■■■■■-ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク-
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■■■ のりこえねっと通信 0025号 2014年4月9日発行
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賛同者の皆さま のりこえねっと通信をお読みの皆さま
こののりこえねっと通信やのりこえねっとTVでは、浦和レッズの
「Japanese Only」の横断幕問題をお伝えしてきました。6日日曜日、無観客
試合後初のホームでの試合が行われました。この試合では、差別横断幕が向
けられたと言われた李忠成選手が2得点をあげるなど暗雲を吹き飛ばすよう
な大活躍をしました。
レッズは、差別横断幕事件の反省として、「Sports for Peace!」のスロー
ガンのもと、ビラを配布し、差別撲滅宣言の宣誓書をサポーターに配布し、
署名を呼びかけました。差別撲滅宣言は「人種、肌の色、性別、言語、宗教、
または出自などに関する差別的あるいは侮辱的な発言または行為を認めない
ことを宣言します。(中略)サッカーを通じて結ばれた仲間と共に差別と戦
うことを誓います」という力強いものです。多くのサポーターがこれを契機
にもう一度差別を考え、認めないことを願うものです。
〈今号の目次〉
1.4月9日のりこえねっとTVのお知らせ
2.4月2日放映ののりこえねっとTV報告
3.在特会・八木副会長が勤務先から懲戒処分
4.今後の反レイシズム情報
5.新聞・雑誌記事・Webより
6.編集後記
●1.4月9日のりこえねっとTVのお知らせ
★のりこえねっとTVは今月から午後9時スタートに時間が変更になりました
タイトル:ヘイトする人々の精神分析 香山リカ×辛淑玉
「殺せ!」「たたき出せ!」など、
普通ならなかなか言えない
言葉を叫んでデモをする人々・・・
この人達の心のウチには何があるのか。
何が彼らをそうさせるのか・・・
今回は精神科医の香山リカ氏をお招きして
ヘイトする人々の「心」に迫ります。
<出演者>
香山リカ(かやま・りか)
精神科医・立教大学現代心理学部映像身体学科教授。
北海道生まれ。東京医科大卒。豊富な臨床経験を生かして、
現代人の心の問題を中心にさまざまなメディアで発言を続けている。
専門は精神病理学。
NHKラジオ「香山リカのココロの美容液」でパーソナリティをつとめる。
北海道新聞(ふわっとライフ)、中日新聞(香山リカのハート・ナビ)、
毎日新聞(ココロの万華鏡)、創(「こころの時代」解体新書)
近著に『悲しいときは、思いっきり泣けばいい』(七つ森書館)、
『幸福の胸のウチ』(東京書籍)、
『安倍政権のネット戦略』 (共著・創出版新書)など。著書多数。
◎放送日時 4/9(水) 21:00-22:00
◎ニコニコ生放送入口URL http://live.nicovideo.jp/watch/lv175303474
◆視聴方法についてあらためて記載します。
【視聴方法】
▼初回にニコニコ動画に会員登録が必要です。(一般会員は無料です)
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フォンなどからもご覧頂けます。あらかじめタイムシフト予約をしていると
放映後1週間以内はいつでも見ることができます。
毎週水曜日21時から生放送です!!ぜひご覧下さい。
●2.のりこえねっとTV報告
◆4月2日放送
◎元右翼女子が斬るヘイトスピーチ 雨宮処凛×辛淑玉
今週ののりこえねっとニュース
・下村文科相「河野・村山談話は閣議決定していない」は間違い
・浦和「Japanese Only」横断幕掲示グループのリーダーはさいたま市職員
雨宮さんは、消費税増税が今週一番気になったニュースと語りました。
「バカだけど社会のことを考えてみた」
昨年9月の新刊「バカだけど社会のことを考えてみた」の題名が気に入った
という辛淑玉共同代表。もともと山本太郎参議院議員が「バカだけど選挙に
出てみた」という題名からとったとのこと。辛淑玉・雨宮の出会いは半年ほ
ど前、反貧困ネットワークから。「日本社会は社会問題を考えずにすむ稀有
な国だが、とても恐ろしいこと。自分自身むずかしいことが好きではないけ
ど、こういうタイトルで興味をもって考えてもらいたかった」と雨宮さん。
「この本を片山さつき議員に読んでほしい」という辛代表に、「自民党が政
権復帰後初めにやったことは生活保護費の削減。弱者切り捨ての方向に進ん
でいる」と雨宮さんは語った。「自分が厳しいからバッシングする。少しだ
け楽して良い目をみてるように見える人をたたく。どうやってもどう努力し
ても浮かび上がれないような人がバッシングする。ヘイトスピーチもその一
端」
「右翼団体に入って生きづらさが消えた」
辛淑玉代表から右翼団体になぜ入ったのかと聞かれたのに対し、雨宮さんは、
「戦後教育の価値観が問題なんじゃないかと生きづらさを感じていた頃、故
