本のなかでは、タカやペンギン、カラスやコウノトリなどの鳥がさらに3つのパターンにわけられています。ペンギンはペンギンでも、尽くすペンギン、かたくななペンギン、乙女なペンギンなど。つまり10の鳥×3=30パターンで人間関係の相性を診断できるのです。
たとえば、辛抱強いペンギンと、周囲に明るい空気をつくることが大事で仕事が中途半端になりがちなカナリアの場合。
我慢強いペンギンは付き合っているうちにだんだんカナリアの八方美人でいい加減なところが許せなくなり、つい説教癖が。その結果、カナリア自身も息苦しくなり、不機嫌な時間が増えることに。
(『トリココ―幸せを見つける性格診断』P35より引用)
カナリア型の人にとってみれば、(さっきまで普通に接してくれていたのに、急に説教して怒るなんてどうして?)と思うことも、ペンギン型にとってはずっと我慢していてその堪忍袋の緒が切れただけ、ということかもしれません。
いい人なのに対立してしまうパターン
もうひとつ別のケースとして、ふたりともいい人なのになぜか対立しがちな場合。それはコウノトリとツバメかもしれません。
母性的な優しさでみんなをまとめようとする面倒見のいいコウノトリと、強いリーダーシップでみんなをまとめようとするツバメは、主導権の奪い合いやリーダー論の違いで対立する可能性が大。
(『トリココ―幸せを見つける性格診断』P39より引用)
自分にとっては当たり前のことでも、相手には当たり前じゃないことがあります。自分がいちばん大切にしていることが、相手には理解できないことだったりします。
対人関係を見直すきっかけに大切なのは、理解し合えないとか、相性が悪いからしょうがないと諦めるのではなくて、「自分はコウノトリだから、ツバメの人と正面から張りあってもラチがあかないのも当然。別のやりかたでコミュニケーションしてみよう」と対処法を考えることだと思います。
最後に、著者である名越康文さんはこう書かれています。
この本における実践というのは性格に納得することではなく、そこで知った自分の傾向を対人関係の中で使用するということ。
(『トリココ―幸せを見つける性格診断』P135より引用)
鳥モデルで分析していくと、深刻な人間関係も楽しみながら乗り越えていける、トリココはそんな気持ちをくれるやさしい性格診断書です。
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