私たちにとって、仕事は人生の大切な一部。これからの働き方を考えると、他の人の仕事も覗いてみたくなります。
今まで出会ったことがないような仕事を持ち、誇りを持ってイキイキと仕事と向き合う女性たち。そんな大和撫子たちの仕事の扉を開いてみました。
今回の大和撫子は、宮崎県北部の諸塚村で、ウッドピア諸塚に勤める見原敬子(みはらけいこ)さん(33歳)。
まわりの空気が和む柔らかな印象の女性ですが、その仕事は……
「高校を出てから15年間、森に入り、林業に携わっています」
毎日山に入り、春は植林や地ならし、夏は下草を刈り、秋からはしいたけ栽培の原木となる木材の伐採や、伐採に至るまでの根ざらい(木の根元の小さな木や草を刈ること)をするのが主な仕事です。
写真中央が仕事中の見原さん。
諸塚村は美しい森に育まれ、村ぐるみで世界森林認証(FSC)を取得するなど、まさに森と共に生きている村です。
その諸塚村で、林業を仕事とする女性は、見原さん一人とのこと。
■最初は半ば強制的に始めた仕事でした
諸塚村出身で、村外で暮らしたのは高校の3年間のみ。
高校を卒業してすぐに、この仕事に就いたそうですが、もともと希望していた仕事をだったのですか?
「本当のことを言うと、半分実家からの強制でした。父も林業家で、わたしはひとりっ子なので、家を継いでほしいという気持ちがあったのだと思います。高校を卒業する時に他の仕事をとも思いましたが、結局押し切られました(笑)」
■負けたくない一心で続けるうちに、仕事が面白くなっていました
そのような形で就職が決まり、その上、職場に女性は見原さん一人。
抵抗はありませんでしたか?
「最初は、日ごとに違う作業で男性についていくだけで精一杯。とにかくがむしゃらでした。抵抗というものはなく、見るもの聞くもの、することも全部新鮮でしたね」
これまでの15年間、順調だったのでしょうか?
「いえ、2〜3年目には、同僚との体力の差も出てきて、なかなか着いていけなくなり、これはダメかもと思いました。
でも、負けたくなくて。
だから、仕事でもう一人必要になったら自分が呼ばれるくらいまでにはなろうと。作業の仕方を工夫しながらがんばるうちに、いつのまにか仕事をがおもしろくなっていました」
■一番のやりがいは、自分のしたことが目に見えてわかること
負けず嫌いで、前向きだったからこそ続けられた仕事。
続けていく中で、やりがいを感じる瞬間はありますか?
「始めた当初から、よく頭で考えるな、体で覚えろと言われました。最初はどういうことか分からなかったのですが、何年か続けるうちに、まず体が動くようになり、こういうことなのかなと感じるようになったんです。今でも、1日の作業が終わった時に自分のしたことが目に見えて分かるのが、一番のやりがいです。」
諸塚で取材中、森で仕事をする人は、必ず山の神様にお神酒をあげている姿が印象的でした。
「はい。私は新しい現場に入るとき、必ず機械にお神酒をあげています。失敗しないようにと祈って。これをすると、心が落ち着くんです」
人の力だけではどうにもならない“自然”が相手。とくに木や森は、何十年という年月をかけてカタチになることが多いからこそ、応えてくれたときの喜びはひとしおです。
■林業は応用が利く仕事。諸塚ならオーガニックな暮らしもできます
見原さんが感じる林業の魅力、諸塚村で暮らす魅力ってどんなところでしょう?
「林業ってビックリするくらい応用が利く仕事。これを覚えておけば、大抵の農作業などは迷いなくできるし、他の仕事にも活きてきます。
諸塚は水がおいしいし、食事は自給自足、しかも無農薬のものを作ることができます。体が元気になるライフスタイルを自分で見つけられるところが大きな魅力です」
見原さんのご自宅では、お米はもちろん、野菜に至るまで無農薬にこだわり栽培していて、山に自生したお茶を摘みに行くこともあるそう。
最後にこっそり夢を聞いてみました。
「林業は体を大切にしながらできる限り続けたいですが、夢は結婚して、実家の畑から採れた野菜や村の特産品を使ってスイーツを作って販売してみること!」
ちなみに見原さんは現在、彼氏募集中。
我こそはという男性は、見原さんが暮らす諸塚村で、これからの生き方・暮らし方を考える6日間の「山里暮らし体験プログラム」が開催されるので、その際に、関係者の方にこっそりお伝えくださいませ。
もちろん、女性の参加もOKです。
[山村体験モニターツアーin 宮崎県諸塚村]
text by 渡部えみ
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グリーンライター。書籍編集、転職・派遣サイト等のコンテンツ企画・制作、心とカラダにいいことを発信するモバイルサイトのプロデュースなどを経験。現在、オーガニックコットンブランドの広報とともに、選ぶのが楽しくなるグリーンでエシカルなモノ・コトを文字で広める「グリーンライター」として活動中。「どうせ選ぶなら、自然にも社会にも、もちろん自分にもいいものを」がモットー。最近念願の手織りを始め、織っている間の“無”の感覚に癒される毎日。
photo by 編集部
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まわりの空気が和む柔らかな印象の女性ですが、その仕事は……
「高校を出てから15年間、森に入り、林業に携わっています」
毎日山に入り、春は植林や地ならし、夏は下草を刈り、秋からはしいたけ栽培の原木となる木材の伐採や、伐採に至るまでの根ざらい(木の根元の小さな木や草を刈ること)をするのが主な仕事です。
写真中央が仕事中の見原さん。
諸塚村は美しい森に育まれ、村ぐるみで世界森林認証(FSC)を取得するなど、まさに森と共に生きている村です。
その諸塚村で、林業を仕事とする女性は、見原さん一人とのこと。
■最初は半ば強制的に始めた仕事でした
諸塚村出身で、村外で暮らしたのは高校の3年間のみ。
高校を卒業してすぐに、この仕事に就いたそうですが、もともと希望していた仕事をだったのですか?
