調理法とタンパク質の消化しやすさの関係については、科学的な研究がいくつも行われています。同じ魚を生のまま、煮る、焼く、蒸す、干す、揚げる、酢につける、塩漬けにするなどさまざまな方法で調理して、そこに胃液に近い成分の液体をかけた場合、もっとも消化されやすかったのはどの調理法だと思いますか?
意外かもしれませんが、もっとも消化しやすかったのは生のまま、そして煮魚と蒸し魚、干し魚でした。次が酢につけた魚、揚げた魚で、消化に手間取ったのは焼き魚、いちばん消化しにくかったのは塩漬けにした魚でした。
これに似た実験は卵でも行われていて、もっとも消化しやすく、栄養素の吸収がよいのは半熟卵でした。生卵とゆで卵は消化に2時間半程度かかるのに対して、半熟卵は1時間半。目玉焼きは3時間と記録されています。魚と同じく、焼くと消化が悪くなるわけです。
じつはタンパク質は長く加熱するほど、そして加熱温度が高くなるほど固まる性質があり、消化に時間がかかります。また、塩漬けにすると水分が抜けるため、やはり身がしまって固くなります。
胃の調子が悪いときは焼きものや揚げもの、塩蔵食品(水分が抜け、身がしまって固くなる)は避けたほうがよさそうです。
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コメント
人類が魚を、煮たり焼いたり蒸したり干したり揚げたり酢でシメたり塩蔵したり凍結させたりしてきたのは、
主として「(保存を含めて)安全に食べるため」だよね。食味や胃腸の調子を考えて食べ方を選べるなんて、本当に良い時代に産まれたなと思う。
生食できる魚に関しても「川魚は生で食わない方がいい」とか、先人の相応の犠牲があった上で出来た常識なわけで
魚は生の方が消化がいいというのは、調理に興味があれば知っている事だと思う。
生の方が消化がいいのと、寄生虫が存在するというのは別の問題なので分けて考えたほうがいい。魚を生食する文化が育った日本では、当然寄生虫に対する知識や経験も蓄積されている。動画栄えのためにナメクジを生食して死亡した人がいるそうだが、ナメクジに寄生虫がいる事を知っている人はもちろんいる。
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そして刺し身に潜んでいた寄生虫に胃をズタズタにされる、と