今回は、ダイエットにまつわる誤った情報について専門家にお話をお聞きしました。いますぐ信じるのをやめたほうがよい、もっとも間違ったダイエットの「ルール」を教えます。
迷信1:脂肪を摂ると太る
脂肪は炭水化物やタンパク質とくらべるとグラムあたりのカロリーが高く、だからこんな迷信が生まれたのではないか、と考えているのは管理栄養士で『The Little Book of Game-Changers』の著者ジェシカ・コーディングさん。
しかし、実際には脂肪は満腹感を持続させてくれるのだとコーディングさんは言います。「その人に必要なカロリーに見合ったバランスのよい食事や軽食として脂肪を摂取すると、ダイエットを促進し、またリバウンドもしにくくなります」。ここでの脂肪には、アボカド、オリーブオイル、ナッツ類などの健康的な不飽和脂肪酸が含まれます。
もちろん必要量以上に大量の脂肪を摂取した場合は、体重は増えてしまうでしょう。そう注意するのは、ニューヨークにあるプレスビテリアン・ワイル・コーネル・メディカルカレッジ胃腸科専門医キャロリン・ニューベリー医学博士ですが、次のようにも話しています。
「しかし脂肪は健康的な食事を構成する重要な要素であり、細胞をつくり、体温を維持するのには適量の脂肪の摂取が必要ですし、また体にエネルギーを与えるのにも脂肪は欠かせませんよ」
迷信2:すべてのカロリーは平等である
体重を落とそうとしているときにどのくらいのカロリーを摂取しているのかを把握するのは大切ですが、それがどんな“種類”のカロリーなのかを知ることも重要です。
「カロリーはただのカロリーではない」とコーディングさんは言います。タンパク質、脂肪、炭水化物のような主要栄養素は「それぞれ体内で違った働きをするし、異なる機能を持っています。私たちは、体がベストな状態で機能するようにそれらの栄養素を組み合わせて摂取する必要があります。白いパンの200kcalと、アーモンドバターを塗った全粒粉のパンの200kcalでは、食べた後の体の調子がかなり違うはずです」
迷信3:炭水化物は体によくない
脂肪と同様に、健康的な食事という点で炭水化物には重要な役割があります。「炭水化物は適度な量であれば消化管を調節し体の主要なエネルギー源となります」とニューベリー医師。
炭水化物には単純炭水化物と複合炭水化物という異なる種類があることを覚えておくのも重要。単純炭水化物には加工食品なども含まれていて、血糖値を上げ、あまり多くを摂取しすぎた場合に体重増加につながる、とニューベリー医師は説明します。
いっぽうで複合炭水化物は、全粒粉のパンや豆類、オーツ麦、特定の野菜など栄養素の高い食品にみられるもので、血糖値を調整するのを助けます。
「すべての炭水化物が悪いのではありません。ただし、自分にとって適切な量を摂取するようにしましょう。また種類についても気をつける必要があるのです」(コーディングさん)
迷信4:夜に食べると体重が増える
これは“しょっちゅう”クライアントが持ち出す話題だとコーディングさんは言います。
「寝る数時間以上前に食べるのをやめることをまったく支障なくできる人もいますが、多くの人にとって、それは精神的にも肉体的にも難しいことなんです。なぜならお腹がすいてしまうから。最後の食事を夜早めに食べちゃおうとがんばっても、結局は空腹にならないようにだらだらとおやつやスナックを食べてしまうことに」
これもまた、夜食に何を食べているかが大きく関係してきます。「夜食を食べる習慣は、カロリーの過剰摂取や貧相な食事を選んで食べていることと関係しています」とニューベリー医師。しかし、夜に健康的でバランスのとれた食べ物を食べているのであれば、心配しなくても大丈夫です。
迷信5:ダメな食事をしても運動すれば帳消しになる
ダイエットではエクササイズをするのは重要なことですが、スナック菓子や揚げ物、砂糖たっぷりの飲み物といったカロリーが高くて栄養のない食べ物を摂取すれば、せっかくの努力が簡単に水の泡になってしまいます。
「一度にあまりにも多くのカロリーを燃焼させないといけなくなるだけですから、偏った食事を運動でなんとかしようとするのはかなり難しいんです」とニューベリー医師は説明します。
またジャンクフードを食べても、バランスのよいエネルギーのために必要な栄養素が体に供給されないとコーディングさんも指摘。「ホルモンに害を与える特定の食品を食べていると、エネルギーやワークアウトの能力といった点にもマイナスの影響を与えてしまうでしょう」
次回の『Prevention』に続きます。
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