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治すだけじゃない、きれいにするところまでが治療/皮膚科医・上島朋子先生

2019/06/25 05:30 投稿

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「この不調、どこに相談したらいいの?」「病院では、どう対処してくれるの?」と悩む一方で、いざ病院に行こうと思ったとき、「どこがいいのかわからない」「ネット検索してもどこまで信用していいのかわからない」。そんな思いに応える連載「MYLOHAS Doctors」。

VOL.5は、皮膚科トラブルを治すのはもちろん、その先のきれいにするところまでを目標にした治療を行う上島朋子(かみしま ともこ)先生(東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュ 院長)を取材しました。

VOL.5 皮膚科/東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュ 上島朋子先生

特に大切にしている診療(得意分野)は?

一般皮膚科や美容皮膚科を幅広く行っていますが、ノアージュとしては、「No Age」の名前が示すとおり、「年齢にとらわれない健やかな美しさ」を目指す、エイジングケアを目的とした治療に力を入れています。シミ、シワ、たるみ、薄毛などの治療です。

皮膚科医になろうと思ったきっかけや動機は?

もともとは病理医としての研究を行っていました。病理とは、その名前のとおり「病」の「理(ことわり・理由)」を研究する学問です。細胞や組織を調べて、それがどのように病気やトラブルにつながっているかを研究します。

多くの方に馴染みがあるのは、胃カメラのときの生検でしょうか? 検査のために小さな粘膜部分を採取すると、その後は病理診断というものを行います。

病理医に送られてきた組織を固定して染色し、顕微鏡下で診断します。悪性か良性かの判断だけではなく、どのような性質のできものか、炎症の程度はどの程度かなどを組織や細胞を見て診断するのです。

また、不幸にして病気で亡くなられた場合、生前のご本人やご家族の意思により、病理解剖をすることもあります。一秒でも早く、ご遺体をご家族に返すため、深夜でも早朝でも主治医から連絡があれば駆けつけて行います。

研究分野として行っていたのは、がん細胞を取り出して培養し、その性質からどのような薬が有効であるかを調べたり、創薬のアイデアになるようなメカニズムを探したりしていました

そんな病理医の生活をしているうちに、自分のしている研究が臨床の場でどのように役立っているのか知りたいという気持ちが強くなっていきました。そこで組織や細胞だけでなく患者さまに向き合う臨床を経験したいと思い、顕微鏡を日常的に使う皮膚科に進むことにしました。

皮膚科医は、皮膚を見て、触って、皮疹やできものの形や色をしっかり見極めて、目の前のこの患者さまにはどういう治療をすべきか、と考えます。形態学という観点から病理と皮膚科は、基本的なマインドセット(考え方の基本的な枠組み)が共通しており、病理出身の皮膚科医だからこその判断と理論的な治療をご提案したいと思っています。

診察をするにあたって、大事にしていることは?

病名は同じでも、病気はおひとりおひとり違います。同じように治療していても、効果がすぐに現れる人もいれば、なかなか現れない人もいます。同じお薬でも、副作用が出る人もいれば、出ない人がいます。ですから、今目の前にいる方にとって最適な治療をご提案したい、と思っています。できる限りの「パーソナルな治療」を目指していきたいですね。

治療の経過中に、何か問題が生じることもあるかもしれません。そんなとき、その方の生活のリズムを変えずに可能な改善点を見つけ出し、問題解決の糸口を見つけるよう寄り添っていければと思っています。

また、治療に関する提案は広いほうがいい、と思っています。たくさんの選択肢の中からメリット、デメリットを比較しながら、患者さまと一緒に優先順位を決めていくようにしています。

どんな悩みや不安をもつ女性たちに、受診してほしいと思っていますか?

お悩みがある方は「どなたでも」いらしてください。「こんなことくらいでクリニックに行っていいのかな?」などと思わずに、まずは相談していただきたいです。

患者さまによっては、たとえば、蕁麻疹やアトピーなど、治療に長い期間を要するトラブルを抱えた方もいらっしゃいます。

患者さまは「すぐにきれいにしたい」とどうしても期待されますし、その気持ちも痛いほどわかるのですが、じっくり、腰をすえて治療を継続しなければならない病気もあります。そんなときは、「ゆっくり、しっかりやりましょう」とお話します。

また、トラブルを抱えた方は、そのトラブルを「治す」ことに精一杯で、「きれいになる」ための治療に対して臆病な方もいらっしゃいます。そんな方も、ぜひあきらめずに本音で相談していただきたいです。難しい病気がある場合は病気をコントロールしつつ、きれいになる方法を探していきましょう。

先生ご自身が日常生活で健康のために、気をつけていることは?

とにかく、しっかり食べます。お肉もお野菜も大好きでしっかり食べます。

それから、早く眠ります。23時くらいには就寝するようにし、朝に調べものやメールの返信などをしています。

また、最近気をつけるようにしているのは、「やり過ぎ注意」です。集中して「やり過ぎ」ると、体が悲鳴を上げていることに気付かず、体調不良にも気付かず、結局は患者さまや周囲のスタッフに迷惑をかけてしまいます。「情熱的に」、でも「ほどほどに」と、自分に言い聞かせるようになりました。

これは私だけではなく、働く大人の女性全般に言えることだと思います。日本の元気は、そんな大人の女性たちのがんばりのおかげ! ですから。

診療内容、料金目安、薬の処方方法は?

一般皮膚科、美容皮膚科、一般形成外科、美容系背外科、血管外科(上島先生の診療内容:一般皮膚科、美容皮膚科)。保険診療はもちろん、フォトフェイシャル、ピコレーザー、タイタン、ジェネシス、水光HARG療法など、美容皮膚科の治療全般。

診療費目安(自費の場合の例、すべて税込)

フォトフェイシャル 27,000円〜 (トライアル 21,600円) ピコレーザー    27,000円〜 水光HARG療法(育毛) 63,720円〜

薬は院外処方。ノアージュのあるミッドタウン・タワー6階の同フロアに調剤薬局あり。

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東京ミッドタウン皮膚科形成外科Noage(ノアージュ)

診療時間:月~金10:00~19:00 土・祝10:00~18:00
休診日:日
住所:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー6階
電話:03-5413-0082

上島朋子(かみしま ともこ)先生
東京ミッドタウン皮膚科形成外科Noage(ノアージュ) 院長・医学博士。1992年新潟大学医学部卒業。1996年新潟大学大学院修了。東邦大学医学部大森病院、栃木県立がんセンター、財団法人鎌倉病院皮膚科部長を経て、2016年8月よりノアージュ勤務。1999年より10年間、非常勤医師として神奈川美容外科クリニックに勤務。2018年5月より東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュ院長に就任。

インタビュー・執筆/増田美加(女性医療ジャーナリスト)

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