目は口ほどにものを言う?
これは男女一対一でそれぞれ自己紹介をしていき、気に入った相手を見つけるイベント、スピード・デイティングの一種。まず会場に着くと、皆でそろってストレッチをしたり、音楽に合わせてダンスをしたりします。場の雰囲気が和やかになったところで、さらにリラックスするために前の人の肩に手をかけ、いわゆる「ムカデ競争」のようになり、肩をみなでマッサージ。これでだいぶ、打ち解けてきます。その後一組ごとのカップルになって向かい合って座り、何もしゃべらずにただ相手をじっと見つめること90秒。言葉は交わしてはいけないルールです。相手の表情や着ているもの、その人の醸し出す雰囲気や笑顔、心の中を覗くようにくまなく見つめたら、そのあと相手をチェンジ。同じことをすべての異性と繰り返すのです。
しゃべらないからこそ、感じる「何か」
見つめるということは、私たちに何か、心理的に大きな意味をもたらすことに間違いないようです。例えば以前紹介した「一目ぼれテクで恋に落ちた女性の話」にあるように、私たちには本能のようなものが働く「千里眼」といったものが、本当に存在するのかもしれません。甘い言葉やほめ言葉など、トレーニングさえすれば、口で言うことはなんでも可能です。その点「目は口ほどにものをいう」とはまさにその通り。視線はだましたり、嘘をつくことができません。ウィーンのカール・グラマー博士は、初めて出会う誰かの印象というものはすでに、数分もかからずに出来上がってしまうものと述べています。
「この人とはウマがあうな」と感じる人、それはどんな人でしょうか。同性であればきっと、なんでも話せて、信頼できる友達。しかし異性となると、少し話は変わるかもしれません。居心地の良い、一緒にいても疲れない人? ノリの良さや笑うツボ、だまるタイミングなども同じ、自分に似た人でしょうか? 誰かを見つめるだけでその心の底をすべて覗くことができたなら、スピードデイティングは必要なかったかもしれませんね。
[Brigitte]
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