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今年も丁寧に料理をしたい。口にした人の心をやさしく溶かす「塩おにぎり」

2022/01/07 18:00 投稿

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料理家・松本日奈さんが、台所を中心にまわる日常や「おいしい」に関わるモノやコト、台所仕事の負担を軽くして楽しいものにかえる“ひと工夫”をつづる連載「テーブルに ひと工夫」。

今回は 、おいしいおにぎりを作るコツを紹介します。

粒をつぶさないように、やさしく両手で「包む」

丁寧に料理をしていこう」と襟を正す機会は1年に何度かありますが、シンプルだけど思いを込めたくなるもののひとつが「おにぎり」です。粒感があって、ふんわりしていて、ほんのり塩気があるおにぎり。おいしいですよね。

塩おにぎりは、手に塩や塩水をつけて握ったりしますが、私は炊き上がったごはんにあらかじめ塩を混ぜておいてから握ります。ごはんを炊くときに、塩を米の量の1%ほど入れて炊くのも、粒がしまって握りやすくなるのでおすすめ。

炊き立てのごはんは握るには熱いですが、ボウルに移すといくぶん粗熱は取れます。さっくりと空気を含ませるように混ぜたら、次々と握っていきます。

具がなくてもじゅうぶんおいしい塩おにぎりですが、意外と相性がいいのがオリーブ。黒オリーブのおにぎりはわが家の定番です。

「おにぎり」という名なので、ついきゅっと力を込めたくなりますが、手に適量のごはんをとったら、両手で「包む」ように、できるだけやさしく軽く、粒をつぶさないようにまとめます。私は「握るのは6回、多くても8回まで!」と決めています(笑)。

形が決まらなくても気にしません。海苔で巻いてしまえば大丈夫。海苔はおにぎりの熱が取れてから巻きます。

「こんなおにぎりを作りたい」という私の理想は、映画「千と千尋の神隠し」のワンシーンに出てくるおにぎり。ご存じの方がいらっしゃればうれしいのですが、千がくれたおにぎりを口に入れ、それまでの緊張が解けたのか、千尋の目からは大粒の涙がぽろぽろと溢れ出ます。あんな心を溶かすやさしいおにぎりが作れたらいいなあ、と思うのです。

松本日奈(まつもと・ひな)
料理家。北イタリア留学中に現地の料理人やマンマから料理を学ぶ。オリーブオイルや白バルサミコなどの調味料を使い、シンプルで素材を生かした家庭料理を提案。レシピ開発やケータリング、ひな弁と活動の幅を広げる。自宅などで開催する料理教室は毎回キャンセル待ちになるほどの人気ぶり。目黒区鷹番にある食材店「ラ・プティット・エピスリー」を営む夫、ふたりの娘、愛犬と暮らす。インスタグラム

写真・文/松本日奈

コメント

「おむすび」の方がしっくりくる

No.1 35ヶ月前

同じくおむすびの方がすきです。

No.2 35ヶ月前
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