最近では、スカイツリー見物とあわせ、墨田区が誇る「ものづくり」技術を堪能する散歩が、新しい楽しみ方になっているようす。実際に見ることができる、代表的な「すみだブランド」をいくつか紹介したいと思います。
家紋も職人の手にかかれば文房具に塩澤製作所 錺画鋲 10,800円
昭和16年から御輿や神社仏閣の錺(かざり)金具をつくり続けてきた塩澤製作所による、家紋があしらわれた画びょう。1600年の歴史を持つ鏨(たがね)の技術と、平安時代から続く家紋の文化を未来に伝えたいという想いが、直径1cmの画びょうのなかに込められています。
人形技法から生まれた小箱塚田工房 Kimekomi 絹絵 北斎紋様 6,480円より
桐の粉を固めた人形の素地に筋溝をつけ、そこに着物に見立てた布地をはさみこんで仕上げる、日本古来の人形技法「木目込」。この技術を応用してつくられた絹絵の桐箱は、1841年から続く木目込人形の老舗、塚田工房によるもの。自然の素材でつくられたアートな小箱は、どの国のお部屋にもなじみそうです。
日本の伝統と最新技術がコラボした食器東向島珈琲店 抹茶リオレ 450円
米を牛乳で煮るフランスの素朴なおやつ「リオレ」は、区内の職人たちによる技術とアイディアがつまった食器で。渦をイメージした涼やかな器は、硝子作家井上剛さん(硝子企画舎)の作。人工骨の技術で舌と手になじむスプーンは、無人深海探査機「江戸っ子1号」の開発にも貢献した浜野製作所が製作しました。
東京に住んでいても、まだまだ知らない文化がたくさん。紹介したものをはじめ、スカイツリー周辺には、墨田区ならではの工房や飲食店が数多くありますので、ぜひ散策してみてください。
Tokyo Sky Tree via shutterstock