絡下さい。 (C) のりこえねっと All rights reserved. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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【のりこえねっと通信0057号】本日21時より『外国人労働者の現場では 周来友×安田浩一』放送です!
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【のりこえねっと通信0060号】本日21時より『衆議院選挙候補者ヘイトスピーチアンケートを実施して 中村美和×川原栄一』放送です。
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