いわゆる「女」の嫌な部分や、「女」同士が生み出すイライラのメカニズムを知り、軽やかに生きる方法を、精神科医の水島広子先生の著書から、毎日ひとつずつご紹介します。
(すぐ感情的になる、裏表がある、群れたがる、張り合ってくる……こうした「女」の嫌な部分を、この連載ではカッコつきの「女」と書いています。これは女性そのものを意味するのではなく、一連の困った特徴のことを呼ぶと理解してください)
image via ShutterstockBさんのケース
末っ子の私は、現在母と父と3人暮らし。父と母は必要なこと以外はあまり話さず、私と母の方が仲がよい。だが最近は、勤務後にまっすぐ帰ってくることや、休みには一緒に行動することを期待され、母をわずらわしく思うことがある。
子どもの成長を支えるということは、その「子どもの領域」を尊重してあげるということです。Bさんの母親は、「子どもの領域」の存在を認めていないと言えます。
さらにやっかいなのは、パートナーを含めて他に親しい人がいない様子であること。娘は貴重な「味方」であり、その自立を受け入れるのはとても難しいでしょう。
しかし本来、パートナーと共に子どもの成長を支え、自立した大人として世に送り出すことが親の仕事です。その変化を認めないと、母親の人生が空虚なまま停滞してしまいます。今後を本気で考えるのであれば、自分がもう自立していることをきちんと伝える方が親切なのです。
なお、このプロセスが無傷で進むとは期待しないでください。必要なのは、「お母さんならこの変化を乗り越えられるはず」と信じること。自立しても大切な母親だということは伝えつつ、娘に依存する以外の楽しみがたくさんあることを知らせてあげましょう。
1,430円
『女子の人間関係』
なぜ、あの“女”(ひと)はあなたの感情を乱すのか? 比べたがる“女”、敵・味方を作りたがる“女”、「自分は自分、他人は他人」ができない“女”、そして自分のなかの“女”……女性同士の人間関係の悩みや、いわゆる「女」の嫌な部分から解放されて生きていくためには、自分と相手の中にある「女」についてよく知ることが大切。対人関係療法を専門とする著者ならではの視点で、女子の人間関係をスムーズにする方法をレクチャーします。
水島広子(みずしま・ひろこ)先生
精神科医。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、現在、対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン(AHJ)代表。2000年~2005年衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正をはじめ、数々の法案の修正実現に尽力。『「ドロドロした嫉妬」がスーッと消える本』など著書多数。