見沢知康氏と出会い、左翼と右翼の両方の集会に参加し、わかりやすかった
右翼団体に97年に参加したら、それは消えた」ところが「98年に小林よ
しのりの『戦争論』が出版され、私も最初は共感した。しかし特攻隊にあこ
がれ右翼でない同世代の若者の姿を見て、愛国心を消費する構造に疑問を感
じ冷め始めた」と語ります。
雨宮さんに大きな影響を与えた、見沢知康氏との思い出を「ものすごく一
生懸命生きた人だった」と辛さんが振り返ります。
「若者の在日化、外国人労働者化」
90年代に入ると、中高卒の若者がグローバル化でアジア人労働者と最低賃金
で競争する中で、疎外化する。その中で「日本人であること」にすがってい
く。真面目に頑張れば報われるという戦後教育の価値観がバブル崩壊で崩れ
ているときに、学校が教えなかった「靖国史観」に入っていった。職場や地
域に居場所がないので、いきなり国家に直結してしまったので、それで右翼
を選んだと、雨宮さんは90年代を自分の状況を通じて分析します。
反米が後景化するヘイト
辛さんは、90年代よりもっと嫌韓・嫌中の気分が進んでいると指摘。雨宮さ
んは今のヘイトスビーチ勢力と90年代右翼との違いは、敵がアメリカでなく
韓国・中国になってきている。中国・韓国に経済的に追い抜かされそうにな
っているので、アメリカに依存しなければならないことの裏返しなのかと語
ります。
「生きさせろ」反貧困運動
辛さんは雨宮さんが「生きさせろ」と言ったことの意義を指摘。労働者派遣
法が変わり、ますます派遣社員が増大し、雇用が劣化していくことの問題点
を指摘。雨宮さんは「反貧困運動をはじめて8年、積み上げてきたものもあ
るし、いろいろな問題点を知らしめたところもあるが、賃金が下がり続けて
おり、状況としては悪化してきている。安倍ノミクスと言われているが、周
りでその恩恵を受けている人はいない」と分析。
おしおき投票はまずい
この間の政治の流れを見ていると、「おしおき投票」(自民党におしおきす
るために民主党に、その逆も)することによって、人気投票となり、政治を
劣化させているのではないかと、雨宮さんは指摘します。辛さんはその象徴
として、原子力輸出の再開決定をあげました。
生きづらさの向こうに
雨宮さんは、「自分がすべて悪いんだと思い込まされている時、現実に対し
自分が無力だと思っていた20代までの時が一番つらかった。しかし少しでも
変えられるという、何とかましにすることができるという成功体験や一緒に
闘う仲間や活動家がいることで、楽になった」と語ります。
辛さんが、生身で語ることの重要さを指摘します。雨宮さんは、「在日もそ
うだし、生活保護受給者もリアルに知らないと一挙にモンスター化して、勝
手にレッテルを張っていることに驚き」と指摘します。
ヘイトスピーチをする人は友達にも同じことが言えるのかと雨宮さんは問い
ます。「奥様は愛国」(北原みのり・朴順梨)がとてもおもしろい本であり、
そこであらわれている女性像が、「女装している」という言葉で紹介し、日
本社会の抱える女性の置かれている状況をあらわしていると指摘しました。
最後に、ヘイトスピーチが現在の日本を考える象徴的な問題であり切り口な
ので、ここを入口に考え変えていきたいと雨宮さんの言葉で番組を締めくく
りました。
●3. 在特会・八木副会長、勤務先より懲戒処分に
在特会(在日特権を許さない市民の会)桜井誠在特会会長が存在感を放って
いるので、その陰に隠れることも多いのですが、副会長として長年にわたり
会の中心にすわり活動を進めていた八木康洋氏が、勤務先より在特会の人種
差別行為に加担したことを理由に、懲戒処分をうけることを、在特会のHP
で自ら明らかにしました。
http://www.zaitokukai.info/modules/wordpress/index.php?p=509
もとより時間外の政治活動を理由に懲戒処分にすることは許されることでは
ありませんが、明らかに表現や政治活動の自由の範疇を超える人種差別団体
に加担し、活動しているのですから、何らかの処分を受けることは当然だと
考えます。会社側(あえてこの場では記しませんが、東証一部上場の大手化
学会社で彼は研究員)は、適切な処分を下すと共に、その処分理由を公表す
ることで、企業として「レイシズムを許さない」ということを明らかにする
必要があります。
そして、全国でヘイトデモ・ヘイトスピーチの参加者は、そのような活動が
勤務先からの懲戒処分を受けるようなひどいことをしているのだと自覚し、
直ちにヘイトデモ・ヘイトスピーチ活動を中止するよう求めるものです。
なお先週この通信でとりあげたレインボータウンFM(東京・江東区)がレ
イシズム関係者を番組出演させていた問題ですが、5・6月の番組でも出演
させないことが明らかになりましたので、報告します。
●4. 今後の反レイシズム情報
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★公式サイト 学習会カレンダーにも順次掲載致します!
