ハワイ各地にはたくさんの聖地があり、祭壇やヘイアウ(神殿)にはさまざまな捧げものが供えられているのを見かけます。せっかく聖地を訪れたのだから、何か捧げたいと思うのは自然なことだと思いますが、正式な作法やルールを知らない場合はどうしたらよいでしょうか。 ものを捧げるのではなく、言葉と祈りを

「最良の捧げものは、その人のアロハの心と息(ha)、そして言葉(olelo)です」と語るのは、ハワイ文化の専門家、レイレフア・ユエン氏。ユエン氏は、自身のウェブサイトで捧げものについて詳しく解説しています。

ハワイアンにとって「息」とは、愛や命のエネルギーを伝達するとても重要なもの。言葉を発するときは、息を吐くわけですから、祈りの言葉を通じて、アロハの想いを伝えることができるというわけです。自分の言葉で祈りを捧げることが、最もよい捧げものなのです。

ユエン氏によると、ハワイの伝統的な捧げものには、場所や目的によってとても細かい決まりがあるため、専門家の指導を受けていない人は捧げものをするべきではないとのこと。基本的に、指輪などのアクセサリーや写真、髪の毛など個人の所有物を捧げるのは厳禁。お金やお酒もNGです。フラを捧げたい場合も、地元の専門家の指示をあおぐことが推奨されています。

聖地には何も残さず、何も取らない

環境保護の面からも、自然の中にモノを残すことは問題になっています。例えば、食べ物は動物を引き寄せるもとになりますし、プラスティックや金属は自然に分解されません。花やレイなどの植物は、自然に還るとはいえ、大量に持ち込むと分解されるのに時間がかかるうえに、持ち込みが禁止されている外来種の種子がまぎれこみ、繁殖してしまう場合もあるのです。

また、記念に石や砂を持ち帰るのも厳禁! 自然物の持ち出しが法律で禁止されている場所もあるので注意が必要です。

「聖地には何も残さず、何も取らない。残すのはアロハの心だけ」。聖地を訪れるときは、そのことを心にとどめておきたいものです。

[Kaahele Hawaii]

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