棚田を歩いてみると、からだいっぱいに大地の豊かさを感じられます。
山からの清流が勢いよく棚田に流れ込み、稲穂がいきいきと風になびく姿は、日本の原風景。
金色の稲田は、あたたかく穏やかな気持ちになれる場所。田んぼに囲まれて育った私にとっては、幼い日に戻ったような、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。
棚田となっている一帯は、その昔、茅場(かやば)として使われていた土地だったそうで、当時の食糧難を乗り越えるために棚田作りがすすめられたのだとか。
忠犬ハチ公の飼い主である上野英三郎氏の著書をもとに、馬耕による稲作を前提として築かれたそうで、長方形が均一に並んだ棚田は全国的にも珍しく、近代土木遺産としての価値が高いことから「国の重要文化的景観」にも指定されています。
ちなみに、坂元棚田では日南市が「棚田オーナー制度」を実施していて、希望すればここで自分のお米を育てることもできるのだそう!
春から秋にかけて色合い美しい坂元棚田。稲穂が金色となる季節は、彼岸花も可憐に咲き誇ります。
ここは、日本がもつ豊かな水資源と緑を感じられる、とにかく美しくて気持ちのいい場所!
南九州を巡ることがあれば、ぜひ訪れてほしいところのひとつです。
撮影/米田将史