ハワイでシャークアタックが激増しています。1990年から2011年までに発生したシャークアタックは年間平均2~4件でした。ところが、2012年は10件に急増。2013年は14件もの事故があり、2名が死亡しています。今年に入ってからは、ワイキキ・エリアにもサメが出現! 3回もサメが確認されています。
サメの被害に合わないためになぜこれほどサメに襲われる事故が増えているのでしょうか?
地元紙に掲載された科学者の報告によると、何百匹ものサメにタグをつけて大規模な生態調査を行っているものの、サメの個体数はとくに増えていないとのこと。また、水温や環境の劇的な変化は見られないといいます。
一般的にこのシャークアタックの急増は、海に入る人が増えたのが一番の原因と指摘されています。また、海ガメの数が増えており、カメを捕食するサメが岸に近づき、間違えて人間を襲っている可能性も否定できません。とはいえ、ハワイでサメに襲われる可能性は100万人に1人程度です。
サメを避ける基礎知識としては、ひとりで海に入らない、水がにごっているときは海に入らない、コントラストの高いスイムウェアやジュエリーを身につけない、夕暮れから夜、夜明けには海に入らない、などが挙げられます。
ハワイアンにとってサメは神聖な存在サメ皮のドラム
サメには「恐い」イメージがありますが、ハワイアンにとってサメはとても重要な存在でした。サメは力の象徴として王族に好まれ、肉は食用に、歯は武器やナイフに、皮は儀式用のドラムにと活用されてきました。神話にはサメの神さまが多数登場します。パールハーバーもサメの神さまの住む場所として有名でした。
また、ハワイアンは家系ごとに守り神「アウマクア」をもっており、サメは「アウマクア」のひとつと見なされていました。サメをアウマクアとする家系では、すべてのサメは家族の守り神として大切にされていたのです。この習慣はいまでも受け継がれています。
[Hawaii Sharks,Star Advertiser]
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