『pink』『リバーズ・エッジ』『ヘルタースケルター』など、80年代から90年代にかけて絶大な人気を誇ったマンガ家・岡崎京子さん。1996年に不慮の事故により活動を休止しますが、その後も未刊作品の出版や復刊が相次ぎ、2012年には沢尻エリカさん主演で『ヘルタースケルター』が映画化。彼女の人気は衰えることを知りません。
岡崎京子さん、初の大規模展覧会!『リバーズ・エッジ』カバー原画 ©岡崎京子/宝島社
1月24日(土)から世田谷文学館でスタートする展覧会「岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」。300点以上の原画をはじめ、学生時代のイラストやスケッチ、80年代から90年代の時代を画した掲載誌の数々や、映画版『ヘルタースケルター』などの関連資料も数多く出品されるそう。彼女の世界がひと目でわかる、注目の展覧会です。
「リアルな女の子」のエッセンスが凝縮『へルタースケルター』扉原画 ©岡崎京子/祥伝社フィールコミックス
それまでのお花畑のような少女マンガとは違い、もっとリアルで、ときに痛さや不安なども描かれる岡崎京子さんの作品。「こんな女の子でもいいんだ!」と共感や安心感を与えてくれると同時に、憧れや真似したいおしゃれのセンスもたくさん詰まっていました。
中学・高校生のころ、彼女の作品がバイブルだったという人も多いはず。わたしは、ボリス・ヴィアンの作品をマンガ化した『うたかたの日々』が好きなのですが、あんなに現実離れした内容が、インパクトのある画といっしょに見事にまとめあげられていることに感動したことを覚えています。
マンガ界を超えた存在『うたかたの日々』原画 ©岡崎京子/宝島社
80年代から90年代という、東京のサブカルチャーが熟成した時代性ともあいまって、多くの著名人にも影響を与えた岡崎京子さん。
今回の展覧会の公式カタログでは、よしもとばななさん、小沢健二さんらによるエッセイ、桜沢エリカさん×安野モヨコさん×しまおまほさんによる鼎談など、多ジャンルの作家による「岡崎京子トリビュート作品」が掲載されることになっています。
関連イベントでは、60年代ガールズムービーの決定版として知られる映画『ひなぎく』の上映や宮沢章夫さんによるレクチャー、「"90年代"ZINEをつくろう!」というワークショップまで開催。今でもまったく色あせない彼女の作品を、いろんな角度から楽しむことができそうです。
展覧会のタイトルが「戦場のガールズ・ライフ」なんて、それだけでワクワク。年を重ねても、やっぱり女性に生まれてよかったなあと思えるはずですよ。
[岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ]
場所:東京都世田谷区南烏山1-10-10 世田谷文学館
日時:1月24日(土)~3月31日(火)
TEL:03-5374-9111
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の時はその翌日)