アフリカの光と影
私たち人間を魅了するアフリカ。どこまでも広い大地に大きな太陽、たくさんの動物たちの野性とたくましさに魅かれ、毎年多くの旅行者がやってきます。冬でも温かく、人もストレートで朗らかで食べ物もおいしい。季節を関係なく訪れることができるところも魅力です。そしてアフリカにとっても、そんなツーリズムは非常に大事な財政源でもあります。しかし同時に、ここ南アフリカはシロサイとクロサイが最も多く生息する地。つまりは終わりのない密漁を意味し、その戦いは、世界中で周知の事実です。ユマ・サーマンもその悲劇に心を打たれたひとり。増え続ける一方の密猟を食い止めようと、政府はイギリスの団体「ワイルダネス・サファリ」などの支援を受け、危険な南アフリカのグレーター・クルーガー自然公園から、より安全なボツワナにサイを避難させる活動を行っています。そしてユマ・サーマンも今回その活動に同行、世界中に現状をより知ってもらうために、広告塔としてサポートをしました。
利益のために自然破壊する人々
サイを捕獲、生きている間にツノを切るという非常に残酷な手口でツノを密猟する人々。その背景には精力をつけるとした漢方薬として人気があるからです。またアジアのパーティーシーンでは、粉状のものはコカインと同じように破格にて取引されているといいます。そして自然公園でコントロールを厳しくすればするほど、これらのツノの価格がブラックマーケットにて高騰(大きなものは億単位の価値を持つ)、希少なためにますます需要が伸びてゆく、という負のスパイラルが続きます。
これらの密猟が食い止められなければ10年で絶滅するといわれているサイ。様々な団体の努力をしても、ますます増えていく密猟には、一日約4から5頭のペースで殺されるという悲しい事実があります。犯罪組織による密猟は、動物に対するテロ行為のようなもの。すべての動物にとって安全に暮らせる場所を用意することも、私たち人間の役割なのではないかと意識を持つ必要があるのではないでしょうか。
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