断食とは「必要最低限の生活をし、それでも満足する」食欲という欲を克服するための修行。身体を浄化し、食の大切さを再認識するとして、取り組む人も増えています。
カラダだけじゃない! お金の断食
ところで、この断食をお金に当てはめた「お金の断食」なるものもあるそうです。「お坊さんマネーコーチが教える お金にとらわれない生き方」によると、「お金の断食」をすることで、貯蓄しやすい体質になるのだそう。
この本は「お坊さん投資家/お坊さんマネーコーチ」として活動する佐藤颯融氏がブッダの教えに基づいて、お金との付き合い方を伝授しているものです。
仏教では、様々なストレスを引き起こす諸悪の根源を「煩悩」と言い、その中で最も根源的なものを三毒「貪(とん)・瞋(じん)・癡(ち)」と呼びます。お金は、この三毒の力をさらに高めてしまう、そんな触媒としての側面もあるのです。
煩悩の根源である三毒
「貪(とん)」:欲にまみれて必要以上に求めること
「瞋(じん)」:怒りや嫉妬
「癡(ち)」:迷い、真理を見失ってしまうこと。
「お金の断食」で三毒をマネジメント
たしかにお金は三毒を高めてしまう存在といえます。でも逆にいえば、三毒をマネジメントすることで、お金にとらわれずに本当の豊かさを手に入れることができるということ。その方法としてこの本で紹介しているのが「お金の断食」です。「お金の断食」の実践方法は以下のとおり。
「お金の断食」の実践方法
(1)まず、「なぜ節約、貯蓄するのか」という目的をはっきりさせる
(2)「ここ1年で最も低い生活水準(月額)に対してそれを数%下回るお金」で一定期間(1カ月~3カ月)生活してみる
(3)断食後は回復食期間。一定期間経過したら、徐々に使える生活費の額を増やしていき、適正な生活費を決める
この「お金の断食」のポイントのひとつは回復食にある、と筆者はいっています。
ダイエットでも、すぐに元の食生活に戻してしまうとリバウンドが起こりやすくなるように、お金を切り詰めてしまった反動で、かえって不必要なお金を一時的に使ってしまうというリスクもあります。断食で回復食がポイントとなるように、一定期間(1カ月~3カ月)経過したら、徐々に「この口座に入っている分だけで生活をする」と決めていた口座の総額を増やしていきましょう。
「お金の断食」をすることによって、お金の持つ力や生活をするうえでのお金の位置付けがわかるようになり、贅沢やムダ遣いを抑制する効果があるそうです。また、「この金額で生活する」というラインが、現実的なのか非現実的なのかがわかってきて、自分のお金の実力値(現実的にどのくらい貯められるのか)を見極めることができるようになるそう。
思うように貯金できないなら、「お金の断食」試してみる価値アリです!
[お坊さんマネーコーチが教える お金にとらわれない生き方]
価格:1,365円(税込)
出版社:サンクチュアリ出版
photo by Thinkstock/Getty Images
(中澤小百合)