満たされないこころに響く絵本サプリ

肌荒れや疲れなど、体の「足りない！」は、サプリメントで補給できます。でも、不安や元気不足など心の「足りない！」はどうすればいいの？ そんなとき見つけたのが、この3冊の絵本でした。

『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』は、一人でちゃんと眠れるかな？と心細い思いをしている少年に、ふとんたちが「おれにまかせろ！」と言葉をかけてくれる、頼もしさ100％の絵本。私たちは一生懸命に仕事をしていても、「ちゃんとできるかな？」という不安は消えないもの。この絵本は、そんな行き場のない不安を抱くわたしに「大丈夫だ、おれがついている！」と寄り添ってくれる、不安軽減サプリです。

まかせろ　まかせろ　おれにまかせろ　あしたのあさまで　おれにまかせろ

『かけぶとんさん しきぶとんさん まくらさん』（P22、23より抜粋）

『おおかみだあ！』は、ページをめくるごとにおおかみがグングン「こちら」に近づいてくる絵本です。そんなおおかみから「私」が逃げるためには、絵本を縦にしたりひっくり返したりしなければならず、最初は逃げる一方でも、しだいに「冒険のハンドルを自分が握る」ことに夢中になってしまいます。「最近チャレンジしてないな」と何となくエネルギー不足気味のときに、冒険心を補給してくれるわくわく補給サプリです。

『知らざあ言って聞かせやしょう』は、歌舞伎の人気演目「白波五人男」に出て来る盗人・弁天小僧の有名なセリフを絵本にしたもの。弁天小僧は追い詰められるも、追手を前に開き直って面白おかしく自分の泥棒人生を語り聞かせ、そのユーモア力に追手は呑まれて、彼を逃がしてしまいます。この絵本は、うまくいかないことを抱えて追い詰められたとき、ユーモアで応じる力をくれる、ユーモア注入サプリと言えます。

知らざあ言って聞かせやしょう。浜の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の、種は尽きねえ七里ヶ浜、その白波の夜働き、

（『知らざあ言って聞かせやしょう』P1〜５から引用）

この3冊はどれも、声に出して読んでみると、自分の体にダイレクトに言葉が響いてきて、目で読んだ時とはまた違う力がもらえます。

[『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』、『おおかみだあ！』、『知らざあ言って聞かせやしょう』]

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