★http://www.norikoenet.org/workshop.html#callendar
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1)『九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響』出版記
念トーク 東京の路上で~レイシズム/ヘイトスピーチ/ジェノサイド
日時; 4月11日(金)20:00~
場所:カフェラバンデリア
新宿区新宿2-12-9 広洋舎ビル1F TEL:03-3341-4845
(都営三田線/大江戸線春日駅A2出口 徒歩0分)
出演:加藤直樹
1967年東京生まれ。法政大学中退。出版社勤務をへてフリーランスに。鹿
島拾市の名で、宮崎滔天や「蟻の街」をつくった松井桃楼、朝鮮人女性飛行
士の朴敬元など、近現代史上の人物論を中心に「社会新報」他の媒体に執筆。
『九月、東京の路上で』が初の著作となる。
料金:1ドリンクオーダー+投げ銭
※要予約 参加希望及びお問い合わせは模索舎までtel:03-3352-3557
2)4.13差別・排外主義にNO!第2回討論集会(再掲)
~ 攻撃された当事者は何を思う?私たちはどうつながるか?~
日時; 4月13日(日)13:30~
場所: 文京区民センター2A会議室
(都営三田線/大江戸線春日駅A2出口 徒歩0分)
報告:中村 一成さん(ジャーナリスト)
著書『ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件』(岩波書店)
金 哲敏さん〈弁護士〉
資料代:500円
主催:差別・排外主義に反対する連絡会 hannhaigaisyugi@gmail.com
3)反レイシズムセミナー “LIFE vol.4”
日時:4月27日(日)19時?21時
場所:大阪市北区民センター 第5、第6会議室 ※入場無料
テーマ:「慰安婦」問題ときちんと向き合う:名誉と尊厳を回復するために
スピーカー:能川元一(大学非常勤講師 哲学)
ブブ・ド・ラ・マドレーヌ(アーティスト)
るまたん(大学非常勤講師 社会学)
ITOKEN(C.R.A.C.WEST)
主催:反レイシズムユニット LIFE
●5.新聞・雑誌記事・Webより
1)差別撲滅宣言へ浦和OBも署名活動
デイリースポーツ 4月7日
2日のナビスコ杯大宮戦から実施している差別撲滅への宣誓書署名を求め
る活動を、福永泰氏や昨季限りで現役を退いた山田暢久氏ら浦和OBが行っ
た。
強風にもキックオフ直前までサポーターの列は途切れず、山田氏らは笑顔
で写真撮影の求めに応じていた。またクラブはこの日、7月5日に埼玉スタ
ジアムで山田氏の引退試合を行うと発表した。
http://www.daily.co.jp/soccer/2014/04/07/0006843372.shtml
●6.編集後記
在特会・八木副会長が勤務する会社の本社は、かつて新宿にありました。も
う25年以上前ですが、学生時代毎週清掃のアルバイトで通っておりました。
高層ビル街の上層階で、新宿を一望でき、ここに就職できたら毎日気分が良
いだろうなあと思った記憶があります。アメリカではヘイトスピーチを規制
する法律はヨーロッパとは違い存在しませんが、ヘイトスピーチを見る社会
の目は厳しく、在特会のようなヘイトスピーチをする人間が、大手企業の上
級職でいられることはまずありません。下記の例を見ればわかると思います。
つぶやき一瞬 台無し一生 米ネット 大手広報部長、炎上即解雇
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131225/amr13122509060004-n1.htm
私たちは、ヘイトスピーチを許さない 社会づくりを目指して活動を進めて
いきます。今後とも引き続きご協力をお 願いします。
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