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ある派遣社員の女性が書いた、勇気にあふれる物語

2014/10/22 00:00 投稿

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日々の暮らしを退屈なものにするのも、意欲的なものにするのも、自分次第。だからこそ今ある環境のなかで、精一杯挑戦したくなる。そんな勇気が湧いてくる1冊が「暮らしの小説大賞」第1回受賞作となった『ジャパン・ディグニティ』です。

コツコツと未来を切り開いていく

自分に自信がもてず、仕事も人付き合いもうまくできないスーパーのレジ係である主人公が、クレーマーに苛まれてとうとうスーパーを辞め、無職からやがて、津軽塗りの世界に本格的に入ることを決めます。伝統工芸を通じて、生き方を学び、未来を切り開いていく女性の、真面目でコミカルで、どこか力の抜けた日々を描く、北国ものづくり小説です。

著者は昭和55年生まれ青森在住の派遣社員、髙森美由紀さん。ほとんど町内から出たことがなく、生活圏内は半径2キロほどという生活のなかで、この小説が誕生しました。

自信を持てる日が私に来るんだろうか、と思っていた

津軽塗りでできた艶のある品々の口絵写真からはじまる、この1冊。読み進めていくにつれ、なにげない日常のなかから溢れる静かな力強さを感じるようになります。そして終わりのほうには、こんな一文がありました。

自信を持てる日が私に来るんだろうか、と思っていた。

(『ジャパン・ディグニティ』P325より)

「思っている」のではありません。もうそれは過去形なのです。この一文に勇気をもらい、本を閉じた瞬間、私も何かに挑戦したくなりました。

[第1回受賞作『ジャパン・ディグニティ』|暮らしの小説大賞]

paper crane via Shutterstock 

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