「本当のことを言うと、半分実家からの強制でした。父も林業家で、わたしはひとりっ子なので、家を継いでほしいという気持ちがあったのだと思います。高校を卒業する時に他の仕事をとも思いましたが、結局押し切られました(笑)」
■負けたくない一心で続けるうちに、仕事が面白くなっていました
そのような形で就職が決まり、その上、職場に女性は見原さん一人。
抵抗はありませんでしたか?
「最初は、日ごとに違う作業で男性についていくだけで精一杯。とにかくがむしゃらでした。抵抗というものはなく、見るもの聞くもの、することも全部新鮮でしたね」
これまでの15年間、順調だったのでしょうか?
「いえ、2〜3年目には、同僚との体力の差も出てきて、なかなか着いていけなくなり、これはダメかもと思いました。
でも、負けたくなくて。
だから、仕事でもう一人必要になったら自分が呼ばれるくらいまでにはなろうと。作業の仕方を工夫しながらがんばるうちに、いつのまにか仕事をがおもしろくなっていました」
■一番のやりがいは、自分のしたことが目に見えてわかること
負けず嫌いで、前向きだったからこそ続けられた仕事。
続けていく中で、やりがいを感じる瞬間はありますか?
「始めた当初から、よく頭で考えるな、体で覚えろと言われました。最初はどういうことか分からなかったのですが、何年か続けるうちに、まず体が動くようになり、こういうことなのかなと感じるようになったんです。今でも、1日の作業が終わった時に自分のしたことが目に見えて分かるのが、一番のやりがいです。」
諸塚で取材中、森で仕事をする人は、必ず山の神様にお神酒をあげている姿が印象的でした。
「はい。私は新しい現場に入るとき、必ず機械にお神酒をあげています。失敗しないようにと祈って。これをすると、心が落ち着くんです」
人の力だけではどうにもならない“自然”が相手。とくに木や森は、何十年という年月をかけてカタチになることが多いからこそ、応えてくれたときの喜びはひとしおです。
■林業は応用が利く仕事。諸塚ならオーガニックな暮らしもできます
見原さんが感じる林業の魅力、諸塚村で暮らす魅力ってどんなところでしょう?
「林業ってビックリするくらい応用が利く仕事。これを覚えておけば、大抵の農作業などは迷いなくできるし、他の仕事にも活きてきます。
諸塚は水がおいしいし、食事は自給自足、しかも無農薬のものを作ることができます。体が元気になるライフスタイルを自分で見つけられるところが大きな魅力です」
見原さんのご自宅では、お米はもちろん、野菜に至るまで無農薬にこだわり栽培していて、山に自生したお茶を摘みに行くこともあるそう。
最後にこっそり夢を聞いてみました。
「林業は体を大切にしながらできる限り続けたいですが、夢は結婚して、実家の畑から採れた野菜や村の特産品を使ってスイーツを作って販売してみること!」
ちなみに見原さんは現在、彼氏募集中。
我こそはという男性は、見原さんが暮らす諸塚村で、これからの生き方・暮らし方を考える6日間の「山里暮らし体験プログラム」が開催されるので、その際に、関係者の方にこっそりお伝えくださいませ。
もちろん、女性の参加もOKです。
[山村体験モニターツアーin 宮崎県諸塚村]
text by 渡部えみ
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グリーンライター。書籍編集、転職・派遣サイト等のコンテンツ企画・制作、心とカラダにいいことを発信するモバイルサイトのプロデュースなどを経験。現在、オーガニックコットンブランドの広報とともに、選ぶのが楽しくなるグリーンでエシカルなモノ・コトを文字で広める「グリーンライター」として活動中。「どうせ選ぶなら、自然にも社会にも、もちろん自分にもいいものを」がモットー。最近念願の手織りを始め、織っている間の“無”の感覚に癒される毎日。
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