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100年後もこの町で愛されるドレッシングを。異国で紡ぐふたりの夢

2014/11/23 23:30 投稿

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近年、フード業界の発展がめざましく、国内外から注目を集めるブルックリン。特におすすめしたいのが、週末に開かれるファーマーズマーケット。さまざまな食材店が集まるなか、ある日本人夫婦がつくるドレッシングブランドがあります。その名は「MOMO dressing」。つくっているのは、百瀬勝基(まさき)さんと由紀美(ゆきみ)さん。おふたりの出会いから、今後の夢まで、ドレッシングに込められた想いをうかがいました。 人気ドレッシング誕生秘話

百瀬勝基(まさき)さんと由紀美(ゆきみ)さん。今回は、勝基さんにお話をうかがいました。

――MOMO dressingはどのようにして生まれたのでしょう?

1軒のファーマーズマーケットからのスタートです。正直に言うと、ファーマーズマーケットと呼ぶには小さく、まるで日曜日のバザーと言う感じでした。そのバザーに出ていたファームスタンドで地元の採れたて野菜を仕入れ、ドレッシングを作りました。そして、彼らのスタンドの隣で売り始めたのが、私がアメリカへ来てすぐのこと、2009年の夏でした。

――ドレッシングはどんな点にこだわっていますか?

ドレッシングの原料には、大量の野菜、果物を使います。これもファーマーズマーケットで始めたことが大きいと思います。新鮮で安全な地元の原料をできるだけ使わせてもらうこと。これにはこだわっています。

――もともと食に関わる仕事をしていたのでしょうか

十代の頃から、将来は自分の商売をしたいと思っていました。日本に住んでいた頃は、ずっと飲食業に従事していたこともあり、いつのまにか、民宿経営の夢から、食に関することで商売をしたいと考えるようになったと思います。由紀美は、栄養士学校を出てから、京都の保育園で栄養士として、子どもたちのご飯を作る仕事をしていました。子供のころから、料理を作ること、料理で人びとに喜んでもらうことを人生の大きな喜びと感じていたようです。

――おふたりの出会いのきっかけは?

当時通っていた英語学校で知り合いました。最初は、友人でしたが、頻繁にご飯を一緒にしていました。結婚の決め手は、お気に入りのコリアンレストランで食べたかった物が全く一緒だったことです。僕が密かに食べたかったシーフードパンケーキを、彼女が黙ってオーダーしたときに「結婚したい」と本当に思いました。私たちはふたりともアメリカが大好きです。とてもシンプルですが、これが、今ここに住んでいる理由です

食に対するフィーリングがぴったりの百瀬夫婦。おいしいドレッシングはふたりの味への抜群のセンスが生み出しているようです。

まずは目の前のお客さんに喜んでもらう

――地域との関わりはどうですか?

なによりもこだわっているのは、地域に根付くことです。商売をさせてもらっていて、いつも心がけているのは、ファーマーズマーケットに買いにきてくれるお客さんにジャストミートさせること。目の前のお客さんにまず喜んで貰える商品を。この一点です。目の前の人が喜んでくれると、その人の子ども、隣の家の人など少しづつ輪が広がっていく、と考えています。

100年後もこの町で愛されるドレッシングを

苦労した点は特にない、という百瀬さん。「たまに仕事が上手くいかず、元気がないときも、常連さんからあたたかい言葉をかけてもらったり、応援の言葉を多くもらう。これが、商売を地域の皆さんにさせてもらっていると考えるようになったきっかけ」だと言います。地域のかたとのこんな素敵なエピソードも。

ちょうど昨日の話なのですが、ブルックリンのファーマーズマーケットでドレッシングを売っていると、小学生の男の子が3人、手にお金を握りしめてドレッシングを買いに来たんです。それぞれ1本ずつ。きっと少ない小遣いのなかから買ってくれているのだろうからと、1ドル値引きしてあげました。するとひとりの子が「ありがとう。ではこの1ドルはあなたへのチップです。いつも美味しいドレッシングを作ってくれてありがとう!」と言って帰っていきました。こんな話がめずらしくなくて、僕たちふたりのエネルギーの源泉になっています。

現在、MOMO dressingは、マンハッタンやブルックリン、そしてロングアイランドのファーマーズマーケットで毎週販売しています。また、ブルックリン近郊のスーパーマーケットでも購入することができます。最後に、おふたりの展望をお聞きしました。

始めたころからのふたりの夢は、100年後もこの町で愛されるドレッシングです。もっと地域に深く深く根付いていって、なくてはならない商品、会社になれるよう、努力していきたいです。昨日買ってくれた少年たちが親父になったとき、彼らの冷蔵庫には、変わらずMOMO dressingがいつも入っているそんなことを毎日夢見ながら仕事と向かい合っています。

[MOMO dressing]

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